選択肢の提示と男の「意地」

子どもに「~する?しない?」と問うと、娘は「する!」とたいがい返事する。しないよりした方がお得だ、そのチャンスを逃すものか、という欲張りな性格がそうした選択をさせるらしい。
他方息子は。ほとんどの場合「しない」を選択する。
推測だが、息子はともかく大人の思枠の中で動くのが嫌い。「~する?」という選択肢を大人から示された時点で、大人の想定の中に「する」が用意されてるのを感じ取る。また、するかしないかの選択肢を示されていても、言外に「する」を推奨する空気を感じ取ると、そこにも大人の思枠をかぎ取るらしい。
そこで、比較的自分の意志を示すことができる「しない」を選ぶ。しかしそれだと大人が不機嫌になる。不機嫌になるのを承知でも、自分の意志を示すことを選ぶ。「する」を問われて「する」を選んだら、自分の意志がなくなってしまう。そう考えるクセのあるのが、息子。
そんな息子を動かすのに、比較的うまくいく方法。「~するよ、準備はできたか?」と、選択肢を与えない。示さない。既定路線のように告げる。もちろん、「する」が息子にとって楽しいものになることを予感させる声色で。すると、意志の爪跡残すも何も、既定路線なら仕方ないか、と着替え始める。
男の子の不思議な性質として、選択肢を示されると、アマノジャクな選択肢を選ぶクセに、「使命」を与えると素直に「ハイ!」と答え、嬉々として取り組むところがあること。有無を言わさず、「お前の力が試されるぞ!」と任されると、燃える。
「毎日かあさん」に、麦ファイブという、男の子ばかり5人育ててるお母さんが登場。遊び疲れた子どもたち、道にへたり込んで「もう歩けない」。5人もの男の子を運ぶことはできない。どうする、麦ちゃん!
「そうかあ、歩けないか。じゃあ、走ろうか」
家まで競争だ!全員が家に向かって走り出した。歩けないと言って倒れ込んでいた男の子たちが!
男の子は「意地」を張りたい子が多い。意地を張れる方向に選択する傾向が強い。娘にはその傾向は薄いが、息子は濃厚。こうした個性の違いを踏まえた問いかけ、接し方を開発する必要がある。面白い。

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