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突然浴びた衝撃のひとこと

彼の家に行くと、彼の父親は私ととても労ってくれました。
私が思っていたよりも、ずっと素晴らしいお父さんでした。

今、子供を持ってみて感じることや、ニュースで見聞きする子供の事件、事故。
それらを考えると、彼のお父さんの気持ちはどんなだったのでしょう・・・
そんな中、彼のそばにいる私を見つけて
「〇〇こっちに来てなさい」
と、私を別の部屋に連れて行こうとした時でした。
突然誰かが、大きな声で言ったんです。

「この娘(←私のこと)よっ!!
この娘が、〇〇(彼の名前)を殺したんだよっ!!
この娘の所に行ってなかったら〇〇(彼の名前)は死なずに済んだんだよっ!!!」

と言って、大激怒!
私もどうしていいかわからず、ただ、そこに立っていました。

そうすると、彼の父親が一言。

「〇〇はもう死んだんだ。
そして、死んだ俺の倅が一番好きだった娘がこの子だ。
もう、家族なんだよ。
その、この子は俺の倅に将来を取られたんだ。
そんなこと、この子に言ったら俺の倅が悲しむから、止めてくれ・・・な。」

そんなようなことをとても静かに言ったと思います。

私はただボーーっとしていて、涙も見せずにいたので来る人、来る人の怒りを買ってしまったのかもしれません。
でも、どうやっても涙が出ないんですよ。
逆に笑いの方が出ちゃって、何だか遺体の彼を目の当たりにして、微笑みを浮かべていたのかもしれません。
とにかく、なんか変な感じでした。
コントロールできないんです、自分のことが。

時間を追う毎に、彼の友達や私も知っている顔がたくさんやってきました。
その顔を見るのはとても辛かった。
2-3日前は一緒に遊んだのにどうして彼が死んで、そこに友達が集まるんだ?
なんか変でした。まるで本当に夢の中。


大きな声で私が怒鳴られて、そのすぐ後に、彼のお母さんが来たんです。
病院から帰ってきたと言っていました。
彼が死んで気絶して、家に帰りたい、最後数日間彼と一緒にいたい、という思いで帰ってきたんだ、と聞きました。
そりゃ、そうです。

そして、お母さんは私の顔を見て、しばらく泣いていました。
そして私にこう言います。

「しばらくここに一緒に暮らしてちょうだいね、お願いだから・・・」

と。

そこへお父さんがやってきました。
そして一度家に帰って、着替えを持ってくるように言われたんです。
私はその後、一緒に行ってくれた友達と一緒に一度家に戻ります。

この辺の時間軸は全く覚えていませんが、私は家に帰ると弟がいたんです。
そこはとても覚えています。

なぜなら、衝撃的な一言をもらうからなんですよ。

私の弟も彼のことを知っていました。
家に帰ると、少しの会話があったんです。

弟「どこ行ってたの?」
私「〇〇が今朝死んだんだよ、だから、彼の家に行ってた」
弟「そう」
私「そう・・・でも、〇〇が俺も死んだら〇〇(私の名前)も死んでねって言ってたのが頭から離れない。」
弟「・・・じゃ、お姉ちゃんも死ねば?」
私「・・・」

私は、サッサと彼の家に戻ったんだと思います。
もう、世の中誰も私の味方がいなくなったような気持ちになっていました。
ひとりになってしまったと、身体で感じて、そして、とても淋しかった。
それがいつまで続くかわからないけど、ずっと続いてもいいから彼の家族と一緒に過ごしていたいと思っていました。


ついでに書いておくと。。。

これ以降、私は弟と距離ができました。
それは今でも続いています。
もう、長い間、身のある話をしていません。
30年弱かな??
最初は私も我慢して普通にしていましたが、それがずっと引っかかっていました。
両親のことを思うと兄弟仲良くしていた方が両親も安心だろうと思っていました。が、ある日、私はそれを止めました。
その「ある日」とは、父が亡くなった時です。
疎遠でもいい。
両親のために私が我慢することはない。
いつの間にか私はそんな風に考えが変化しました。

いつか、このことも書きましょうか。



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