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「自立」とは人に頼らないことではない

「自立」について、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
 
人に頼らずに自分でなんでもできるようになること。
人の力を借りずに一人で生きていけること。
 
そう勘違いしてしまうと、とても生きづらくなってしまいます。
 
今回は、「自立」の意味について考えてみます。



うまく人に頼れるようになる」と、むしろ自立に近づいているのだと、私は思います。
 
「自立」の反対を「依存」と考えがちですよね。
誰にも依存しない状態が自立であると。
 
でもそれは、人との距離が極端になっているだけだとも考えられます。
人にすべて依存する状態 ⇔ 一人ですべてやる状態
 
「依存しない」という意識があるうちは、依存にとらわれていると思うのです。
 
 
自立は、「依存先を増やす」ことでもある、という有名な話があります。
小児科医で、脳性まひという障害のある、熊谷晋一郎先生がおっしゃっていたことです。
 
人はそもそも、さまざまなものに依存しないと生きていけないものです。
依存先を特定せずに増やすことで、一つひとつへの依存度を浅くするというのです。
特定の誰かに依存していると、その人がいなくなることへの不安から、さらに依存してしまいます。
 
困りごとに応じて相談できる人(場所)が複数いる状態。
仕事の悩みを相談できる職場の人、心の悩みを相談できる人(相談先)、孤独を和らげてくれる居場所。
「このことなら、この人に。この場所に」という内容に応じた依存先を複数持っておくことです。
 
そして、一方的に頼るのではなく、自分も誰かの相談に乗って頼られる存在になることもポイントです。
「このことなら、あの人に頼ろう」と思われるように、自分の得意や強みを磨いておきましょう。
人はささえ合って生きているので、「お互いさま」です。
 
頼ることもあれば、頼られることもある、そのことで自立した人との距離感を持つことができます。
 
 
今回は、「自立」とは人に頼らないことではない、依存先を複数持って、うまく頼れるようになり、頼られるようになりましょうという話をしました。
 
 
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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小林いさむ|公認心理師

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