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「あがり」対策―注意を自分から外へシフト―

今回も、「あがり」の原因の一つと、その対処法について。
 
 
これから人前で話さなければいけない、あるいは試合や発表会の直前。
緊張してあがりますよね。
 
手や声が震えたり、心臓がバクバクしたり、呼吸が早くなったり。
 
適度な緊張はパフォーマンスを上げますが、緊張が強すぎると自分の力をうまく発揮できなくなります。
なんとかこの「あがり」を対処したいものです。
 
「あがり」の原因についてと、そのためのエクササイズを一つ紹介します。




「あがり」の原因の一つは、「他者からの評価」に対する不安感や恐怖心
これが脳を防衛的にして、自分でもコントロールできないほどのパニック状態を引き起こします。
 
さらに不安になると、人の注意は自分が気になっているものに向かう傾向があります。
 
人からどう見られているのか。
 
つまり、自分に注意が向くのです。
 
自分はだめなんじゃないか。
失敗するんじゃないか。
不安や恐怖を感じているんじゃないか。
 
さらに不安感や恐怖心が増すという悪循環に。
 
この悪循環を断ち切るためには、注意を自分から外へシフトさせることです。
 
 
では、どのように注意をシフトさせるのか。
一つのエクササイズを紹介します。
 
ファイブセンス・カウントダウン
 
自分の五感(視覚、触覚、聴覚、嗅覚、味覚)を使っていきます。
五感に次々と意識を集中させていく方法をとります。
それによって、自分の内側のイメージの世界から現実的な外の世界に意識がシフトし、心が落ち着きます。

具体的なやり方についてです。
 
 
以下の順番で次々と各感覚に意識を集中させていきます。

① 視覚
自分の周囲を見渡して、目に入った5つの物を言っていきます。

声に出しても出さなくてもかまいません。

たとえば自分の部屋にいる場合なら、「なにが見える?」と自分に問いかけるとやりやすいです。

テレビ、時計、カーテン、PC、窓の外の空など、目に入ったものです。

② 触覚
身体で感じられる4つのものを言っていきます。

ソファーに腰が沈んでいる感触、床に足の裏が着いている感触、エアコンの風が少し肌に当たっている、服と肌が接触している感触などです。
 
※触覚は自分の内側の状態(心拍、呼吸、震えなど)ではなく、手や身体が接しているものを感じましょう。

③ 聴覚
耳に入ってくる3つの音について。

エアコンの風の音、冷蔵庫のコンプレッサーの音、外の車の音などです。

④ 嗅覚
匂いを2つ嗅ぎます。

部屋に漂う空気の香り、服の匂いなどです。

⑤ 味覚
最後は食べ物、飲み物を1つ。
口に入れてじっくり味わいます。

あめ、チョコ、お水、コーヒーなど。

このように順番に五感で感じていきます。
それぞれ感じたものの特徴を意識するように表現すると良いです。

実際にやっていただくと、気持ちが落ち着いて安定していることに気づくと思います。
 
 
感の良い方は、マインドフルネスの要素があることにお気づきでしょう。
「今、ここ」に意識を集中しますので。
 
 
「ファイブセンス・カウントダウン」
緊張場面に臨む前に心を整えたい時にぜひやってみてください。
 
 
 
今回は、「あがり」の原因の一つに「他者からの評価」に対する不安感や恐怖心があり、注意が自分に向かいやすくなること、そしてその注意を外側にシフトさせるための「ファイブセンス・カウントダウン」を紹介しました。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
 
 
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小林いさむ|公認心理師

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