減算が続く中で訪問セラピストに求められる価値とは。
R4.4月から
長期利用されている要支援者に対しての減算が適応となり、
今まで以上に「セラピストの価値」について
議論されて場面が増えてきましたね。
自分たちは、
介護報酬制度によって成り立っているので
他人事ではないです。
2021年度には、
・理学療法士等による訪問看護の基本報酬の引き下げ
これらからわかるように、
ますます理学療法士としての価値を考えて行く必要があると思います。
現状、減算の幅はまだ小さい方だと思いますが、
この流れは止められないと考えます。
しかし、
ネガティブな面だけ見るのではなく、
現状の問題を解決するために、
自分達ができることは何なのか、
今回は、その点について考えていきます。
◯今後必要とされるセラピスト像
訪問看護で働くセラピストの減算が続いている中で、
セラピストの価値を高めていくためには、
・セラピストの人間力の向上
・自立支援に繋がる専門的介入
が重要だと考えます。
言い換えると、
自立支援ができる人間(理学療法士など)。
以前の記事で、
PT業界を全体的に見た時に
在宅で働く理学療法士が少ないことを書きましたが、
「訪問看護内の理学療法士の割合」は
増加傾向にあります。
しかし、
増えれば良いというわけではなく、
・理学療法士などが提供する「サービスの質」が低い
・制度上の自立支援に繋がっていない
と認知されているからこそ、
制度での縛りが厳しくなり、
社会問題になっていると考えています。
これは個人的見解として
「訪問看護の仕組み」が
関与していると考えています
◯訪問看護の仕組み上の問題
<仕組み上の問題>
・訪問件数(出来高)により売上が立つ
・単価が担保されている
件数が増えれば
売上が立つ仕組みになっていますが、
冒頭にも述べたように、
訪問すれば良い。ではないんです。
(経営者、管理者目線での考え方は割愛します)
以前までは、
訪問することで生活の質の向上が図れる、
とされていましたが、
結果が芳しくなく、見直しが入っている状況だと思います。
そもそも、
報酬は国のお財布(公的資源)から出ているため、
厳しく見られるのは当然の話ですよね。
◯心身ともに自立支援ができる人間
・セラピストの人間力の向上
制度上、仕組みの問題を加味すると、
今求められる人財は
「心身ともに自立支援ができる人間」
だと、考えています。
訪問して治療を提供するだけでは、
求められません。
むしろ利用者から煙たがられます。
「心身」と記載しているのは、
自立するためには「心(精神)」の支援も欠かせないですし、
心の安心感を与えられることも、
訪問看護で介入する役割の1つだと考えています。
(厚生労働のHPにもあります)
そのため、心の支援をするためには、
「介入する理学療法士の人間力」が鍵となります。
心の支援 = 喜んでいただけるサービスを提供する
そのように考えて、
働ける人間力のある理学療法士であること
が、第1歩目。
喜んでいただけた状態とは、
相手目線に立って、困っていることは何なのかを考えられ、
困りごとが解消された時に「喜び」が産まれると思います。
人が前向きになるのは、心が満たされている状態。
つまり、利用者の心境を汲み取り、
困りごとを解決しようと動ける人間力が無いと、
本質的な自立支援に繋がっていかないと考えています。
おまたせしました、ここからが本題です。
◯自立支援に繋がる専門的介入
心身の「身体」の部分。
これらはセラピストの専門性が特に求められる部分でもあります。
専門性に関しては、
実際に新卒から訪問の現場で働いて
特に苦労した事項ですが、
働いている以上、言い訳にはできないですし関係無いです。
マッサージやリラクゼーション
氣持ちが良いことは、誰もが承知です。
しかしながら、
それらを提供するだけでは、
今後認められないのが、
今の制度の流れだと感じています。
もちろん、
自分も手段の1つとして実施しますし、
否定しているわけではありません。
その手技を提供する「目的」が
明確でないといけないと思っています。
仕組み上の問題として、
訪問件数を増やすために上記手技を多用して、算定している。
と思われている側面もあり、
減算に繋がっているとも考えられます。
(訪問看護のPTが増えている理由の1つ)
報酬制度でお金を頂いている限りは、
資金提供している側(制度)の方向性に
足並みを揃えて行く必要もあります。
そこで、
理学療法士としての専門性を活かしつつ、
家族様を含めた他職種連携(公助)を図り、
自立支援に繋げていくが重要だと感じています。
・心のリハビリに必要な「人間力」
・身体的なリハビリに必要な「知識・技術」
・環境設定に関連する「福祉用具、制度理解」
⇒自立支援
理学療法士は身体のみならず、
家屋の評価をもとに、
その人の動作に合わせた環境設定ができるなど強みもあります。
自分だけの問題だけでなく、
ケアマネ・家族様への連携を密に取れる人こそ、
自立支援に繋がり、
今後の制度上、必要とされる人間だと
個人的には思っています。
この流れを確立できるセラピストは、
訪問の領域では、価値の高い人間となり、
家族様やケアマネ、
地域からも頼られる数が増え、
結果的に事業所自体が訪問できる件数も
増えると考えています。
目先の利益に目を向けるのも大切ですが、
長期的な考え方が特に重要となると考えています。
ですので、
我々の強みを理解した上で、生活期として
訪問セラピストとしての価値を高めていき、
自立支援に向けた働き方を変えていくことが
制度の流れを考慮すると、
今後は特に重要だと考えています。
◯まとめ
制度上、セラピストに対する減算は
今後も増えていくと思います。
業界自体の考え方も変えていかないと、
現行の制度だと、理学療法士としての価値が低く見られたままです。
しかし、実際に訪問で働いていて、
リハビリを求めている方が増えています。
このまま看護師との人事配置6:4の案が施行されてしまうと、
訪問で働くセラピストが減少し、
在宅で困っている人が増えることが間違いないです。
僕はそんな事は起きてはいけないと、
強く思っています。
そのためにも、
訪問で働くセラピストとしての価値を訴え続けて、質を向上させていきます。
だからこそ、
訪問で働くセラピストの質の向上のためにも、
新卒から訪問の現場に出ている当事者として、
「教育」を通して伝えていきたいと思っています。
働きたい領域で働けた方が
セラピスト自身のパフォーマンスが上がるうえ、
根本的なセラピストとしての質の向上に繋がるとも思っていますし、
人としてもどんどん成長していけると思っています。
働くセラピストの納得したキャリア選択にも
貢献していきたいです!
減算という制度の流れを考慮して、
今できることをこれからも実践していきます。
最後まで読んでくださり有難うございました。
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日々現場で感じたこと、
自分が大切にしている価値観・考え方など
新卒訪問のをリアルな部分を話しています!
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新卒訪問PT ヒロキ
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