難問奇問より、基礎のアヤフヤを学び直す

旧帝大に進学するような人はお勉強で遊んでる人種が多いから、超難問の問題集を熱心に解いてることが多い。だからか、そこまでではない学力の人まで超難問に取り組んだら学力上がるかのように勘違いしてる人、よく見るように思う。でも、ヒイヒイ言いながら2年遅れで京大に合格した私からすると。

基礎固めするのにしくはない。私は教科書以外にほとんど手を出さず、応用問題は入試問題の過去問くらいしかやってない。なぜなら、どんな大学でも、教科書に書いてある知識で解けるように入試問題は作られているからだ。だから、抜けさえなければ学力は旧帝大水準にまであがる。そうでない人は。

基礎のどこかで抜けがある。公立中学の定期テストで90点以上取れてなかった人は、小学校か中学校の内容のどこかに理解不十分な箇所がある。それをそのまま放置すると、学力がなかなか上がらない。応用力がつかないのは、基礎をおろそかにしているから。

公立中学で90点取れてない場合は、理解できてるかできてないのかアヤフヤなところが、小中学校のどこかで必ずある。高得点を取ってる子は、そのアヤフヤな部分で中途半端な理解により正解出したりすることがあるので、わかってるつもりになっていたりする。だから気づきにくい。

けれど「アヤフヤな部分を全部潰す!」つもりで小学1年生から教科書を読み直すと「あれ?わかってたつもりだったけど、ちょっと怪しかったな」というところが見つかる。公立中学で90点取れてない子は、まず間違いなくこうした部分がどこかにある。それが成績がイマイチ伸び悩む原因と私は思う。

小学1年生の教科書から丹念に読み直すと、こうしたアヤフヤな部分を潰せる。私は中学生の間に何回か小学校の教科書を読み直し、高校に入ってからも一回は小学校の教科書をやり直した。中学の教科書に至っては、もう何十回やり直したことか。

こうして抜け、穴がなくなると、それまで理解できていなかったところも「あ、そういうこと?」と理解できたりする。小学生の間は決して理解できないと思いこんでいた内容を、中学生になってから読むと「あ!そういうことだったのか!」と理解できたり。

中学校の内容は難しすぎて理解不能、と思っていたのが、高校生になってから丹念に学び直すと「こうすればよかったのか!」と理解できたり。正直、中学生の間に中学の内容を覚えきれなかった私は、高校生になってから中学の内容をやり直して初めて理解できたのも多々。

そうして抜けのないようにした上で、入試問題を10年分解いたりすると、結構な応用力がつく。教科書と過去問に取り組めば十分。私は、他の京大生みたいにお勉強で遊ぶ余裕なんかなかったから、難しい問題集になんて手を出す余裕はなかった。でもそれでも合格できた。

難しい問題に手を出すより、基礎固めを。そのためには教科書が最適。教科書はよく練り上げられ、よくできている。これをしっかりやりこなしておくと、応用力は身につけやすい。

上記のように、教科書をともかくやり込んで「抜け」をなくすということを前提にしたうえで、大学受験の場合は、数学だと教科書に準ずる参考書、英語だと文法・英単語・英熟語、理科社会だと資料集、国語だと古文・漢文の薄い参考書を教科書と同様に学ぶともう十全だと思う。

それら参考書は、教科書よりもさらに解説が充実したようなもので、まあ、教科書の延長線のようなものが望ましいと考えている。私は問題集にはほとんど手を出さなかった(宿題で出た分だけ仕方なく)。教科書やそれに準じる参考書にある練習問題でかなりやり込めるから、それで十分。

小学校中学校の内容は、ほんと、学校でもらう教科書とで十分。奇問に手を出すとかえって基礎固めの時間を失う。
なお、こうした学び直しを大人になってからするのもおすすめ。小学校の内容、意外と難しいことがわかると思う。でも大人になると、昔理解できなかったことができるようになる。楽しい。

「小学校からやり直せ」という罵倒の言葉があるけれど、「小学校からやり直すと楽しいよ!」というスローガンに切り替えたい。実のところ、最近はやりの「リスキリング」にも通じると思う。小中学校の学習内容は、仕事に直結するものが多いから、とても役に立つ。

そして、小中学校の内容をしっかりやり込んだら、旧帝大の人間とも遜色ない学力に近づくと言ってよい。実はそのくらい、小中学校の学習内容を完璧にできている人は少ない。でも、大人だと社会経験積んでいるから、理解不能だったのが理解できる。それが面白い。

大人向けの塾ができたらいいのになあ、と思う。小中学校の内容をいちからやり直す、子ども以外も通える塾。何なら、定年退職してからでもいいと思う。それまで理解できなかったことが理解できると、楽しい。そうした知の快感を、多くの人に味わっていただきたい。

・・・・・
ちなみに私は中学生の頃、5教科平均が55点、偏差値52。卒業時がいちばん成績よかったけどそれでも80点台。抜けが多い自覚があったので、高校に入って小中学校の内容を何回も何回も復習。抜けをなくしたら、高1二学期頭の実力テストで576人中30番に一気に躍り出た。抜けをなくしただけで。

その高校は、中学担任が「受けたら落ちるからやめておけ、ランク下げろ」と何度も説得されたほどだったから、ギリギリの合格。たぶん学年でも下の方だったと思う。でも、中学校までの内容をやり直しただけで学年上位になる。抜けをなくすだけでトップクラスになれると私は考えている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?