学級崩壊 イジメ 小学生のキミたちへ
私は大人で、よくいるおばさん。
9歳、10歳のみんなよりはだいぶ長く生きている。
でも実際、頭の中は然程変わらないかなぁ。
いや、勉強しているみんなの方が私よりずっと頭が良いと思う。
日々小学校へ通うみんなは、どんなことを考え、何が楽しくて、何に悩んでいて、何を知りたいか、42歳の私にはわからない。
クラスでいじめが起きている?
特別授業があった?お巡りさんが話に来た?
なるほど。
みんなは、良いことと悪いことの区別は、確実にわかっていると思う。
だけど、つい、誰かに対して嫌な気持ちにさせることを言いたくなる時がある。
それが悪いことだというのは当然わかっていて。
それをついつい言うと、キミたちはとても良い子だから、罪悪感が生まれて、それをかき消そうと、拍車がついて、もっと酷いことを言って、自分をなだめようとするんだよ。
その繰り返しで、どんどんどんどん、傷つける言葉をずっと言うことになる。
自分では止められない、誰かが止めにくるとそれはそれでプライドが許さない。
その人が止めた、という事実を作りたくないんだよね。
お巡りさんにそれは犯罪だよ、なんて言われようと、止められないのだから仕方ない。
周りが止めようとしてくればくるほど、もっともっと残酷なことを考えてしまうもの。
実は私にもそんな時があった。
行動には移さなかったけど、「嫉妬」という感情で、そういうことを考えた。
寝ている時以外、酷いことをずっと考えていた。
いけないこと、なんて全く思わなくて、むしろ私は苦しかったし、罪の意識などなかった。
人間は煩悩の塊。
「ぼんのう」っていうのは、要は、悪いことをしたくなる欲望のことで、人間みんなそれがある。
でも、言われた人は?
これは先生からも、校長先生からも、副校長先生からも、お巡りさんからも、きっと言われていて、ウンザリしているかもしれない。
キミたちが傷つけている子たちはどうなっている?
当たり前だけど、辛い、悲しい、そんな学校行きたくないよなぁ。
この子たちはこれからの長い人生、キミたちにされた嫌なことを、ふとした時に思い出しては悲しい気持ちになるんだよ。
20歳、30歳、もっともっと80歳になっても。
例えば、キミがよく白いフードの服を着ているとする。
するとこの子たちは、白いフードを見ただけでこの時の気持ちが蘇って、外にいても急に泣き出してしまうかもしれない。
これは、病気なんだよ。
キミたちの止められない「ぼんのう」のせいで、この子たちは一生、薬を飲まなくてはいけないかもしれないし、何かのきっかけで繰り返し悲しい気持ちになる。
そしてもうひとついうと、キミたちの止められないソレも病気なんだよ。
だってもう自分でも、誰かにも止められないでしょう?
私の「嫉妬」という感情からくるソレも今思えば病気だった。
どうやって治ったのか思い出してみた。
どうしようもない、そんな私を心から愛してくれる人が現れて、ソレが治った。
キミはこれからどうする?
止められないからイジメを続けるのか、止めるのか。
止める場合、誰かに言われて止めたっていうのは格好悪いし、嫌だよね。
自分からスッと止めるのが1番いいんじゃないかなぁ?
関心事が他に移った、そんなフリをすればいい。
そして、相手には謝らなくていい。
謝ってしまうと、スッキリしてしまう。
ここは謝らず、その子たちの一生のふとした時間を悲しませることをした、キミたちの罪を自分で背負うのだ。
これからの人生、辛いことがあればその戒め(いましめ)だと思うようにしよう。
そして、キミたちもふとした時にそれを考え、子供ができたりなんかしたら、更に自分を叱咤したくなるし、後悔、懺悔、そんな感情が湧いてくるだろう。
その感情こそ「償い」なんだよ。
それでも止められないのであれば、お医者さんに頼ろう。
止められない感情をコントロールできる薬はある。
お医者さんに行くことは全然恥じゃない。
今後、人が嫌な気持ちになることを言いたくなったら、言う前に一呼吸置こう。
先ずはそこから。
私はただのおばさんだけど、キミたちが良ければ、いつでも話に行くし、例えば人を殺しました、とかどんなことでも受け止めるよ。
いつかキミたちと話せるときがきますように。
終わり