【雑日記5】一歩前へ!
男子トイレの小便器にはよく貼ってある張り紙。
「もう一歩前へ!」
「もう一歩前進でお願いします!!」
「もっと前へ!」
「一歩前へ、ご協力ありがとうございます!」
文字だけ見たら何て前向きな言葉なのだろう。
男性は街へ出るだけで、こんなポジティブなメッセージを受け取っている。
前へ前へ!(振り向くな)
進め進め!(君ならやれる)
今より一歩前進!(小さな一歩でいいんだ。今より一歩だけ進めばいい。)
駅で、スーパーで、学校で、会社で。いろんなところで目にしているから、きっとサブリミナル(潜在意識)にも効いてるはずだ。
…なんて。。
こんなふうに思っている人はおそらくいないだろうな。
大半の人の解釈はきっと
一歩前へ→『絶対に(便器から)外すなよ!』
もっと前へ→「お願いです、汚さないでください」
だろう。張り紙を貼った人の気持ちが聞こえてくるようだ。
でもなんでこんな言い回しをしてるんだろう。
ここからは僕の想像。
初めはきっとシンプルに「綺麗にお使いください」だったと思う。
でも、効果がなかったから、どうしたら伝わるんだろうって考えたと思う。
そこで「いつも綺麗にお使いいただき、ありがとうございます!」が生まれた。初めに感謝してしまうと、綺麗に使おうかって気持ちになるという人の善意に訴えかける。これは一定の効果があったように思う。そしてこのノウハウは全国に広がった。
しかし、それも慣れてくるとだんだんと効果がなくなってくる。
またあれこれと考えて。
そうか、もう感情に訴えてもダメなんだ、具体的にどうしたらいいかをシンプルに伝えるんだ!
ってなって、「一歩前へ」が発明された。
※全て想像です。
で、おそらくこれが今の所一番効果があるメッセージなんだろう。
改めて伝えるって難しいな。
一方で、言葉を使わない方法を取り入れてるところもある。
「的(まと)」だ。小便器の下の方に、狙いを定める的のシールが貼ってある。初め見た時、これには驚いた。人は的があると狙いたくなるという心理を巧みに使った方法だ。きっと心理学に精通している人が発案したに違いない。
他には、飲み屋では氷を敷き詰めておくといいんだという話を聞いたことがある。(氷を全部溶かしてやるという気持ちになる)
色んなところで壮絶な心理戦が繰り広げられているんだな。
あとは、割と最近だと小便器のサイドの壁が浅いものがあって、もしかしてこれも心理戦なんじゃないかなって思ったりしている。(自分のを見られたくないという心理を使って自然と一歩前へ進ませる。。?考えすぎか)
なんにせよ。
掃除してくれる清掃員の皆さんには感謝しかない。いつもありがとうございます!
ちなみに海外ではどうなのかなって思って軽く調べてみたら面白かった。
英語だとStand Closer が一般的だそう。皮肉が効いてて面白い。
中国語だとこれが一般的らしい。
2024.4.30
よろしければサポートをお願いいたします! 誰も見たことないクリエイティブなダルマを作るために使わせて頂きます。