同性恐怖について
私は女だが、軽い女性恐怖症の自覚がある。
異性が怖い、という意見はよく聞く気がするが、私のように同性が怖いという人もいるのだろうか。
原因ははっきりしない。物心ついたときから、女の子は怖い、男の子と遊ぶ方が楽しいと思っていた。
私が一番怖いと思うのは、女の子は嫌いな相手とも仲良くすることだ。そして陰口を言う。思うに大抵の男の子は、嫌いな相手とは端から仲良くしない。単純だからだ。男の子のそういう単純さに、私は安らぎを覚える。
女性恐怖症が決定的になったのは、大学時代に立て続けに起こった事件だった。
小中学校の親友A、高校で一番仲の良かったB、高校からの付き合いで頻繁に連絡を取っていたCという3人の女友達が、次々と私に激昂して縁を切ったのである。理由は些細なことだったり、今でも不明だったり。
ついでに言うと、大学時代一番仲の良かったDとは、喧嘩はしていないものの卒業以来一度も連絡を取っていない。
仲がいいと思っていた相手にひどい言葉を浴びせられたり、無言でブロックされたり、散々傷つけられた私は、みんな私のこと嫌いだったんだなぁ、と思った。全然知らなかったなぁ。嫌いなら無理に仲良くしなくていいのに。
女の人と話すのは緊張する。相手が優しくにこにこしていても、内心では私のことを馬鹿にしていたり、疎ましく思っていたりするのではないかと怯えてしまう。
これはすべての女性に本当に失礼だとわかっているのだが、どうしようもない。相手が女性だというだけで身構えてしまう。嘘をつかれていると思ってしまうし、自分も嘘くさい言葉で喋ってしまう。慣れない絵文字を使ってみたり。とりあえず服装と髪を褒めることでコミュニケーションを図ったり。
男性は怖くない。特に、年上の男性は。私が年下の女であるというだけで優しくしてくれるような気がするからだ。女だというだけで自分に価値があるような。
下心でもなんでも、自分に好意を持ってくれる人と話す方が安心だ。だってそうではないか。異性というバフがなければ、誰が好き好んで私なんかと仲良くするものか。
中学時代はつらかった。小学生までは男女関係なく仲良くしていたのに、中学になると「男女が仲良くするのは恥ずかしい」という謎の共通認識が生まれ、小学生のとき仲良くしていた男の子たちとは喋れなくなった。
つまらなかった。女の子の友達と遊ぶのも楽しかったけど、モンハンを見せてくれた子や、車の話で盛り上がれた子や、上手に描けた絵を私にくれた子と、もっと話したかったのに。
男性にすぐ気を許してしまうというのは、既婚者にあるまじき振る舞いだとは思う。ただ、話し相手がほしくて、女性よりも男性の方が話しやすい私は、どうしたら正しく生きていけるのだろう。正しく、というか、誤解をされずに。人に迷惑をかけずに。そして、自分も楽しく、生きやすく。
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