国会議員の給料を下げるとお金持ちに有利な社会になる?

(国会議員の給料を下げてしまえという意見に対し)
国会議員の報酬を下げるのも、注意が必要です。国会議員の報酬を引き下げると、ふだん低収入の人は落選すると「ただの人」となり、路頭に迷うリスクを考えて、立候補できなくなります。他方、金持ちは平気です。結果、議員は金持ちだらけになり、金持ちに有利な政策を実施するようになりかねません。

そうなると、貧困層はますます搾取され、金持ちばかりが我が世を謳歌する社会になりかねません。そう考えていくと、「国会議員はカネに薄汚い!」「国会議員の給料を下げてしまえ!」と批判が増えるのは、お金持ちにとってはとても都合がよく、歓迎すべき意見ということになります。

もし、国会議員の給料がひどく低くなり、金持ちしかとてもじゃないけれどやっていけなくなれば、恐らく国会議員となったお金持ちは、「給料低くて大変」と口では愚痴りつつ、「議員をやっているのは善意からだ」という誇りと賞賛を得つつ、お金持ちに有利な政策を実施できます。

こうした事態を避けるには、貧困で苦しむ人でも、政策と支援者さえどうにかなるなら「挑戦してみるか、1期で落選してもしばらくは食いつなげるし」と思えるような報酬であったほうがよいと思います。貧困層の思いを国会で反映できるような政治家を生めるシステムが必要です。

国会議員は金の亡者なんだから、給料を下げて彼らを苦しめてやれ!という批判は、分かりやすいようで、結果的に富裕層に有利になり、貧困層に不利な社会を生み出しかねません。こうした言説は、もしかしたらわざと流布されているかも?くらいの警戒心を持った方がよいかもしれません。

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