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本音で逢いに行きます [前編]

たった今、東海道新幹線のぞみ93号に東京駅から乗り込んでからこのnoteを書いている。
行き先は京都。私の出身地。
両親と2年ぶりに会いに行くのが目的だ。
なぜ、京都に行くことになったかは、3週間前の11月22日に遡る。。

〜3週間前〜

父からの突然のLINE

父から、突然不穏なLINE通知が飛んできて不安に思い、友達とご飯を食べてたのですが、慌てて電話をかけ直す。
『まさか誰か近しい身内が亡くなったのでは!?』
とっさに、そう思った自分がいた。

「どうしたの?」
って電話口で聞いても父はモゴモゴしてて、言いづらそう。
そして突然、
「お前、分かるやろ??」
とか言われてもよくわからず、
「意味わからんわ」
と答える。

そうしたらに父がボソッと、
「お前はあれか、、、LGBTってやつなんか?」
と言われ、
『ああ、そういうことか!』
と理解。

17歳の時に、男の人が好きだって自覚してから現在37歳に至るまでの20年間、言いたくても言えなかった自分の核心的アイデンティティにまつわることを、父に先に言わせてしまった。
電話口の横にはどうやら母も控えている模様。

親に対して本当に申し訳ない気持ちになったと共に、両親に対していつまでもあった薄い強化ガラスの壁が、ピキッとひび割れた瞬間だった。

「ああ、そうだよ!」と敢えてサラリと回答。

「なんで最初に言ってくれんかった??それが悲しいわ」と父。

どうやら知人のどなた様かが、自分のFacebookかなんかを見てご丁寧に親にお話をしたみたい。めちゃくちゃ下世話だなあと思う一方で、むしろ話すきっかけを作ってくれてありがとうという複雑な気持ちが入り混じる。

父も同じく複雑な気持ちを抱いているみたいで、『自分の息子が何者であったとしても認めたいという想い』と、他人様から今回のことを言われたショックからか、『こちらは田舎だからお前がLGBTだということを不特定多数が見るSNSに書き込むな!』というニュアンスのことを言われて、またまた複雑な気持ちになる。
ちゃんと自分で両親に伝えなかった自分自身が招いたことによる純粋な反応なんだと、自分で自分を納得させる。

「電話だとなんだからとりあえず一回対面でお話ししましょう!」
・・・ということで電話口では深く話さず、今回の京都帰省に繋がった。

〜ここから現在の話〜

自分はLGBTで言うところのGayであり、今は人付き合いをする際にそれを特段積極的にオープンにはしてはいないし、もちろん積極的に隠したりはしていない。おかげさまで理解ある友人・同僚に恵まれてカミングアウトを自然に気軽にできる状態にある。
けれども正直、自分のセクシャリティなんて他人様には全く関係ないし、そこに固着した付き合いも全く望んでいない。

自分が積極的に人付き合いをする判断基軸は、その人と一緒に居て
『ポジティブな気持ちになれるかどうか』
この一点に収束すると思うし、相手にも自分のことをそんな風に思ってもらえたら本望だ。
だから相手の年齢・国籍・性別・セクシャリティetc は尊重はするが、遠慮をしないことに決めている。カテゴライズに依存した人間関係ではなく、お互いの心の繋がりに依拠した人間関係を強く望んでいる。

実際にこのような思想でここ数年は生きているので、過去何度も『死にたい』と思ったことがあるほどの孤独は消失し、おかげさまで、毎日が幸せと充実で満ち満ちている😚

違和感をどんどん手放し、ポジティブや居心地の良さとどんどん繋がる経験をすればするほど、自分の中で引っかかっていた、両親や姉妹を初めとした血の繋がった家族と、本当の自分で向き合っていないことに対する違和感が、どんどんと顕在化してきた。

過去、何度かカミングアウトをしようと試みたこともあるが、それでも言えなかった。。そして直近はコロナ流行を口実に、実家に積極的に帰るということもせず、家族と向き合うことから逃げていた。

そしてついに本日、本音で両親と対峙する時が来たようだ。

昨日今日の付き合いではなく、自分がこの世に生まれるきっかけを作ってくれた2人なので、出来れば、『自分の考えや想いを理解してほしい、自分のパートナーを交えた家族同士の交流したい』という密かな、わがままな願いが心をちらつかせている。

けど、それと同じくらい、今回の件で混乱して苦しんでいるかもしれないもうすぐ70歳も間近な還暦過ぎの父母の立場や気持ちになって、それがどんなものであったとしても、その考えや想いを理解してあげたいと思っている。

正直、今日この後の会食でどんな話の流れになるかは全くわからないし、読めない。
会食後、嬉しい気持ちになっているか、悲しい気持ちになっているか、それとも複雑な気持ちになっているか、それはまだ分からない。

けれども、どんな話し合いになったとしても、お互いの本心の繋がりに依拠した新たな人間関係が作れるように、最大限頑張ってみようと思う。


結果、どうなったかは、また数日後に書こうと決めている[後編]でお伝えしたいと思います。


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