見出し画像

Sai no kawara を聴いて、ニュース斜め読みの弊害とアーティストの才能について思ったこと

友人が、「衝撃のラスト...!」とcrystal-z の Sai no kawara という曲を投稿していたので聴いてみた。ぜひ皆さんも、何も調べずにただ最後まで聴いてみて欲しい。

以下ネタバレありなので、聴いた方に進んで頂きたい。大したことを書くわけではないのだけれど。

さらっと流れてしまう沢山のニュースたち。当事者にとっては数行の見出し、数秒のキャスターのナレーションでまとめられるようなものではない。しかし普段慌ただしく過ごしているとそのニュースの背景に思いを巡らせることはなかなかできるものじゃない。crystal-zさんは、この医学部入試年齢差別問題の当事者のようだ。楽曲の心地よいトラックと歌声に乗せてこのニュースの背景、物語を耳を済ませれば、胸のだいぶ奥の方まで彼の叫びが届いてくる。ネットニュースの斜め読みでは感じなかった、今この時間に生きている一人の同世代の男性の、熱い血の温度を感じる。こんなことあってはならんだろと、社会に強く憤慨する。

音楽というものの凄さを感じるし、逆に、さらっとニュースを一覧する今のサービスそして自分の習慣がヤバい、とも思う。きっと毎日僕は、知らなければいけない出来事、背景や物語を想像すべきニュースをビュンビュンとスワイプのスピードで見逃しているのだろう。ニュースを読むスピードを明日からゆっくり、丁寧にしようと思った。


ちょっとしたニュースから生まれた映画にこんなものがある。30分のショートムービーで無料公開中なのでぜひ見ていただきたい。日本映画で初めてサンダンス映画祭のグランプリを受賞している。

「そうして私たちはプールに金魚を、」という映画。

これは監督が、ある日ヤフーニュースで「高校生がプールに金魚を放つ」という記事を見て、「その高校生たちの気持ちは、きっとこんな記事でまとめられるものじゃないだろう。」とインスパイアされ作られたそうだ。


世間で起こる幾多のニュースを、自分はどれだけ、血の通った一人の人物の人生として想像することができるか。アーティストという人たちは、本能としてこの能力を持っているのだろう。またこのような素晴らしい表現物に出会いたいものだ。そして自分に気づかなければならないことを気づかせて欲しい。願わくば、社会がその表現物によっていい方向へ変わっていくように、自分も小さな一歩を行動として起こしていけたらと思う。

そして、crystal-zさんを、ステキな医療従事者になって欲しいな、と応援する。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?