見出し画像

刻み 〜きざみ〜佳境 (2017/3/31)

いよいよ棟上げまで、1週間を切りました。

作業は佳境に入っており、棟上げに向けてラストスパートをかけています。

まずは、これまで刻んだ主要となる部材を引っ張り出し、最終チェック&微調整を行いました。

画像1

材を地面に置き、継手や仕口などを実際に組み上げ、接合部の正確さ、きつさ、接合した後の全体の長さなど、チェックし、悪ければ微調整をしていきます。

ここが、綺麗に建ち上がるかどうかの最後の砦です。

この工程では、お世話になっている大工さん、佐藤ともさんに手伝ってもらいました。

画像2

このように、ピッタリと収まることを目指します。

でもほんと、ここで「長年の経験で培った、大工の技術の粋」を、まざまざと目の当たりにすることになりました。

ここまで、自分で勉強して、人に聞いて、やってみて、なんとか自分の手で進めてきましたが、この工程では、たぶん自分の手だけでは、こんなに綺麗な調整は出来なかったと思います。

例えば、材を組んでみて、少しうまく付かなかったとします。
その際に、どこをどう調整すればピタっといくかが、瞬時に分かるんですね。

自分だと、それがなかなか分からないんです。
検討違いな調整をしてしまうと、ますます具合が悪くなってしまいますからね。

そして実際に、「ノコの刃1枚ぶん」とかいう微妙な調整をほどこし、ピタっとくっつけてしまうんです。

画像3

もうほんとに、脱帽でした。

でも、この工程を一緒にしてもらうことにより、棟上げを迎えるにあたって、かなり安心感が出てきました。
一番避けたいのは、当日うまく組めず、ストップしてしまうことですからね。

なんとなく、最悪なことは無いんじゃないかなと、思えるようになりました。


さあでも、まだまだやることはたくさんあります。

まずはコミ栓の用意。

画像4

元になる、樫の木(カシノキ)の材です。
硬い材質なので、コミ栓に使うのに向いています。
土壁の練習に行かせてもらったり、その後アドバイスをたくさんもらっている、染谷大工さんに頂きました。

画像5

使う箇所別に、長さが違ったり、少し形状が違ったりするので、分けてまとめておきます。

画像6

これは下梁を支える、束です。こちらが、さきほど調整作業で大工の凄さを見せてくれた、ともさんです。

画像7

昔から可愛がってくれている、小野棟梁も駆けつけ、加勢してくださいました。
今回刻み作業に入る前に、僕が1ヶ月間修行させてもらった棟梁さんです。
言ってみれば、一番最初から見てくれている大工さんです。

画像8

出番を今か今かと待つ部材たち。

泣いても笑ってもあと数日、悔いのないよう、がんばろうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?