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心のフレームは外すのではなく、変えるのだ

仕事をお願いするときは、できれば気持ちよく動いてもらいたいですよね。嫌々やるのとではパフォーマンスにも違いが出ます。

先日、気持ちよく働いてもらえるよう「相手の行動をうながす、コミュ二ケーションの改善」についての講座を受講しました。教えてくださったのはご自身でも会社を経営している皆川一弘先生です。

特にトラブル発生時や緊急の対応が必要なときは、余裕がなくなりコミュニケーション齟齬が起きやすくなります。協力して対応に当たらなければならないのに、ちょっとした行き違いで関係性が悪化してしまってはもったいないですよね。信頼関係がなければ解決に向かうどころか、問題が大きくなってしまう可能性もあります。

速やかに問題解決に向かうためにも、一緒に働く人の協力は不可欠です。気持ち良く動いてもらって、協力し合える信頼関係を築いていきたいものです。

そのためのポイントは次の2つです。
1.状況を整理する
2.自分のフレームで決めつけない


1.状況を整理する

トラブルが起きてしまうと、やばい…!早くどうにかしないと!!と思って、気持ちは焦るばかり。なかなか冷静ではいられないですよね。あわあわしている状態で焦って報告をしても上手く説明をすることができません。

報告を受ける側もトラブル発生となれば、何が起きたのか一刻も早く内容を把握したいとジリジリします。ですが、「どうなってるんだ!」と感情をぶつけては、相手だって冷静な状態ではありません。委縮してしまったり、怒ったりして思考が停止します。「どうするんだ!?」と聞いたところで、思考停止している相手から解決策は出てきません。

まずは、感情をぶつけない、これが重要です。

ジリジリする気持ちをぐっと堪えて、状況整理をします。

状況整理は、現状を正しく理解することです。

解決に向かうために状況整理をしたいので、
・目標・ゴールに対する進捗度合い
・発生したトラブルの内容
・具体的な行動、順序、時期

を明確にします。


状況を整理するためには、何が起きたのか話してもらう必要があります。怒られると思っていると相手は無意識に事実を湾曲したり、曖昧な表現をしてしまうので、責めるのが目的ではなく、一緒に解決方法を考えたいから話してほしいと伝え、分かってもらう必要があります。

発生したトラブルで不安でいるようなら、まずは不安に同調してあげてください。

心配事があるなら、それを聞いてあげてください。

それでだけで、相手は安心して話すことができるようになります。

感情をぶつけず、冷静に何が起きたのか一つ一つ質問をすることで、相手も落ち着きを取り戻していきます。

落ち着きを取り戻してもらったら、問題解決にむけて協力して対応していきましょう。


2.自分のフレームで決めつけない

人は誰しも心にフレームが掛かっています。
フレームは外すことはできないけれど、変えることができます。

例えば、クリスマスと聞いたら冬のイベントだと思いますよね。ですが、ご存知の方も多いかと思いますが、南半球ではクリスマスは夏のイベントです。サーフィンをしているサンタクロースの姿は有名ですね。

南半球のことなど知らない幼いころはクリスマス=冬です。ですが、南半球の状況を知ったあとでは、クリスマス=日本では冬。夏に迎える国もある。という認識に変わります。

クリスマスは絶対に冬だ!それ以外はあり得ない!!と頑なに認識を変えなかった場合、南半球の方からすると事実と異なるので、その主張は受け入れられないですよね。この人は自分たちの国のことを分かってくれないと、怒りや悲しみを感じることでしょう。

このクリスマスの季節と同じことが、人に対しても起こっています。


例)
パチスロ好きな部下Aくんがいて、週3日は定時で帰ってパチスロしていたとします。最近では、毎日定時で帰っています。ある日、突発的に対応しなければいけない案件が発生し、課のメンバー全員に残業を頼みました。

いつも残業に協力的な部下Bくんが、今日は残業できないと言ってきたら、どう感じますか? なにか事情があるのだろうと思いますよね。むしろ、何かあった? 大丈夫? なんて聞いてしまいそうです。

では、パチスロ好きな部下Aくんが、今日は残業できないと言ってきたら、どうでしょうか? パチスロやる暇があるなら残業に協力してくれよ、とつい思ってしまいませんか?


でも実は、少し前から奥さんが病気で入院していて、Aくんが子どもの世話をしていた、などの事情があるかもしれません。

それを知らずに、「パチスロやる暇があるなら残業に協力してくれよ!」と怒ってしまうと、Aくんとの信頼関係に大きなヒビが入ってしまいます。(口に出さなかったとしても、心で思っていると相手には伝わってしまうものです)

信頼関係がないと、何かを頼んだときにも協力してくれなかったり、渋々協力してくれてもやっつけ仕事になったりします。それで更に信頼関係が低下し……と悪循環に陥っていきます。

Aくんに残業できないと言われたときに、Bくんへの対応と同じように「何かあった? 大丈夫?」と相手を思いやる気持ちを少しでも持っていれば、Aくんとの信頼関係も育まれていたかもしれません。


これは極端な例ですが、自分のフレームで相手の状況をこうだと決めつけてしまわずに、相手を思いやるようなフレームに変える。それが相手との信頼関係を構築することに繋がっていきます。

もしかしたら、Aくんの残業できない理由は本当にパチスロに行くからかもしれません。でも、決めつけずにフレームを変えられないか試みることが大切です。自分が正しいと固まらずに柔軟にフレームを変えることで、可能性を探す姿勢が信頼関係を築きます。


但し、いつもいつも自分だけが我慢する必要はありません。自分ばかりが無理をしてもやはり信頼関係は生まれませんので、仕方がないことは仕方がないと、時には割り切ることも大切です。

また、その場でイラっとしてしまっても、後からフォローをすれば大丈夫です。

Aくんの例でも、後から事情を知らずに怒ってしまったことを詫びて、奥さんが退院するまでAくんが定時で帰れるよう協力するなどすると、Aくんとの信頼関係を築いていけそうですよね。



以上、相手の行動をうながすコミュニケーションについてでした。フレームは外せないけれど、変えることができるという考え方は目から鱗でした。フレームは掛けてはいけないものと思っていて、でも外せない。菩薩とかじゃなければ外せないんじゃないか……と感じていたのですが、「外す」ではなく「変える」なんですね! 「変える」ならば状況に応じて試していくことができそうです。


今回の講座も、東京コミュ塾のグループレッスンの一つでした。いろいろな先生から様々な話を聞くことができて毎回楽しみです。


それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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