バンドTシャツは戦闘服
バンドTシャツに特別な思い入れを込める人はライブファンの中では珍しく無いと思う。
大好きなアーティストのライブに行ったという証拠になるだけではなく、その時感じた思いや感動を着るだけで思い出すことができる。
更に、食べ物と違って腐らないのが良い。
会場に足を運び千円札3枚片手に物販列に並び、今日のライブはどんなだろうかと。
そんな時間を音楽が好きな人なら経験したことがありませんか?
ちなみに、僕もそのひとりです。
最近はネット通販も増えてきていますね、商品ページに行きPAYボタンを押せば何やら得意げな音が鳴り購入完了。
簡単に買えちゃいますが、やはり現地で買う高揚感は一味も二味も違う何かがあります。
ラーメンの行列は辛いと感じるのになんであの行列は苦に感じないのでしょう?おそらくなんらかの魔法ですね。
今回撮影させて頂いたのは、先程から意気揚々とHEY-SMITHのロングTシャツを着ているSyoさんです。
彼は、SNSを中心にバンドに関する服に特化したモデル活動をしています。
正直のことを言うと、最初話だけを聞いたときは中々マイノリティな活動をしているなぁという感想だったんです。
「バンド関連の服」だけを使った活動なわけですから正直見る人は限られてくるし、そしてそれらは普段の生活で着るにはやはり少し派手なイメージがあったので。
ですが、いざ彼のSNSのページをスクロールしてみると、バンドTシャツ特有の突飛な物や普段から着れるように作られたシンプルなものまで、振り幅の広い難しい服をしっかり考えて自身のスタイルで表現している。
中でも特にグッときたのは黒を基調とした独特な世界観ですね。
ドストライクです!
彼は年に30本以上のライブに通う超が付くほどの生粋のライバーで、着ているTシャツはほぼ全て現地に出向いて自身の目で見て購入している物がほとんど。
彼のSNSを見てみると恐らく全部のライブで買っているんじゃないか?というくらい沢山のバリエーション、それだけでもかなりの愛を感じました。
そんな彼の「ロックバンド愛」について触れていこうと思います。
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▷今回はお話受けていただき有難うございます。さて早速ですがSyoさんにとって音楽はどんな存在ですか?
「『常にそばにあった物』っていうのが近いです。
しんどい時とか踏ん張り時には特に大事な存在だったと思います。」
▷これまででしんどかったなと思う経験談を聞かせていただけますか?
「たくさんの人が通る道ではあると思うんですけど、やっぱり専門学校の時の公務員試験の時期ですね。
僕は結構落ちて受かるまで合計3回受けました。落ちる度に凹んでましたけど音楽を聞いて頑張りました。
当時はワンオクさんの完全感覚Dreamerとか前向きになれるアッパー調の強い曲にかなり元気もらってました。」
▷今は服に関する活動に力を入れている理由についてお聞きしても良いですか?
「そもそも服自体が結構好きだったのが大きいです!最近はバンドマンの一つのアプローチとして、バンド自身のアパレルブランドが増えてきてるのも一つの理由としてあります。自分が好きなバンドの作る服ってすごくかっこよく見えちゃって!
あとは誰かと何かをやってみたかったんですよね。
僕はそもそもNu da gre`sというアパレルのネット活動もしているんですが、それにもきっかけがあって。色んなバンドを見て、仲間と何かに挑戦する人ってかっこいいなと思ったんです。友達に何か挑戦してみたいと言った時に『じゃあ服作ってみよう』ってなったのがきっかけで始めたのがNu da gre`sです。
個人でやっているSNSのモデル活動はその延長線上になるんですけど、服を売ろうにもどんな服か知ってもらわないといけないと思ったんです。だったらまず自分の持っているバンTとか使ってモデル活動をやってみようと。それでフォロワーさんが増えてきたら自分らで作った服を着て宣伝できたら良いなと思ってます。」
▷Syoさんの服に対する情熱が伝わってきました、ありがとうございます。
今後どうなりたいのか、展望はありますか?
「まだ大きな口は叩けないんですけど、頑張ってフォロワーさんがたくさん増えた時に、『あまり注目はされていないけど良いバンド』の背中を押す的な事がができたらいいなと思ってます。そのバンドのTシャツを着て撮影して投稿して、知ってもらえるのが理想です。
超かっこいいのに解散しちゃうインディーズバンドって結構いると思って、頑張ってきたことが報われない辛さは僕も専門学校の時公務員試験を落ちまくって経験してるので。(笑)だから何か力になりたい気持ちっていうのはあるなぁって思います。
特に今の状況下でインディーズバンドって超アウェイの中で頑張っているから、報われないのはやっぱり辛いです。」
▷Syoさんが一番思い入れのある一曲を教えてください。
「難しいですね....。二択なんですけど、ぱっと浮かんだものが多分そうですよね。
だとしたら、coldrainさんのFinal destinationです。
何かやろう!って時に必ず聞きます。
coldrainさんは高校まではガッツリ聞いてはいなかったんですけど、専門学校の時にしっかり聞くようになりました。
あと、この曲は歌詞の和訳を見る楽しさを教えてくれた曲でもあるんです。専門を卒業する年の1月にZeppで見た時の最後の曲がこの曲で、和訳を知った状態で聞くこの曲がすごく強く聞こえてきたんです。4月から仕事が始まるっていうタイミングで強く背中を押してくれたのがすごく記憶に残ってます。
2020年にやったBLARE FESTで、この曲の前に言ったMCが忘れられなくて。
『あなた達が着ている日本のロックバンドのTシャツはあなたの戦闘服。あなた達が聞いている日本のロックは、世界を変える事ができる強い強い音楽。それを忘れずに毎日生きて力強く生きて弱っている人を助けられる人間になってください。』
もしかしたらこのMCのおかげで僕は今の活動をしているのかもしれないってくらい、本当にめちゃくちゃ思い入れがある曲ですね。あの日は本当にやばかったです。」
▷最後に、ひとりの音楽ファンとして今後音楽シーンで楽しみなことはなんですか?
「今はこの状況で完全な状態ではライブができないけど、これが明けた時の爆発力は音楽がいっちばん凄いと思っているので、それが楽しみです。
これまで押さえつけられてきた事がバンドも僕達も爆発するわけですから、その切れ味も日本刀ばりに研ぎ澄まされてるんじゃないかと!
今はライブをやる事自体が批判されることが多いけど、それでも自分たちの意思で考えて対策を徹底してお客さんの前に立ってるバンドが本当にかっこいいと思います。
この状況が終わった後のライブが楽しみです!」
『I can't turn back I'll keep moving forward』
"もう二度と後ろには戻らない、僕は前に進み続ける"
coldrain / Final destnation
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