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物語綴り

91
考えたショートショートを投稿していきます。
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#ss

見つめた先が
あなたの幸せでありますように

温まることで
心を癒す

ひと息つくことを忘れないで

どんなに離れたとて
あなたの言葉が
あなたの歌声が
気づけば背中を押してくれる

本屋で新しい本に出会うドキドキ

色とりどりの表紙を眺めているだけで
あっという間に過ぎゆく時間

思わぬ出会いに浮き足立って
緩む財布の紐

手にとっては棚に戻すことすら
楽しくて仕方がない

今日はどんな本と巡り合うのか
そんな気持ちで本屋に向かう

窓からのお客さま

窓からのお客さま

窓をコツコツと叩く音で目が覚める

今日も窓の外で羽を休めるこの子に起こされた

なんとなくあの子に向かっておはようと一言

伝わらないのはわかってるけど
なんとなく挨拶

予定より早く起きたことをプラスに捉えて
飲み物の準備
それを窓から少し離れた場所に座って
あの子を観察

ここ最近はこれが日課になりつつある

夏の宵

夏の宵

茹だるような暑さが少しおさまる宵の時。

仕事が終わって、家に帰れば窓から見える空の色。
美しく広がる淡い色の移り変わりに、
さっきまであった心のささくれが、
一気に取り払われる。

いつものようにビールを煽って
アルコールで今日の出来事を取り払うのは
少しもったいなく感じて、夜の帳が下りていくのを
眺めながら、穏やかに吹くかぜに揺られてみる。

誰かの「好き」に興味を惹かれて、その世界を垣間見る。
それがいつしか私にとっても「好き」になる。その流れから広がる輪はなんて素敵な世界なんだろう。
時にはその世界の深さにネガティブになることもある。でも自分の「好き」に目を向ければ、何も気にならない。
今日も「好き」を謳歌しよう

はるかぜ

はるかぜ

風が頬を撫ぜる

そんな表現がしっくりくる

春の穏やかな風

こちらの気分次第であてはまる表現が
変わるとは思うけれど

夏のように湿り気をおびるわけでもなく
秋のようにそっけないわけでもなく
冬のように痛々しいわけでもない

そんなことを思う午後の日

波の動きにあわせてたゆたう月の道。
夜道に浮かぶ月が綺麗で、海までやってきた。
そこに見える月の道は、まるで自分を誘うかのようにはっきり映る。
きっと月の魔力がそうさせるのであろう。幻想的な風景に魅了されながら、今日も月夜を彷徨う。

窓の外を眺めてはため息をつく
毎日変わらない景色を見ているはずなのに
息苦しさばかり
窓をあければ少しはマシになるが
それも束の間
何を求めて眺めるのか
それも忘れてしまった

春霞

春霞

春霞で目に映る景色がおぼろげなこの季節
どこと無く白黒はっきりさせるのが
苦手な自分にお似合いの季節だと思った

高台から見える街の景色も
遠くの方まで見えてるはずなのに
冬よりも柔らかく映る景色

それは依存か渇望か

いい物語を見た

その感動の余韻に浸りながら

1日を過ごす

心の震えはなんとも甘美で蠱惑的

日々を過ごすなかで

この感動の余韻が徐々に薄れていくのが

とても怖い

それは依存性のあるなにかなのかもしれない

だから私は魅力的な物語を探し求める

朧月夜

朧月夜

うんと優しい月の光に切なさと

心地よさを感じる

別れの季節だからなのか

誰かの優しさを思い出すせいか

手を伸ばしても届かないその月に

私は何を求めたのだろう