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100年前のフランスのファッション誌を買って読もう!

100年前のフランスのファッション誌との出会い


私は先日とあるヴィンテージ雑貨を扱うお店であるものを見つけた。それは表題でもある通り、約100年前のフランスのファッション雑誌であった。

ちょうど99年前の9月号 逆666


雑誌といっても今の本のような形ではなく、大きな紙を4面ほど分けて折られた形になっている。今でいう新聞の形に近い。種類は様々あり、多くが表紙にその時代の流行の服装に身を包んだ女性たちが描かれたものであった。
その中でも私の興味を惹いたのは、数10枚あるうちの3枚ほどあった家の内装が描かれているものだった。これらの号はインテリア特集なのだろうかと店員さんと空想を広げる。

表紙の全体図


その中の一つの表紙絵。リビングルームに大きな机とそれを囲む椅子たち、壁に掛けてある鹿の頭のオブジェ、花柄のカーテン、赤いタイル張りの床、緑に塗られた木の壁、玄関の外に広がる木々。料理の準備をしている少女。まぎれもなく100年前の生活が鮮明に映し出されているその光景に心を奪われた。これに決めた。


この時代の印刷技術に詳しくはないが、これだけ色の鮮やかさを出せるのかと驚くと同時に、その保存技術も素晴らしいと思った。ほかの2つも、リビングルーム、子供部屋と生活感あふれるものになっており、なかなか迷った。これらのデザインで気に入っている所は、内装のディテールもそうだが、窓や扉から外が見えるという構図になっているということだ。そうすることにより、部屋に奥行きができており、部屋の立体感をさらに引き出している。サイズ感もちょうどよく映画館で無料で置いてあるパンフレット位のサイズ。価格も並みの映画ポスターの値段と変わらないくらい(2000円くらい)でお求めやすい。なんせ100年前というレア感が最高によい。100年前のものが家にあるという感覚がたまらない。


広告の絵だけみて何が書いているか予想しよう



裏面の全体図


もちろん雑誌なので、中を読むことができる。しかし100年前のもので、紙もさすがに傷んでいるので広げたらいつ破れるかわからない(私は買った後も広げられずにいる。)ので裏面の広告欄のようなところを見るわけだが、そこには一癖あるイラストが広がっていた。フランス語がわからないので、何が書いてあるかまったくわからない。そこで思いついたのが、イラストだけ見てなんの広告なのかを予想するというゲームだ。その中で気になったものを画像つきで紹介する。

右上のエジプト壁画チックに描かれたクレオパトラみたいな女性。
博物館のエジプト展?の広告ではないかと予想する。


左下の眼鏡をかけた怪しい男性
見た目が怪しいので指名手配犯?
続いて左下の子供たち。左の男の子が女の子がつけるようなバンダナを巻いているのでみんなの笑いものにされているということでいいんだろうか。言われている本人はめちゃくちゃ不機嫌そうである。
これに関しては予想が全くできない。いじめ撲滅的なやつ?そんなことないよな?




文明の利器を使い、答え合わせをしよう

使うのはGoogleフォトの翻訳機能。めっちゃ便利。



まずはクレオパトラみたいなやつ。

スマホからの画像なので見にくくて申し訳ない

なるほど。スキンケアオイルの広告だ。エジプト展というのは分かりやすすぎたか。
年中灼熱の太陽にさらされるエジプト人の知恵を借りたスキンケアオイル。``キッジャ``という商品名らしい。何行にもわたってその良さが記されている。こーゆーのは今の新聞とかにのってる広告とかとあまり差はないのかも。

翻訳は正確ではないが、単語を拾えば全然意味がわかる。
かがくのちからってすげー!



続いて指名手配犯と予想したこちらの男性は…

見出しの部分は見切れてしまったが、意味は``病気の絶望``だった


この男性はハモンという名前らしい。指名手配犯とは真逆の僧侶だった。たしかに牧師みたいな恰好をしている。
おそらく野菜中心の健康な生活を推奨する広告であろう。前菜食法というところで、ヴィーガンの先駆け的なことをしているんだろうか。とりあえず過大広告がすごい、左は治療法で治るらしい病名をすごい並べてるし、右下に関しては「神」とか「創造主」とかなんでもあり。特に「神は見つけたすべてのものを自然の中に置いた」というのが僧侶感が全開でいい。
とにかく思想強め。「どうしてもみんなに野菜を食べてほしい」というメッセージが伝わってくる。



翻訳をしたところで、その怪しさは拭えなかった。



最後は全く予想のできなかった子供たち。

書体が走り書きになっていたせいで翻訳が怪しくなっている

翻訳が荒いが、単語をみるとわかる。歯磨き粉の広告だ。
名前は「デントール」。王道の歯磨き粉。パリの薬局に置いてあるらしい。

( ー̀ н ー́ )ムスッ m9(^Д^)プギャー

この少年は妙なバンダナをいじられていると思ったが、そうではなく、虫歯であることを笑われているとわかった。そしてこの布はバンダナではなく固定用のギプス的なものであると予想できる。
「うちの歯磨き粉を買えば虫歯になってみんなに笑われることはないよ」というメッセージなのだろう。


まとめ

1世紀前のファッション誌にはその表紙の華やかさから、ポスターとしての良さがある。またそれだけでなく、翻訳を駆使し、その内容を調べることで、その時代の文化や暮らしが見えてきて面白い。

みなさんもぜひフランスのヴィンテージ雑貨のお店に立ち寄った際は、手に取ってみては。


勇気を出して!…

ハモンより

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