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広島お好み焼き屋【皐月】の看板娘のリムは実は竜の姫巫女様でした! 第5話 お好み焼き屋【皐月】の宅配は全国可能! (2)

#創作大賞2023
#お仕事小説部門

 第5話 お好み焼き屋【皐月】の宅配は全国可能! (2)

 だからリムの口から少しばかり……と言うか?

 先ほども少しばかりリムが説明をしたけれど。

 ちょっと説明の方が、理解しがたい内容だったと。

 思う方もいると思うから。

 リムが先ほどの説明に対して、少しばかり説明をつけ加えることにすると言うことで。

 実はね?

 この世界。

 この日本。

 そしてこの家、《《お好み焼き屋皐月》》に住んで居ない。

 桃源郷……。

 その中の物の怪よ呼ばれる物達が住み、暮らす国にいる。

 リムや母上、姉上以外のパパのお妃さま達……。

 そう、竜の姫巫女であるリムや姉上の伯母上さま、叔母上さまに当たる二人の竜妃なのだが。

 ライザ伯母上は武、力を守護に持ち。

 悪しき者達から、自分達の国と民を守護する、火炎の竜妃さまでね。

 もう一人の叔母になるルミエル叔母上さまは大地と緑を守護に持ち。

 そして民の安定と平穏を守護する、緑の竜妃さまなの。

 そんな二人がね。

 この日本がある世界に住み暮らす者達へと、竜の姫巫女の恩赦。

 と、言っても?

 まあ、ルーレット的な物ではあるのだけれど。

 広島県以外の他県や他所の国の都市、町に住む者達へと幅広く。

 この大変に美味しい広島の郷土料理……。

 今年の春のG7サミットでも大変に話題にあがった《《広島お好み焼き》》を幅広く知ってもらおうと。

 まあ、ルーレット式ではあるのだが。

 当たりの人は、《《お好み焼き屋皐月》》の出前、宅配サービスが受けられる。

 注文できるようにしたのだ。

 だから一日数回ではあるのだけれど。

 《《お好み焼き屋皐月》》のマスターであり。

 リム達竜の姫巫女の主である竜神さま……。

 黒竜王海斗がね、ドラゴン化して出前、宅配のサービス……。

 そう、パパが、自身の魔力で身体を透明化し、巨大な翼を羽ばたかせながら世界中の各都市──何処へでも。

 パパ自身の巨大な黒き翼から、漆黒色の粒子を撒き散らし、大空を羽ばたかせながら、飛行をしてお届けするの。

 それも、《《広島お好み焼き》》が冷めない内に到着をするから。

 宅配の注文も頂いたお客さまから大変に喜び、歓喜の声があがるほど評判がいいのと。

 二人の竜妃さまの恩赦が当たり。

 宅配注文を頂いたお客様はね、何と?

 次回からはライザ伯母上とルミエル叔母上の恩赦がなくてもこのようにと、言うか?

 先ほどリムがパソコンの画面を凝視しながら。

『フムフム』と言葉を漏らしつつ、メモをとっていたように。

 次回からはインターネットの回線から安易に、営業時間内だけは注文ができるようになっていると言う訳なの。

 だからリムは今からパパと二人で夫婦仲良く。

 宅配をする商品の手配を始める。

 そう、只今岡山県は岡山市に住むお客様から注文を受けた。

 広島お好み焼き、肉、卵、そばWダブルと。

 肉、卵、そばのシングルの、系二枚を焼くために。

 リムもパパの背を追い皐月の店内へと向かうの。

 夫婦仲良く肩を並べ、和気藹々と。

 広島お好み焼きを焼くために。

 リムは居住スペースと店内を繋ぐ扉のノブに手を当て──。

〈ギィー!〉と。

 音を出しつつ、部屋の扉を開け──!

 広島自慢のお好み焼きソースやキャベツなどの野菜……。

 そして豚肉に、そば麺、うどん麺が香ばしく焼け──。

 大変に良い香りがする【皐月】の店内を覗き込めば。

 そこにはね、いつものように沢山のお客さまが所狭し、と座る。

【皐月】の店内は満員御礼の様子と。

 そして、「はぁ~」とリムの口から大きな嘆息がついついと漏れてしまう。

 お好み焼きを焼く女性の姿がね。

 そう、銀の髪色をした大変に麗しい女性の姿……ではないようですね。

『はぁ~、あぁ~』と。

 リムが自身の脳内で嘆いたところで、説明をしますが。

 今日はどうやら、真っ赤な髪色……。

 紅蓮の炎のような真っ赤な髪色と。

 真っ赤な瞳を持つ麗しい女性の姿……。

 そう、先ほどリムが説明をした《《桃源郷》》にある。

 リム達の国の国防を母上から任され、守護し。

 外敵から国と民を守護する火竜の竜妃さまこと。

 リムの伯母上《《ライザ》》閣下の姿が皐月の店内で見られるから。

 リムは大変にショック……。

 だって今日は未だ姉上もハイスクールから帰宅もしていなし。

 母上は今日は政務が忙しいから帰宅の方も遅くなると連絡があったから。

 リムは『しめしめ』と思っていたのに……。

 そう、今日はリムが、【皐月】の女将として、パパと仲良く肩を並べながら。

 夫婦仲良く、和気藹々とお仕事……。

 お好み焼きを焼いたりできると思っていたのに。

 ふと気がつけば、と言うか?

 ライザ伯母上、いつお店にきたの?

 リムは全く気がつかなかったよ、と。

 プンプンと伯母上に不満を申してやりたい衝動に駆られるけれど。

 リムがそんなことを言えば。

 大変に恐ろしい伯母上から。

『エリカと御方のしつけが、なっとらん! だから儂が二人の代わりに。リム、お前をしつけるために折檻をしてやる! 覚悟しろ!』とか。

 ライザ伯母上に罵声を吐かれつつ、リムはお尻叩きの刑にあってしまうので。

 自身のお口にチャック──ファスナーで不満を閉める。

 でっ、閉め終えれば。

 少しばかり説明をしようと思います。

 でっ、ないと?

 なんで火竜のライザ伯母上が、皐月の店内にいるのか。

 みなさんは、自身の首を傾げると思うからと。

 リムがみなさんへと告げれば。

 リムは話しを進めていきますね。

 リム達竜神さまの一族が経営する広島お好み焼き【皐月】の店内……。

 お客さまが満員御礼で、お仕事が忙しい時などに。

 我が竜神さまのお妃さまの、序列一位のエリカ太后陛下さまが政、執務で多忙な時などは。

 今ライザ伯母上がお好み焼きを焼いている姿を見ればわかる通りで。

 手の空いている暇なお妃さまが、自身の主である竜神さま、海斗の手伝いをするために。

 皐月へと赴き手伝いを進んでするといった感じになっていると言うか?

 暗黙のルールみたいな感じなの。

 でも本当ならばね。

 この家に住んで居るリムや姉上が、パパのお手伝いをすればいいのだけれど。

 一応リムと姉上の二人は。

 この日本では未成年者と言うことになっているから。

 中学生のリムは本来ならば【皐月】に立ち、仕事をするのはいけないことなのだけれど。

 これはあくまでも家の仕事であり、アルバイトではないから。

 リムは中学校の先生や教頭先生、校長先生からも大目に見てもらっている。

 でもそれはあくまでも夕方までね。

 陽が暮れると禁止でね。

 リムの姉上もJKの少女だから。

 リムと同じで、余り遅くまでは皐月の手伝いができないのと。

 姉上は大変に成績優秀な、賢い女性ひとだから。

 我が家の主さま、竜神さまも。

 お店の手伝いよりは、勉強の方を重要視させたいみたいだから。

 パパは余り姉上に対して、お店に立つようには指示をしない。

 だから今日もいつの間にか。

 ライザ伯母上が皐月へときて──。

 常連のお客さま相手に。

 ペチャクチャとお話……。

 世間話しをしながら《《広島お好み焼き》》を焼いて女将をしている。

 まあ、そんな様子のライザ伯母上なのだけれど。

 リムがパパの背を追うように。

 皐月の店内へと入り。

 ライザ伯母上と目が合うと。

「二人共、どうだった?」

 ライザ伯母上とパパの二人へと微笑みながら問いかけてきた。

 だからリムがライザ伯母上へと注文……。

 そう、先ほど岡山市にお住いのお客さまから、インターネットの通信によりきた注文の内容を。

 ライザ伯母上へとリムが説明をしようとお口を開き。

『伯母上~』と声をだそうとすれば。

「ライザ宅配の注文が入っていたよ。悪いんだけれどライザ。お好み焼きの肉、玉、そば麺W一枚と肉、玉、そば一枚を直ちに焼いてくれるかな?」

 リムよりもパパが先に、ライザ伯母上へと注文の報告──。

 そして直ちに焼くようにと下知を下ろす。

「はいよー! あんたー! 任せておきな!」と。

 ライザ伯母上は、彼女らしい振る舞い、と言うか?

 気さくな振る舞い?

 まあ、ざっくばらん?

 ライザ伯母上の男勝りの、大変凛々しく、勇んだ声音の台詞だけ聞けば。

 とても四柱の竜妃の一人には見えない振る舞いで。

 ケラケラと笑いつつ威勢のある声色で。

 パパへと了承したと告げる。

◇◇◇

(カクヨム)
(20)

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