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スタジアムへ足を運ぶことの意味

パリに来て4ヶ月。
これまでで一番ハードな通勤環境と自分ではどうにも出来ない物事の数々から、パリでの生活は便利な一方でかなり消耗することを知った。その傍ら、パリはイベントごとに事欠かないにぎやかな街。スポーツのイベントも、食やお酒をテーマにした展覧会も週替りで様々なものが行われている。この夏は今まで見たことがなかったスポーツを生で見る機会に恵まれて、いろんな会場へ足を運ぶことが出来た。

サッカーEURO2024予選 フランス vs アイルランド @パルク・デ・プランス
テニス ATPツアー Rolex Paris Masters 3回戦(男子シングルス)
ラグビーW杯2023 ニュージーランド vs アイルランド @スタッド・ドゥ・フランス
ラグビーW杯2023 パブリックビューイング@コンコルド広場 x2試合
競馬 凱旋門賞@ロンシャン競馬場 
フランスリーグ1  スタッド・ランスvs パリ・サンジェルマン

喧騒なパリでの暮らしと仕事のなかでフランス語が分からないことで、日々なかなかに消耗した。

  • 組織委員会のなかでは英語で進められても、ローカルのコントラクターとの打ち合わせや現場でのコミュニケーションでは必然的にフランス語になり話されていることが分からない。自分はただそこにいるだけ。

  • すっきりさせておきたいメールの受信トレイの件数がいつの間にか溜まっていく。フランス語でばんばん飛んできて、機械翻訳で読むものの、あとからまた見るだろうと残しておくことが原因。同じメールを後日開いたときに、また英語に翻訳してから読むので時間がかかる。溜まっているとタスクに追われている感じがしてスッキリしないので気持ちももやもやが残る。

そんなようなことはちょっとした一例で、生活のいろいろな場面で、「公用語が話せないフランスにわざわざ来て暮らす意味ってなんなんだろう」「日本での仕事のほうが自分のバリューを発揮できるんじゃないか」「今日は思うようにまったく進まなかったなぁ」と時々思いながら早いスピードで月日が進んでいった。


「何のためにやるのか」


これは仕事を選ぶとき、何か選択に迷ったとき、意味が分からない状況に陥ったときに立ち返るところなんだけど、いまパリでの暮らしを選択しているのは間違いなく「スポーツの国際イベントのデリバリを通じて、世界の人々の暮らしを豊かにする (Enrich people's life through global sport tournaments delivery)」という自分のなかでのゴールがあるから。ここ最近のスポーツ観戦では、どれも満員の会場で見れたことで改めて「何のために日々生きるのか」というのを思い出させてくれました。

伊東純也選手が所属するスタッドランスのホームスタジアム。
満員のパルク・デ・プランス。
凱旋門賞
パリの競馬場。5万人が来場したらしい。
7万人で埋まったラグビーW杯。
平日深夜でも人が帰らないテニスのアリーナ。

どの会場でも訪れた人々は生で見るスポーツとスタジアムで過ごす時間を楽しんでいたし、働くスタッフ、ボランティアの方々も生き生きしているように見えた。

メガイベントでの仕事は、本番のゲームタイムの時間よりも下準備の月日のほうが圧倒的に長い。働く環境はオフィスワークとさほど変わらない。スポーツの要素を仕事のなかで感じることは役割によってはあまりないときもある。

そんななかでリフレッシュをかねてスタジアムへ足を運ぶことは、「このために自分は仕事をしているんだ」ということをあらためて気づかせてくれる貴重な機会。これからもフランスや隣国で行われるスポーツの機会に積極的にふれていきたいと思った11月の週末でした。