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プラスのレッテル貼りがプラスの行動をさせる

人に望ましい行動をさせたいときに
「○○しなさい」
 
と命じてもなかなかその通りには動きません。
 
『北風と太陽』の物語のように強制力ではなく、温かいアプローチで行動を変容させることができるといいですよね。
 
褒め方を意識することで、太陽のアプローチをとり、相手の行動を変容させることができます。
 
今回は、望ましい行動をとってもらう褒め方の一つを紹介します。



「あなたは○○ですね」
プラスのレッテルを貼るような褒め方をすることでその人に望ましい行動をさせるのです。
 
「人の気持ちがわかる優しい子だね」
とすでにそうだと決めるようにレッテルを貼る。
すると、子どもは自分というのはそういう子なのだと思って成長しようとする。
 
レッテルを貼られた人物がそのレッテル通りに行動を起こす。
これを「ラベリング効果(レッテル効果)」と言います。
 
「いつもトイレをきれいに使っていただきありがとうございます」
とトイレの壁に貼られていると、きれいに使おうと思うあれです。
 
 
ラベリング効果の背景には「ラベリング理論」があります。
 
ハワード・ベッカーたちが提唱した理論です。
逸脱行動を起こすのは、もともとの行為者の内的な属性ではなく、周囲からのレッテル貼りによって生み出されるものだ、と捉えるものです。
 
犯罪をして刑務所に服役・出所した人物に対して、世間が「犯罪者・悪者」というレッテルを貼ったとします。
その結果、精神的に追い詰められ、何度も犯罪を繰り返してしまうというのもこれ。
 
このようにラベリング効果はネガティブな意味で説明されることが多いですが、ポジティブに褒めるという行為にも用いることができるのです。
 
 
ポイントは、「あなたは○○だ」と言い切ること
 
きっぱりと断定してしまうことで、
「自分は○○なんだ」と相手に思ってもらえます。
 
 
私も過去に相談者の一人に言い切ったことがあります。
 
今困った状況にあって自分でもどうしていいかわからないということでした。
そこで言い切りました。
 
「○○さんには自分で切り抜ける力があります」
「最後は自分の力でなんとかできるから大丈夫です」
 
本当にそう思えたからです。
 
そうしたら、後日やっぱり、ご本人なりのやり方でなんとか切り抜けたという報告がありました。
 
 
その人のことを信じてプラスのレッテルを貼ってみる。
悪くない方法だと思います。
 
 
 
今回は、ラベリング効果を用いて、褒めてプラスのレッテルを貼ることでその人に望ましい行動変容をさせることができるという話でした。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
 
 
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小林いさむ|公認心理師

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