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災害を起こす"危険な雨量"を調べよう!

大雨が予想されると、天気予報が「九州で300ミリ、四国で250ミリ…」などと「雨量の予測」を伝えているの、見たことありますよね。

予想雨量2

でも、「結局のところ300ミリとか200ミリってどのくらいヤバいの?」と思っている方も多いと思います。

実は「何ミリ降ったらヤバいのか?」は、お住まいの地域によって異なります。そこで今回は、災害を起こす「危険な雨量」をオープンデータで調べる方法を紹介します。

観測史上1位の雨に注目する

危険な雨量の考え方は色々ありますが、今回は「観測史上1位の雨量」に注目します。「観測史上1位の雨量」は、その地点で降ったことのあるMAXの雨量なので、それを超えるならば、まさに「経験したことの無い危険な雨」と言えるからです。最近の研究でも「雨量がその地域の観測史上1位の値を超えると犠牲者が増える」と指摘されています。

「観測史上1位の雨量」を調べるのに使うのは気象庁のWebサイト。まずは「気象庁 過去の気象データ」と検索します。

FireShot Capture 1894 - 気象庁 過去の気象データ - Google 検索 - www.google.com

1番上に表示された「気象庁|過去の気象データ検索」を選択して開くと、次の画像のようページが開きます。

FireShot Capture 1898 - 気象庁|過去の気象データ検索 - www.data.jma.go.jp

次に、このページの左側、地図が描かれた「都道府県・地方を選択」(赤枠部分)をクリックします。

FireShot Capture 1897 - 気象庁|過去の気象データ検索 - www.data.jma.go.jp

日本地図が表示されるので、調べたい地域を選択します。都道府県を選ぶと地図が拡大され、より詳細な地点(次の画像)を選ぶことができます。

FireShot Capture 1899 - 気象庁|過去の気象データ検索 - www.data.jma.go.jp

表示されるのは、気象庁が「アメダス」という観測機器を設置している場所です。例えば、東京の都心を調べる場合、「東京」をクリックします。

FireShot Capture 1900 - 気象庁|過去の気象データ検索 - www.data.jma.go.jp

場所の選択が終わると、再び「過去の気象データ検索」のページに戻ってくるので、画面右下のオレンジ色の三角形に赤色の!がついた「地点ごとの観測史上1~10位の値」を選択しましょう。すると、次の画像のように、観測点「東京」の雨量や気温、風速など歴代の記録が表示されます。

FireShot Capture 1902 - 気象庁|過去の気象データ検索 - www.data.jma.go.jp

天気予報では「24時間雨量」の予測が紹介されることが多いので、「月最大24時間雨量」の行を見てて下さい。

東京の1位は392.5ミリ。つまり、これを上回ると、東京の都心では経験の無い雨となり、間違いなく危険です。

この値だけかなり突出していて、2~10位を見ると、280~230ミリという感じです。つまり、24時間で250ミリ前後の雨が降ると、1890年の観測以降でもトップ10に入る大雨ですから、これでも危険だと言えるでしょう。

地域で異なる「危険な雨量」 高知は帯広の4倍

では、この「危険な雨量」は地域によって、どのくらい違うのか。

梅雨の無い北海道で見てみます。例えば、「帯広」を見てみると…

FireShot Capture 1915 - 気象庁|過去の気象データ検索 - www.data.jma.go.jp

観測史上1位は186.5ミリ。東京の都心の半分しかありません。111.5ミリを超えるとトップ10に入ってきます。一方、台風や前線の影響を受ける高知市を見てみると、

FireShot Capture 1916 - 気象庁|過去の気象データ検索 - www.data.jma.go.jp

観測史上1位はなんと861ミリ(!)。東京の2倍以上、帯広の4倍以上の雨量です。なんと300ミリ降ってもトップ10に入らないんです。

ですから、雨の予想が「24時間で200ミリ」だったとすると、高知ではたいしたことはありませんが、帯広では観測史上1を超える危険な雨です。

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災害を起こす危険な雨は、地域によって差があることはわかっていただけましたか?天気予報の雨量予測を生かすためにも、ぜひ一度、お住まいの地域の「観測史上1位」の雨量を調べてみてくさだい。

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