#ラフマニノフ
内なる多声の燦めき──寿明義和のラフマニノフ(「Tiaa Style」連載「耳を澄ます言葉」より第6回)
この晩秋、長らく望んでいた、恩師である寿明義和先生の弾くラフマニノフを聴くことが叶った(11月25日、すみだトリフォニー小ホール)。演奏曲は、「ひそやかな夜のしじまのなかで」作品4-3(アール・ワイルド編曲)、ピアノ・ソナタ第2番、前奏曲作品23-4、5の4作品。
全作品を通じて、ラフマニノフの錯綜したテクスチュアの中から、いくつもの歌が鮮やかに浮かび上がってくる様に驚いた。その歌たちが、暗い