優等生の俺と劣等生の俺。

俺は昔から、人に興味がなかった。
人の事気にしたってどうにかなるわけではない。
だけど。
この俺だと、周りの人間から嫌われることが分かった。
頭なんて良くないし、性格なんて良くないし、体は丈夫じゃないし、完璧な人間ではない。
つまりは、『劣等生』だ。

そして、中学生になって、俺は周りの人間から信頼されるように、偽物の俺を被り始めた。
成績はまぁまぁ人並み。
体は元気なふり。
性格はどこかに居そうな男子学生。
少しは完璧な人間として生きていった。
この俺は、『優等生』だ。

友達を作ってるように見せかけて、実は人間を信じられない『劣等生』の俺。
だけど、人から信じてもらえるためには、『優等生』にならないといけない。
中学三年間、偽物を被り続けた俺の周りに様々な人間が集まった。
俺が『優等生』だから、頼ってほしいと寄ってくる者ばかりで、本当の『劣等生』の俺を見てくれる人は誰一人居なかった。

皆が必要としてるのは『優等生』という名の『偽者の俺』であって、『劣等生』という名の『本者の俺』では無いという事。

中学二年の後半から、その意識が生まれてきて、俺はどうしても『優等生』で居ないといけないんだと思い始めた。
劣等生』になった瞬間、嫌われてしまいそうで、自分の精神を傷つけてまで、『偽者の俺』を被り続けてきた。

だから今、疲れてるのか。
優等生』になりすぎて、『劣等生』の俺が疲れてしまったみたいだ。

ごめんなさい、『劣等生』の俺。
そして、いつまで、その気でいるんだよ、『優等生』の俺。

そして今日も、窓から空を眺めてる『偽優等生』の俺だった。

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