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第2回「志ん輔と仲間たち」(5月14日)開催リポート

はじめに

こんにちは。オンライン落語会「志ん輔と仲間たち」スタッフ(黒子)です。
5月14日(金)、記念すべき2回目の配信を行いましたので、その模様を振り返りたいと思います。

前回の開催記録はこちら

繰り返しになりますが、本企画は毎日新聞社と関連会社の毎日企画サービスが主催するオンライン落語イベントです。

毎月1度、金曜の夜に古今亭志ん輔師匠のご自宅から落語2席と月替わりの特別ゲストのパフォーマンスやお二人のトークを配信します。毎日新聞スタッフと志ん輔師匠の雑談から生まれた企画です。

寄席に寄せすぎない、他にも類を見ないような、オンラインならではの落語会を目指しています。
正面からの視点を基準に、噺家が右や左を向いて演じ分ける落語の常識から一歩踏み込んで、複数のカメラ(5台)を使用し、様々なアングルから噺家の話芸をお届けします。
これは志ん輔師匠いわく落語のタブーだそう。師匠は、「見えるラジオ」と表現されています。

今回は、「リクエスト演奏」や「リクエスト枕」といったオンラインでも視聴者様が参加できる企画を実施しました(こちらについては後述)。

また、前回(第1回)の反省を踏まえて配信システムをZoomからVimeoに変更し音声と映像はかなりきれいになったと確信しています。エヘン!

★新しい取り組みとして「志ん輔と仲間たち(~ネコ編~)」の撮影も行いました!
浅草演芸ホール看板猫のジロリ君と志ん輔師匠の対談企画です。浅草演芸ホールで取材・撮影を行いました。ジロリ君は名刺まで持っていてびっくり!ネコ用のおやつの手土産も忘れずに渡しました。
対談の様子は「志ん輔と仲間たち」公式YouTubeチャンネルで公開しています♪(動画のURLはこの記事の最後に記載しています)
この動画を見て浅草演芸ホール、落語・寄席、そして本落語会に興味を持ってくださる方が増えたら嬉しいと思っています。

本番当日

前置きはこのくらいにして、配信当日について。
まずは機材の準備。
前回同様、5つのアングルから配信をお届けしました。

カメラを5台+録画予備のカメラを1台、マイクを2種、パソコンが複数、三脚とケーブルと…とんでもない量の機材を背負って志ん輔師匠のご自宅へ。
師匠は池袋演芸場での昼席トリを務めてからいらっしゃるため、それまでお弟子さんの古今亭始さんが対応してくださいました!(爽やか…)始さん、ありがとうございました。

配信を行う部屋は、師匠の稽古部屋でもあります。
畳が一新(琉球畳に)されてとってもきれいに!!機材を広げるのが恐れ多いほどでした(がっつり設置しました)。

しばらくして今回のゲスト・園城三花さん(フルート奏者)もいらっしゃって、音の確認。
事前の打ち合わせで、フルートという楽器は、そもそも大きなホールや教会で演奏することを前提に作られている楽器だそうで、和室では音が響かないかも知れない、というお話をうかがっていたのですが、何とか大丈夫そうで一安心。その後、志ん輔師匠も一緒に最終確認をして、いよいよ本番開始。

★園城さんは、演奏家としての活動のほか、自殺予防の「いのちの電話」を支援するチャリティーコンサートを全国各地で開催しているんです。今回の「志ん輔と仲間たち」では、視聴料の一部(一人100円)を「東京いのちの電話」に寄付するチャリティー形式で行いました。


オープニング

私服

視聴者の皆様に、この後のプログラム・落語一席目の枕で話すお題(演目)のリクエストを依頼。
これは今回からの新たな試みです!
いただいた演目の落語をやるわけではなく、その演目にまつわるエピソードや逸話について志ん輔師匠が語り、視聴者の皆さまと一緒に楽しむものです。
・・・にしても私服がお洒落ですね。今後の配信でも注目ですね。


フルート演奏

最初のプログラムは、ゲスト・園城三花さんによるフルート演奏。
演奏する曲は、事前にお申し込み時にお客様からいただいたリクエストから選ばれたものです。
ここで園城さん、なんとフルートだけではなくタンバリンも使うとのこと!
聴いている方が退屈しないようにと、息子さんが小さい頃に遊んでいたタンバリンを足で奏でながらフルートを演奏されます。

タンバリン

音色が綺麗に届けられるか、映像は問題ないか等、配信にはとにかく細心の注意を払って緊張感MAXなのですが、園城さんの素敵な演奏に、少し気持ちがほぐれました。

演奏曲は次のとおり。

・MoonRiver
・Fly me to the moon
・笑点のテーマ
・広い河の岸辺(スコットランド民謡)
・G線上のアリア(リクエスト最多)
・夏の思い出
・牧神の午後への前奏曲
・知床旅情
・情熱大陸(志ん輔師匠への番組オファーお待ちしています)
・「追憶」のテーマ
・ニューシネマパラダイスより「愛のテーマ」
・いのちの歌

いただいたリクエスト全てにお応えすることはできませんでしたが、クラシックをはじめジャズや馴染みのあるテーマソングまで、普段フルートの音色では聞くことのできない幅広いジャンルの演奏が聴けて、ご満足いただけたのではないでしょうか。
園城さんも「フルートではまず演奏しない曲がたくさんあって、勉強になる、大変だけど楽しい!」とおっしゃっていました(この日のためにいろいろとご準備ありがとうございました)。

演奏

「この後、落語を聞くのが信じられなくなってきました」チャットに、確かになあと共感してしまいました。
落語とは別ジャンルのゲストをお迎えするのも本企画の特徴の一つです!


落語一席目

~リクエスト枕企画~
いただいた沢山のリクエストの中からいくつか厳選。
「あたま山」
先代の林家正蔵師匠との楽屋での会話(モノマネ)。
「夕立勘五郎」
入船亭扇橋師匠とのエピソード。
小噺を書くバイトのお話。。
扇橋師匠はお酒を飲まない話 等々…
落語好きの方には堪らないレアな話ばかりだったのではないでしょうか。
お酒嫌いの話から、日本酒の冷と燗の話になり、志ん朝師匠との思い出もお話しされていました。


~落語一席目「夢の酒」~
夫婦の会話が自然~。そしてやきもち焼きの奥さんがかわいらしく見えました。

一席目


トーク

落語のお次は、志ん輔師匠と園城さんのトークタイム。
お二人が初めて会ったのは昨年、園城さんが師匠の高座を見に行ったことがきっかけだったそうです。


今年の6月には、銀座ブロッサムで「いのち奏でるコンサート」が開催予定で、園城さんも師匠も出演予定だったのですが、残念ながら緊急事態宣言の発令を受けて延期に。今年なるべく早い時期に開催予定だそうです。「志ん輔と仲間たち」公式Twitterアカウント等でも、またお知らせします。


トークは園城さんの支援している「いのちの電話」の話に。
「いのちの電話」は生きづらさを感じている人、自ら命を絶ちたいという人を一人でも救おうとする活動を行っています。
生きることと笑うことについて、トークが展開されました。


その後は、園城さんがフルートを始めたきっかけについて。
小学校の時に学校で音楽鑑賞をして気に入った曲があって、吹いてみたいと思い、実際に吹いてみたところ、すっと音が出たのでやろう!と思ったそう。それからずーっと好きで続けているのだとか。
バイオリンだと年齢に応じてサイズが違うけど、フルートにはサイズ展開がないこと、そのため身体ができていないうちは長時間練習しないこと、等知らなかったフルートの話が聞けました。
学生時代の練習時間は6時間と話す園城さんに驚く師匠。「落語はそんなにやらないですよ!!」。

 
その他、ステージに上がる前に食事をとる派、とらない派?、フルート演奏の呼吸法についての話など、お二人ともリラックスした雰囲気でトークが展開されました。

トーク


★トークの最後はプレゼント抽選会!

今回のプレゼントは、2種類。
志ん輔師匠と園城さんの色紙が2枚と書籍『浅草演芸ホール看板猫 ジロリの落語入門』とジロリの肉球スタンプ色紙が1セット。
どれも世界に一つだけ!当選された方、おめでとうございます。

しょうひん

余談ですが、各プログラムの幕間にて、ジロリ君の短い番外編動画を2本流しました(次回は別の種類の動画も流します)。
ジロリ君の動きに合わせて師匠が声を入れています。
この他にも師匠おすすめの書籍や箪笥の上に置いたカメラで映した舞台裏のぞき見映像を流したりしています。


落語二席目

最後のプログラムです。
この日は緊急事態宣言の営業自粛要請から寄席が再開して3日目。
「生活に必要な文化だと打ち出した、席亭の気概が見えてうれしかった」と師匠。
いよいよ二席目の落語に入っていきます。

~落語二席目「お見立て」~

二席目

山田全自動さんの書籍『山田全自動の落語でござる』でも紹介されていた演目です。
杢兵衛のキャラと喜助の繕いが面白い!
お墓の前でたくさんの花、お線香の煙もくもくの情景を思い浮かべて笑えてきます。
チャットにも「師匠の杢兵衛大尽最高~!」との声が。
あと手ぬぐいの色味きれい…

ここで配信のプログラムは終了です。
最後の最後は「追い出し」の太鼓の音で終了。

最後に

いくつか不慣れなところがあったものの、大きなトラブルはなく配信を終えることができました。視聴された皆様からの貴重なアンケートとメッセージは隅から隅まで拝見しています。

私たちスタッフは映像配信会社でも音響会社でも動画編集会社でもありませんので、まだまだ至らない部分も多いかと思いますが、皆さまからのご意見を反映しながら、より楽しんでいただける配信にしていきますので、今後も応援よろしくおねがいします!

 
視聴者の皆さまをはじめ本企画に携わってくださる全ての方が「仲間」なのです!!(このリポートを読んでくださっている方もです!)

それではまた次回、お楽しみに!

次回ご案内

次回は6月4日(金)19時~20時半。
ゲストには寄席囃子奏者の恩田えりさんをお迎えします。

志ん輔師匠とのトークの中で、三味線などの演奏をしていただく予定です。
お二人へ聞きたいことを募集中!
たくさんの方のご参加をお待ちしています♪

★「いのちの電話」公式サイト
第2回配信のダイジェスト動画(Youtube)
★<特別企画\>「志ん輔と仲間たち~ネコ編~」浅草演芸ホールの看板猫「ジロリ君」と対談(Youtube)
★第4回のゲストは小林千寿さん(囲碁棋士・六段)



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