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番外編 母の一人旅!

★1 母よ海を渡ろう!

父が安定したあと、密かに母を妹や弟のところへ行かせようと思っていた。

なぜなら、父がこの後退院してきても2人で旅行にとは中々ならないだろうと思うからだ。

父は人に迷惑をかけるであろうことで躊躇するだろうし、母はやはり自分が父を見なきゃならないことで不安になり二の足を踏むだろうからだ。

なので今回は自分のことは自分で出来るだろうと、母に一人旅をさせることにした。

行くまではすったもんだ(汗)
やっぱり行かない!
お父さんに教えないほうが良い?
やっぱり行けない!
もうキャンセル出来ない?

毎日変わる母の言動に、予約したから行くしかないよ!さあ、買い物に行こう!服を買おう。
あんなものもこんなものも……と休みごとに連れ出し、当日までなんとかモチベーションを保ってもらおうと努力。
いよいよ明日と言う日にはほっと胸をなでおろした。

★2 飛行機って素晴らしい♡

母が一人旅をするに当たって、1つ悩んだのは飛行機の乗り込みと降りてからだ。

もちろん、ゲートまでは私が送るし、到着先では妹が待っている。
しかし飛行機は搭乗口からが長く、預けた荷物も取らねばならない。
その間の見えないところをどうしようかと考えた。

きっと出来る、母は人に何でも聞ける人だから……と頭ではわかっているのだが、最近の母を見ていると心配が先に立つ。

空港について思い出した。
子供にあるサービスなら老人にもあるのでは?と。
空港についてから気がついたにも関わらず、航空会社の方はしっかりと対応してくれた。

安心した!私も…たぶん母も!
そして他人の前に立つことで、母の性格が良い方に出た。
私は大丈夫!一人で出来るよ!といわゆる見栄である。
それでも見守りをお願いし、母は飛行機に乗り込んでいった。

三泊四日、私の生活は……やはり変わらず、同じ時間に電話があり生存確認(笑)あっという間に時は過ぎ、迎えの時となった。

今回は残念ながら弟には会えずに終わったが、妹のところで孫たちも巻き込んであちらこちらに連れて行ってもらったようだ。

私とは日常しかないが、少しは日常生活以外を楽しめたかと思う。

もちろん、帰ってからは疲れた疲れたとひとしきり文句を言っていた。

母はこの頃楽しい、美味しいとは言わなくなっている。父に悪いと思っているのかその感情が薄れてきたのか……。

でも、私はこの旅に大満足している。
いいよ!と快くいってくれた妹夫婦にも感謝しかない。

可愛い子には旅をさせろ!すっかり保護者なのだ。
母が何事もなく一人で成し遂げたことに出来ることを確かめ安心したのかもしれない。

まだ親の老を、口でいうほど認めたくないのかも知れない。

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