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興味のあるフィンランド教育

みなさんおはようございます。以前OECDの学力調査でフィンランドが世界一を獲得したことが話題になりました。この本は2019年に書かれたもので、少しデータは古いですが、それでも参考になることがとても多かったため、今回紹介したいと思います。

ではなぜフィンランドの教育が優れているか、という問いに対しての回答ですが、私がこの本を読む限り、自主性をとても重んじていること、保護者に余計な負担をかけないようにしていること、サポート体制を充実させることなどが分かりました。

具体的に見ていくと、フィンランドは子供であっても親が過度に干渉したりせず、自分の頭で考えて行動することを重視しているようです。日本だとどうしても子供に干渉しすぎたり、教育方針にガチガチに囚われてしまって、子供をダメにするなんて話はよく聞きます。その点がフィンランドでは子供に対しても大人と同様の責任を持たせ、自分自身を律して行くことが求められるため、ある意味厳しい社会ではありますが、それだけ自由度の高い国であることが言えます。さらに驚いたのは、義務教育といっても、学習の義務はあっても、学校に行く義務はない、という発想でした。つまり一定の学力と人間性さえ身に着けられれば、必ずしも学校へ行かなくてもいいということです。まあこれは気候も関係しているでしょう。知っての通り、フィンランドは冬がとても厳しい国です。日本のように冬でも歩いて登校できるような国ではありません。そうなると必然的にホームスクーリングや遠隔授業なども発達しやすくなります。こうした日本との違いは注目に値しました。

次に保護者に余計な負担をかけないことについて考えます。実を言うと私はこの制度が最も素晴らしいと感じました。例えば、日本で言えばPTAなどの組織には自由参加と言われながら、加入が義務化されているような雰囲気があります。それに加入しないと子供に不利益を与えたり、村八分にしたりといった嫌がらせを受けるなんて話も聞きます。教育を与える者としてそんなことがあっていいのでしょうか?子供のいじめ云々言う前に大人たちが自らの襟を正さなければならないと思います。また、ご存じの通り、フィンランドは税金は高いけど、教育にかかる費用は基本的に無料です。こうなると保護者は安心して教育を受けさせることができますね。

さらに、サポート体制の充実というのも見逃せませんでした。例えばいじめの問題が起きた際、日本ではどうしても学校内だけで解決しようとします。それが悪い方向に進むと隠蔽なんてことも起きます。しかしフィンランドではそんな問題が起きれば、行政や警察も絡んで問題解決に努めます。実際フィンランドでいじめ問題がないわけではないですが、真剣に取り組もうといった姿勢が見られました。その他にも勉強が追い付いていない児童、生徒はさらに学べる環境を用意してもらえるようです。

こうした環境もあってかフィンランドはOECDの学力調査で世界一を獲得しました。特に問題解決能力が突出して高かったとか。日本と違って知識を詰め込むだけではなく、こうして応用が利くように学習していたことが読んでいて参考になりました。

それでも、日本においてこれらの教育方法は参考にはなるけど、真似できるかと言われれば、できないと言えるでしょう。自主性を育む教育は絶対に必要だと思いますが、日本だとフィンランドと比べて人口が多すぎるため、そこまで子供に対しサポート体制を敷くことは難しいように思えます。また、詰め込み教育が良くないと言われがちですが、私はそうは思いません。例えば、漢字教育なんて最たるものでしょう。漢字を覚えるのには膨大な時間がかかります。これを自分の頭で考えてやれなんてことは到底できるものではありません。どうしても詰め込み型の教育にならざるを得ません。かといって、漢字教育に時間がかかるから漢字を廃止しろといった主張は暴論だと思うし、私は決して漢字廃止は支持しません。それだけの膨大な時間をかけてでも漢字を覚えるメリットが大きいこともあるし、漢字を廃止することで起きるデメリットが大きすぎるからです。

そういうこともあって、日本が今後目指すべき教育は詰め込み教育と問題解決能力を伸ばす教育を並行して行うことです。要は比率の問題です。子供のときは比較的時間が取りやすいです。その時間を使って膨大な知識を詰め込むのと同時に、遊びの中で応用していく能力も求められるでしょう。また気候がフィンランドと大幅に違うことも考慮しなければなりません。北欧の国々があれだけ福祉国家になった原因は冬の寒さです。あれだけ厳しい環境に身を置かれれば、助け合って生活しなければ生きていけないでしょう。日本のように生易しい環境ではないのです。

北欧というとどうしても良い面ばかりが見えがちですが、彼らは相当の苦労と葛藤の中で現在のシステムを手にしました。日本に住む我々が簡単に真似できるものではありません。しかし、外国の良いところは積極的に取り入れて、さらに改良を加えて来たことが日本の最大の長所だと思います。フィンランドの教育から日本が取り入れられるものは何か、それを考えることが今後の日本の教育をよくするヒントになるのではないでしょうか?少なくとももっと自分の頭で考えて動ける人を作っていかなければ、とは思いました。これは私自身の子育てにも応用しています。とはいえ北欧信者の私は北欧の良いところはどんどん取り入れたいと思っています。まずはホームスクーリングについてもっと調べてみる必要がありそうです。これはこれは勉強が遅れている子供だけでなく、学校だけでは物足りない子供にも必要なやり方だと思うので。

それではここまで読んでいただきありがとうございました。教育や子育てでご意見がありましたら、コメントいただけると嬉しいです。


#岩竹美加子

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ブルーベリー博士(家庭菜園投資家)
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