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物事をネガティブにとらえる人の特徴「0-100思考」

同じ出来事を経験しても、人によってポジティブにとらえる人もいれば、ネガティブにとらえる人もいます。
 
それはなぜかというと、人それぞれの解釈が異なるからです。
ある出来事に対して、どう解釈するかという個々人のフィルターが必ず入ることによって、とらえ方が異なるのです。
 
物事をネガティブにとらえる人には、そのフィルター部分になる思考の特徴がいくつかあります。
今回はそのうち、0か100かの思考について説明します。
 
今後、何回かに分けて他の思考の特徴についても取り上げていきます。



全か無か思考(all-or-nothing thinking)」と言います。
 
物事を「0か100か」「白か黒か」「勝か負けか」「成功か失敗か」で考えものです。
二極化してしまっていて、間のグラデーションがありません。
 
小さな失敗やミスも過大に受け止めてしまいます。
学業や仕事において、ちょっとでも自分の理想通りにいかないと、挫折体験をしてしまいます。
 
たとえば、
「試験で100点以外は価値がない」
「一流大学、一流企業以外は人生終わり」
などと考えていたら、どれだけ生きづらいことでしょう。
(私なんて速攻ゲームオーバーです)
 
この「全か無か思考」は、非現実的な完全主義や強烈な自尊心に根ざして生まれる認知の歪みであるとされています。
 
根底に「完璧主義」があるのです。
 
 
この思考特徴は見逃されがちですが、実は対人関係にも大きく影響します。
 
「自分は完璧な人間じゃないといけない」と考えていたら、どうでしょうか。
常に気を張っていないといけませんし、「完璧じゃない自分はダメだ」に転じたら、大きな落ち込みになります。
 
「周りのすべての人から良い評価を得なければいけない」と考えていたら、どうでしょう。
たった一人からの低評価で自分の価値が大きく下がり、自ら人と距離を置き、ひきこもるかもしれません。
 
 
心理相談の仕事をしながら、私が良く思うのは、若い人でこの「全か無か思考」が強いために生きづらさを抱えている人が多いということです。
 
大人の完璧主義では、頑張って結果を出してきたというある種の成功体験に裏付けられて、完璧を求め続ける人がいます。
現実とつながった完璧主義。
(これはこれでキツそうですけど)
 
一方でまだ社会に出ていない若い人たちにこの思考が強いとどうなるかというと。
非現実的な完全な状態を夢想することになります。
 
目標を大きく掲げすぎるため、現実の自分を認められなかったり。
目標に到達できない自分に絶望したり。
失敗することを過度に恐れて、一歩も踏み出すことができなかったり。
 
 
完璧主義から抜け出して物事をもう少し楽にとらえるために身につけたい思考について。
 
ベストを尽くせればいい」という思考に切り替える、これに尽きると思います。
完全を目指そうとするのではなく、現実を素直に受け入れて今の状況の中でベストを尽そうと考えることです。
 
諦めるということとは違います。
私たちには与えられた状況の中でできることは限られているのです。
高みを目指しながらも、すべてうまくいくわけではないことを受け入れて、ベストを尽くせば良いのです。
 
この思考の切り替えができるかどうか!
 

 
今回は、物事をネガティブにとらえる人の特徴の一つとして、「全か無か思考」を説明しました。
根底にある完璧主義も「ベストを尽くせればいい」という思考に切り替えることができるという話もしました。
 
 
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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小林いさむ|公認心理師

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