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世界一周物語 第9話 〜マレーシア編〜
次なる目的地はマレーシアの首都クアラルプール。
カメラを無くし、意気消沈していた少年だったが、
ある旅人に出会う。
その旅人の名は”せいじ”
彼は身包みを剥がされ、
所持品は5冊の地球の歩き方とパスポートだけ。
では、本編どーぞ!
マレーシアの首都 クアラルンプール
パタヤビーチから次なる目的地はマレーシア。
この移動もバスだ。VIPのバスと普通のバスを選べた。
VIPは席が広くて、トイレも備え付けられていて、快適に過ごせる。
しかし、もちろん値段も普通のバスの倍ぐらいしただろうか?
外国の旅行者は大体こっちを選ぶ。
そう、少年は深夜特急の旅がカッコいいと思っている。
もちろん、普通のバスでしょ。
VIPに乗るなんてダサい。そんな想いのままマレーシア行きのバスに乗った。
中国、ベトナムと訳の分からない移動距離をバスですでに乗ってきている。
1日、バスに乗りっぱなしが短いように感じた。
そして、無事、マレーシアの首都クアラルンプールに到着した。
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まず、街に着いたら、宿探し。
何個か目星をつけていた所に行ってみる。
クアラルンプールでも地球の歩き方に紹介されていた宿に泊まることに。
日本人宿ではなかったが、地球の歩き方に掲載されていると、自然とそこに日本人バックパッカーが集まる。
僕はチェックインを済ませて、部屋に荷物を置き、ロビーのテーブルでゆっくりしていた。
そうすると、マレーシアの男と、日本人の男がそのテーブルまで、きた。
『日本人ですか?』日本人
『はい』少年
『隣いいですか?』
『はい』
若干、少年は押されながら、マレーシアの男のちあと日本人の男のせいじと会話が弾む。
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なんと、せいじは、数日前に、身包みを剥がされ、所持品とお金を全て持って行かれた直後だった。
なんとも、面白いやつだ。しかし、そんな時にも関わらず、悲壮感が全くない。
むしろ、日本に帰って、いいお土産話ができる、よしよしと思っていたのかもしれない。笑
大阪から来ているそうで、生粋の関西弁を喋る彼は愉快な奴だった。
僕は兵庫県出身だ。一緒の関西だが、大阪のやつは一緒の関西人でも少し違う。
大阪のやつの喋る関西弁は、濃縮された麺つゆ100%。
僕たち大阪の周辺に住む兵庫や奈良や京都(京都は綺麗な言葉)は薄められた関西弁を喋る。
面白くないと、学校カーストの上位にはいけないのだろう。
彼もしっかりと面白い。そして、体を張って、面白いことにトライしていた。
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身包みを剥がされたせいじ
せいじも僕と同じ関西の大学を休学して、世界一周の旅へ出かけることにして、一カ国目がここマレーシア。
大体の世界一周者は一カ国目はフィリピンか中国かタイ辺りが多い。
しかし、せいじはなぜかマレーシア。
なぜ一カ国目がマレーシアが謎だったが、行きたい所があったそう。
動物が好きで、マレーシアのプルフアン島へ行きたっかそう。
後に一緒に行くことになるのだが。
せいじはマレーシアに着くなり、宿で出会った西洋人の二人組と一泊二日の旅行に誘われたそう。
関西人で、ノリのいいせいじは二つ返事で行くことに。
そして、ホテルに到着して、夜にみんなで乾杯したそう。
そこに、睡眠薬が入れられていて、せいじが目覚めた時には所持品がほとんど持って行かれていたそう。
しかし、西洋人は、パスポートと地球の歩き方は残していたそう。
パスポートは彼らなりの優しさだろう。
まあ、盗みをする時点で優しくはないだろうが。笑
せいじは地球の歩き方を行く国分持ってきていた。5冊は持ってきていただろうか?
めちゃくちゃ重たい。それをリュックに背負って、持ってきていた。
そんな旅行者、後にも先にも彼だけだった。
普通はPCにデータとして持っていくか、最初に行く一カ国目ぐらいだ。
せいじはなんと一冊でも重たい地球の歩き方を五冊も持ってきている。
世界一周しようなんて思う奴はどこか頭のネジが一個や二個、飛んでいる。
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5冊の地球の歩き方とパスポートを持って、宿に滞在していた。
彼は宿のスタッフに、お金を後払いにしてもらえないか頼み込んで、宿泊していた。
そしてご飯代は、心優しきマレーシア人のれんにお金を借りていた。
それで、親からお金を振り込んでもらうのを待っているために、その宿にいた。
5人兄弟の末っ子のせいじは人懐っこく、みんなに親切にされていた。
普通の人だったら、身包み剥がされて、お金も、ケータイや服や持って行かれたら、日本に帰ろうか。となる。
しかし、彼は違った。お金を一時的に親から借り、旅を続ける。
そして、旅費を稼ぐために、オーストラリアにワーホリへ行くことを急遽決定。
生きる力というか、やりたいことをやるんだという強い意志を少年は感じた。
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僕たちはゆとり世代
僕たちの年代は「ゆとり世代」と揶揄されたが、僕が旅で出会った同年代のやつは、違うベクトルで生きているように感じた。
勉強は決してできるタイプではなかった。現実問題、有名大学で世界一周の旅に出てるやつ僕は出会わなかった。
しかし、やりたいことはしっかりとある奴が多かった。
俺はあそこに行きたい。とか。
俺は音楽が好きだ。とか
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クラルンプールに滞在しているおっちゃん。
マレーシアに1ヶ月ぐらい遊びにきた保育士さんの姉さん
マレーシアの学生であるレン。
このメンバーでクアラルンプールをあっちこっち行った。
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一人では行かないような観光地へも足を運んだ。
そして、みんなでごはんを食べるのはやっぱり美味い。
宿の近くにあった、好きなおかずとご飯を大きな皿にのせて会計するレストランへよく行った。
野菜もいっぱいとれるし、おかずも好きなものを選べるから、飽きがこない。
マレーシアはご飯がうまかった。
シンプルに楽しい日々だった。
そこから、姉さんは別の街へ行くことになり、せいじが待っていたお金が振り込まれ、蓮くんは家に帰るタイミングになった。
それで、それぞれが移動することに。 グッバイ、クアラルンプール。
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第10話にづづく
『せいじとのズッコケ2人旅。』
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