見出し画像

起業して会社が成長できるかどうかはバックオフィス業務についての考え方による

今週はソーシャルインパクト評価の研究会に参加し、京都→仙台→京都→東京とバタバタしながら、ずっとやりたかった「バックオフィス業務の学校」をまず一つ告知することができた。

SOU-MU NIGHTをはじめたときもそうだったけれど、「言いたいことは分かる。でも難しいよね」というような感想をもらうことも多い。

持論だけれど、自分が思う世界観、やりたいことがあるのであれば一つどんなに小さくても形にして人に見せることが何よりも大事だ。

人は形にして見せてみなければ理解できない。まず熱意をもって旗を立てる人がいてそこに磁場が生まれる。月曜に嘉村賢州さんからソース理論について聞きながら、SOU-MUの始まりの頃を思い出していた。

昨晩の「SOU-MUのうつわをでかくするNIGHT」の東京開催では、3年ぶりにお会いする人もいて「続けてくれてありがとうございます!」と言ってくれた。

正直続けるのが大変な時期もあったし、自分たちだけじゃなくて本当に参加してくれているみなさんのおかげで成立しているコミュニティであり、イベントだと思う。

だからこそ、その期待に応えて続けていきたい。

仙台ではいろんな人の人生や想いに触れた。

考えていた「バックオフィス人材の育成支援」について意見をぶつけてみる機会でもあった。

SOU-MU NIGHTでも会社立ち上げ時のバックオフィス業務の課題について話を聞いている中で考えがまとまった。

起業して会社が成長できるかどうかはバックオフィス業務についての考え方による

おおよそ各地域で行われている起業支援プログラムはメンターによるビジョンの壁打ちとビジネスモデルの構築に終始している。

もちろんそれはとても大事なこと。それがなければ1がつくれない。そしてそれがプログラムとしてある都市もそれほど多くはない。

しかしそのプログラムを卒業して無事に起業に至ったとして、その会社を支え続けるフォロー体制はほとんどない。学生起業が良い例だと思う。

いいところがスポットの士業の無料相談体制だ。

私もスポットで相談を受けることもあるけれど、当然ながらそんな深い背景を理解できていないし、聞く限りの範囲でしかアドバイスができない。

最も分かりやすいのが節税だ。

限りなく納める税金を減らしてくれる税理士がいい税理士か?

それとも自分のビジョンに合わせて会社の成長を一緒に願ってくれる税理士がいい税理士か?

ネットの情報に惑わされることは仕方がない。だけれど、あなたの会社のことはあなたにしか分からない。すべては個別の案件であって、万人に当てはまる答えなどない。

だから起業初期はきちんと自分の会社のことを考えてくれる士業との付き合い方が重要になる。

自分のサービスは高く売ろうとするくせに、他人のサービスはできるだけ安く買おうとする。

自分は業者扱いされるのを嫌うくせに、他人を業者扱いする。

しかも、そうしていることに自分が気づいていない。
サービスの違いが分からないから判断基準は「安い」だけだ。だから全体で貧しくなる。

また、安くて悪いサービスを利用するとその投資が活きることはなく、事業成長につながらない。支出が投資だという視点を持つことができていない。

バックオフィス業務をできるだけ安く外注しようとする。
「雑務」は自分の仕事ではない。それがいまのクラウドの時代の流れだと。

そういう経営者は「雑務」の範囲をとらえ違いしている。

バックオフィス業務について手を動かす必要はない。でも、そのバックオフィス業務について「何も分からない」という状況は非常に良くない状況だ。

会計はもちろんのこと、労務、法務、情報システム、組織風土づくり、すべては経営の根幹を為すもの。

起業支援だけをして「その後はどうぞご自由に」という支援があまりに多くないか。それで苦労している1~3年目の起業家をたくさん見てきた。

クラウドで安価なサービスが多くなったことで、切り売りされているパーツを買うことは容易になった。だからこそ、こうしたバックオフィス業務を軽視する風潮が増えたのだろう。

むしろ逆だ。

現在は起業して会社が成長していけるかどうかは、そうした安価で高性能なパーツをうまく組み合わせてバックオフィス業務を効率的に回すための仕組みを構築できるかにかかっている。

士業に関してもそうだ。専門的な知識は士業に任せればいい。
その士業といかに付き合うかをまず経営者は知らなければならない。

士業の報酬など、それだけの知識の人材を社内に抱えることを考えれば、非常に安い。

重要なことは「社内で何が起きているか。何が起きそうか」を把握することだ。課題が分かっていれば、士業に相談をすれば解決する。

まず最初は経営者がバックオフィス業務の概要を知ることが大事。それはそんなに難しいことではない。

業務が多忙になれば社内にパートでも副業でも人材を置くのがいい。
その社内のバックオフィス人材は何かの専門性がなくてもいい。
ただ作業をするだけではなく「社内で何が起きているか。何が起きそうか」を把握して、適切な質問を外部の専門家にすることが重要。

それができるかどうかが、1~3年目に特に重要なことだと思う。

もちろん売上を稼ぐことは大切。しかし、それだけでは必ず社内にひずみが生まれる。

月刊総務の豊田健一さんが話していた「経営総務」というのもまさにそういう視点からきている。

自分がどこまでそうした人材の育成ができるかは分からないけれど、特に起業家にバックオフィス業務に関する正しい考え方を伝えることと、一人目で採用するようなバックオフィス人材の育成はやっていきたい。

いろんな刺激があった1週間だったけれど、いろんな人と話をして足場が固まった1週間だった。



みなさまのサポートがとても嬉しいです!いつも読んでいただいてありがとうございます!