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こころの処方箋 河合隼雄

はじめに

河合隼雄さんは本の最後でこのような言葉を残されている。

 私が大切にしているのは、生き方全体の創造であり、「私が生きた」と言えるような人生を作り出すことである。

 この言葉がこの本の一番の核心に触れている言葉だと思う。


①まずはやってみる

 誰しも、何かやりたいと思うことがあっても、なかなかそれができないと言うことが多い。「〜〜をやってみたい。しかし〜〜。」と言うわけで、何か留保条件がつき、その条件について考えこんでしまったり。それを解決してから、などと思っているうちに、日が経ってしまったり、意欲が薄れてしまう。あるいは、ずっとその思いを心に秘めたまま、死を迎えてしまうこともある。

もう遅いと思う人や時間がないと言う人がたくさんいる。そんな人はブツブツ言う前にまずはやってみなはれ。

 自分がやりたい、好きと思うことはやはりそれだけ価値がある。それを始めたら、若返り、自分の思いがけない能力が引き出されたりする。

まずはやってみなはれ。やってみないと物事は分からない。駄目だったら、駄目でもともと。あれこれ考える前にやってみなはれ。

②ソウル・メーキングやってみませんか?

 ある人が死んで、冥界にいくと、立派な御殿が建ちつつある。これは誰の御殿かと聞くと、まだ生きている人の名前を言い、その人の善行に応じて、こちらの住む家が作られて行くのだと説明してくれる。そしてその人はもう一度この世に戻されて、この話を語るわけだが、このような冥界往還の話には教えられることが多い。

 この話によると、この世での善の行いがあの世での住む家が作られて行く訳である。その住居に住む期間に比べると、この世での住む住居なんて、ほんの僅かである。あちらの世界で住む期間の方が途方もなく長いので、あちらの住居の方が大切であることは誰でも分かるだろう。

自分が何か行為を行おうとしたり、決意したりするときに、その結果としてこの世界に何が持たされるかだけでなく、あちらの世界で何が持たされるかも考えてみてもいいかもしれません。

③遠い目標を見出そうとする勇気

 目先を照らす役に立っている灯ーそれは他人から与えられたものであることが多いーをアテにして、闇に中に目を凝らして遠い目標を見出そうとする勇気は誰にとっても、人生にとって必要な事ではないだろうか。場当たり的な灯りを売る人が増えてきている。そこで、自分の目に頼って闇の中に頼って闇の中にものを見る必要が高くなってきている。

 目先の利益に走って、大きな人生に意義を見出さないような生き方はどうなのかなと考えさせられる文章である。人生の大きな指針に向かって、日々を邁進したいものである。仕事ややっていることは変化の著しいこの世の中で変化するし、変化しないと成長はない。 

 しかし、自分の人生はこうありたいと言う大きな大枠っているのはそこまで変わるものではない。人生という大きな航海に、どの方角に向かって行くかが大切で、その船のエンジンは仕事ややっていること。ということはどこに向かっているかを確認することが大事で、仕事は実は目的地に連れていってくれるものをチョイスする必要があり、古くなったら、取り替えたりする、修理する必要がある。それが転職や起業になる。


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