【おとなりさん便り】こどものためのおとなの授業レポート(第1回こどもの発達とこどもの権利)
「おとな」が「こども」とのかかわりについて学ぶことができる講座『こどものためのおとなの授業』を開催しました
年3回の学びを通じて、こどものために自分ができることを考えていく授業。8月27日に実施した第1回は、特定非営活動法人にじいろCAPの重永侑紀さん(以下、重永さん)を講師に迎え「こどもの発達とこどもの権利」について学びました。
まず、なぜこのような場を開催することになったのか、その背景について伝えたいと思います。
生物学的親<社会的親
佐賀県ではこどもたちにとって、家庭でも学校でもない、気軽に立ち寄れて”ほっと“できる場所、地域のこどもと大人が出会える場所のことを「こどもの居場所」と称し、取り組みを後押ししています。
地域にいる大人のみなさんとこどもたちの関係性を表すとすれば ” 社会的親 “* であると言えるかもしれません。血縁関係には無いけれど、まるで親のように自分のことを見てくれていて、安心できる人。核家族世帯が増え、両親の共働きが当たり前になっている環境でこどもたちが、安心して ”居る” ことができるためには、そういった人の存在が必要不可欠になっています。
*網野武博「育ちの力・育ての力」
専門性<市民性
また、こどもを地域で見守ることは何かが起こる前の予防の観点でも重要です。虐待件数、特別支援学級数などが年々増えている中で専門性を増やすだけでは、何かがあってからの対処法になってしまいます。
ここで言及されているように、自分の家族だけを中心に考えるのではなく、地域でこどもを支えようとする意識そのものが ”市民性“ と言えます。各々がつながることが豊かさであり、困りや問題の予防になっていく。そのような地域が作られていってほしいと思います。
そんな市民性を持つ大人が増えていくことが、安心できるこどもたちの居場所や地域をつくっていくことに繋がるのではないか。「こどものためのおとなの授業」は、こうした思いからスタートしました。
重永さんの授業では、権利とは侵してはいけないものではなくて、当たり前に全てのこどもにとって保障されているものであるという内容からはじまりました。そして、保障される環境をつくるためには、おとながこどもを尊重・配慮する視点を忘れてはいけないこと、こどもが愛着を形成するためにおとなの側も学ぶ必要があることを教えていただきました。
参加者のアンケート、感想を少しご紹介します。
参加してくださった皆さんの言葉から、素晴らしい気づきと志が生まれていることを感じます。正解を求めるのではなく、共に対話を重ねることによって学び、考え、目の前のこどもたちを大切にする視点を一人ひとりが持てたら。
みんなで学びを深め、広げていきませんか。一緒により良い地域をつくりましょう。
第2回・第3回も申し込み受付中
授業の申し込みを受け付けております。是非ご検討ください。
【第2回】「こどもの話を聴く」
日時:令和5年12月17日(日曜日)13時30分から15時10分まで
会場:アバンセ3階 和室(佐賀県佐賀市天神3丁目2-11)
講師:特定非営利活動法人チャイルドライン「もしもしキモチ」代表理事 岡田健一氏
【第3回】「地域の居場所での大人の“居方(いかた)”」
日時:令和6年2月11日(日曜日)13時30分から15時10分まで
会場:メートプラザ佐賀 教養文化室(佐賀県佐賀市兵庫北3丁目8-40)
講師:北九州市立大学文学部准教授/きんしゃいきゃんぱす代表 山下智也氏
参加希望の方は、以下のフォームまたは電話でお申し込みください。
申し込みフォーム:https://forms.gle/LxexmAvje58qLWuF8
電話申し込み:0952-25-7056
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?