たみー麻雀の終わり、そして麻雀教授の始まり

Youtubeで麻雀関連の動画を探すと、牌譜検討がしばしば見つかる。

【雀魂段位戦】教えて!タケオしゃん!目指せ金の間脱出!
(2024/04/03に生放送)

樫野木アロンさんとタケオしゃんのものが典型例だ(上の動画の32:00以降で牌譜検討している)。2人は雀魂の私設リーグ「わいたまリーグ」のチーム「自由麻雀同盟」の一員だ。アロンさんはメンバー、タケオしゃんはリーダーだ。

典型的な牌譜検討の特徴を以下に列挙しよう。

・教える人と教わる人がいる
・教える人は教わる人より段位が数段高い
・教える人は自身の考え方を言語化し、曖昧な点がないように伝える
・教える人は柱となる技術が身についているか確認する(シャンテン数の数え方が身についたかを確認している)

手牌の向聴(シャンテン)数の数え方
(Mリーグ成績速報(非公式))

シャンテン数の数え方は上のページに詳しい。手牌を「メンツ→トイツ→ターツ」の順に切り分ける技術だ。なお、タケオしゃんはこれを一捻りした独自の方法を用いる。

対して、以下の牌譜検討を見てみよう。

【雀魂】東一局で役満なんかでないよね??でない、よね???( ;∀;)【たみー/VTuber】
(2024/02/06に生放送)

Vtuber「たみー」ちゃんが視聴者と友人戦を行い、3位以下になったら牌譜検討をしている。

この牌譜検討の特徴を以下に列挙しよう。

・教える人は不特定多数の視聴者で、教わる人は「たみー」ちゃん
・教える人は教わる人より段位が数段高いか不明。段位が同等の人から意見をもらうことがあり得る
・教える人は説明の際、不正確・曖昧な点があり得る
・教える人は柱となる技術が身についているか不明(シャンテン数の数え方を知らない人が少なくないだろう)

牌譜検討は麻雀で成績を上げたい人がやることだ。検討をするにしては、授業の質が担保されていない。なぜ麻雀プロや雀魂の高段位者から教わらないのだろう。

おそらく「たみー」ちゃんは麻雀の成績に興味がない。視聴者を釘付けにして、音楽ライブのような共感と高揚感を得ることが生放送の目的だ。

まず、1局対戦をしている。視聴者は次の対戦機会を求めて視聴を続けるだろう。うまい仕掛けだ。

<違和感その1>

「順子か刻子でも喰い替えはOKだよね」(22:35-)

副露 食い替え(Wikipedia)

「手牌の中に333という刻子があり、3をポンして3を切る」

ポンする喰い替えは同一牌食い替えで、使う機会は少ない。

「手牌の中に345という順子があり、6をチーして3を切る」

チーする喰い替えの筋食い替えが大多数だが、同一牌食い替えをよく知っていたものだ。

この後、筋喰い替えについて視聴者のチャットをしばらく拾っている。同一牌食い替えを知っていながら、筋食い替えを知らないのはおかしい。これは視聴者の発言を拾うことで、視聴時間を維持するのが目的だろう。

<違和感その2>

「メンツの素5つを持っておく、ってのが5ブロック。どう言うこと? ごめん、ちょっと分からない」(54:20-)

和了(Wikipedia)

「雀頭と4組の面子が含まれる形。4面子1雀頭と呼ばれる最も典型的な和了形である」

麻雀のアガリ(和了)で一般的なのは、4面子1雀頭が揃った形だ。4メンツ1雀頭の候補を5ブロックと言う。

「たみー」ちゃんは雀魂を軽く3年打っている。発言者は不正確な説明をしたが、4面子1雀頭の候補を指すことは容易に想像できるだろう。

<違和感その3>

「刻子、対子、ターツ(塔子)って何?」
「ターツはメンツの1個手前。メンツってシュンツのこと?」
「『234とか333とかが何か』の主語が抜けてる」(55:20-56:50)

的を外した発言を次々と拾っている。これは正解を知っているからこそできることだ。

もう十分だろう。「視聴者を釘付けにして、視聴時間を稼ぐ」ことが生放送の目的の1つだ。

目的のもう1つは「都合の悪い視聴者をふるい落とす」ことだ。

あなたのそのポスト、推しの可能性を摘んでいるかもしれません
(note 齋藤豪 (gousi) / 牛さん)

齋藤豪プロ(第13代天鳳位、雀魂4麻魂天)の小論を見よう。

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ファンは○○の鏡、という感覚が多くの人に備わっているとすれば、第三者がこういったポストを見たときに、

第三者(こういうファンばっかなら、ゆるもたんさんと関わりたくないな…)
って思う事があっても不思議ではありません。

(中略)

よって、うしおじ(39)さんは、ゆるもたんさんを応援しているどころか、
これでは営業妨害してるだけなんですよね。
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「たみー」ちゃんにとって、麻雀の解説を正確にできる人は都合が悪い。問題を解決することで、話の種(生放送の題材)を奪うからだ。

「たみー」ちゃんのキャッチフレーズは「ロックなトラブルバニー」だ。問題が起こり、てんやわんやすることで、視聴者はやきもきする。生放送に釘付けになる。結果、配信者と視聴者が共感と高揚感で一体化して、一種の音楽ライブが完成する。

たみー麻雀 いたずらに副露をしないことだ(2023/01/28放送回)

私は「たみー」ちゃんの異様な麻雀を見て、奇異の視線を持たされた。そこで、まともな麻雀の打ち方の解説を始めた。しかしこれが迷惑だったのだ。

上のページでは「たみー」ちゃんが山田独歩プロ(第3代天鳳位)に牌譜検討してもらっている。しかし独歩さんは一打一打に深入りしていない。「完全イーシャンテン形を知っていますか」程度で終わっている。

おそらく、問題を解決してほしくないのだろう。

「たみー」ちゃんの狙い、意図、展望が何となく見えてきた。そのため、私は「たみー」ちゃんが発する情報を非表示にした。奇抜な言動で人目を引くのはやめてください、と言いたい。

さて、誤解しないでほしいことがある。麻雀を打つVtuberはたくさんいるが、真面目な人のほうが多い。

ウザク式 牌効率講座 with みさき千夏 2024/04/08 投稿分

みさき千夏さんはVPL(Vtuberによる麻雀プロリーグ)の1期生だ。最近1年でシャンテン数の数え方に習熟したようで、ウザクさんの難しい何切る問題にもズバリ正解するなど、敢闘賞ものの活躍だ。VPLの先人として模範となるだろう。

たみー麻雀 手作りで目指したい形-ヘッドレス形イーシャンテン形、くっつきイーシャンテン形

私は麻雀の問題を解決したい人を応援し、物事のコツをこっそり教えている。
(本稿終わり)


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