見出し画像

【おとなりさん便り】こどものためのおとなの授業レポート(第2回こどもの話を聴く)

「おとな」が「こども」とのかかわりについて学ぶことができる講座『こどものためのおとなの授業』、第2回目を開催しました

年3回の学びを通じて、こどものために自分ができることを考えていく授業。8月に実施した第1回目に続き、今回は、18歳までなら誰でもかけられる子ども専用電話の実施・運営をしている特定非営利活動法人チャイルドライン「もしもしキモチ」代表理事の岡田健一さん(以下、岡田さん)より「こどもの話を聴く」をテーマに学びました。

第1回目の授業について、気になる方はこちらをどうぞ。

当日は雪予報が出るほど寒い日となりましたが、
対面・オンライン計54名の参加者とスタートしました。
「あなたが今日、ここに来た理由は?」
授業が始まる前から参加者による、たくさんの熱い思いが入り口に貼られました。

第1回の「こどもの発達とこどもの権利」というテーマから、なぜ今回は「聴く」というテーマに移ったのか、その変遷のワケについて話をしたいと思います。

2023年4月、国で新しく「こども家庭庁」が設置されて、「こどもをまんなか」をキーワードに様々な議論がされていることをニュース等で耳にする人も多いでしょう。授業が実施された12月現在では、こどもの居場所づくりに取り組む時の指針案も出てきました。一方で、地域でこどもたちと関わろうとする私たちにとっては「何かに気をつけなくてはいけない?不安がある…」とドキッとしまって中々一歩を踏み出すことができずにいる人の声も聞いていました。

(引用:こども家庭庁 こどもの居場所づくりに関する指針(答申案))

とりわけ、2番の「こどもの権利」の言葉はまだ馴染みがなく理解が難しかった方も少なくないと思います。

だからこそ、第1回目の授業では「こどもの権利」について学びを深める時間としました。

第1回目の講師は特定非営活動法人にじいろCAPの重永侑紀さん

こどもの権利はしてよいことであり、誰でも持っているものであること。こどもだけに関わらず、障害を持っているから、肌の色が違うから、と区別したり、距離が近い家族だから、恋人だから(よいだろう)と蔑ろにされる存在ではないです。こどもにおいては、未熟な者としてではなく、同じ人として関わりを持っていく存在ということであることに、気づかされました。

(引用:こどもの権利キャンペーン資料

確かに私たちは、少なくとも「こどものために」と言って集まったり取り組みをしたり、そんな活動を後押ししたりしていますが、その時に相手の気持ちをしっかり確かめながら進めることが大事なのかもしれません。

(引用:こども家庭庁 こどもの居場所づくりに関する指針(答申案))

とりわけ「こどもの居場所づくり」というものを考えた時に、第三者が作ろう、とする作用が働く一方で、居場所感を持つのは、こども本人であることから、声を聴いていくことが重要であるのだと思います。

しかし、こどもは言語が発達しておらず、その成長過程の中で相手に様々な方法によって感情を対処しようとしたり、思いを伝えようとします。そんな時、私たちはどのようにして「こどもの声を聴いていけば良いのか」という不安に立ち戻ります。

そのため、既に様々なこどもたちとのコミュニケーションを重ねてこられた岡田さんに実践的な内容を教えていただくことにしました。

岡田さんの授業では、そもそも、話すために使う「言葉」には人と人が共に生きる上で、各々の感情をコンロールをする機能や力があること。言葉を人に話すこと自体が自身を治癒することに繋がるという前提から始まりました。そして、私たちが、こどもを想定し、不安を「言葉」という適切な形で出してもらうのだとするならば、関係づくりを最初のステップに、聴きながら相槌を打ったり、伝えてくれた内容をまとめて返したり。時には質問をしたりすること。そんなことを直ぐに実践できるノウハウとして教えていただきました。

今回も参加者のアンケート、感想を少しご紹介します。

「こどもに対しての声掛けを一人一人にしていこうと思いました。」

「これまで会話を急かす事が多々あった。間接的に責めていた。まず安心、信頼してもらえるよう傾聴に徹したい。」

「お話を聞いて、これまで何度かこどものはなしを聴いていて、そのような瞬間があったなぁ、と思いました。具体的な話の聴き方、相づちのうち方、是非これから実践して、もっとこどもたちの心の安心に繋がる存在、居場所になれたらいいなと思いました。」

「他人の話しを聞く時も、こどもの話もじっくり聞けるような気がしました。」

「聴講しながら、自分のこれまでの子供の関わりがたくさん思い出され、話の内容1つ1つについて、納得できた。」

「こどもとの会話で悩んでいたので、傾聴の仕方がわかってよかった。」

直ぐにできることをイメージしながら、参加したそれぞれが今にも「聴く」を実践しようとしている様子が声から伝わってきます。言葉を聴くことを通して、話すことを通して、自分のことも相手のことも大事にできますように。

みんなで学びを深め、広げていきませんか。一緒により良い地域をつくりましょう。

残り1回、授業の申し込みを受け付けております。是非ご検討ください。

【第3回】「地域の居場所での大人の“居方(いかた)”」
日時:令和6年2月11日(日曜日)13時30分から15時10分まで
会場:ほほえみ館 教養講座室(佐賀県佐賀市兵庫北3丁目8-36)
講師:北九州市立大学文学部准教授/きんしゃいきゃんぱす代表 山下智也氏

参加希望の方は、以下のフォームまたは電話でお申し込みください。
申し込みフォーム:https://forms.gle/LxexmAvje58qLWuF8
電話申し込み:0952-25-7056

編集・書き手・写真 : 草田彩夏(佐賀県こども家庭課 地域おこし協力隊)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?