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参加報告メモ:BRIDGEs 2021 - ESG&SDGs Meeting –前編

OneJapan主催のESG&SDGsについて様々な立場や視点から理解を深め、一人ひとりが自分事化するきっかけとするためのオンラインイベント「BRIDGEs 2021 - ESG&SDGs Meeting -」に参加した。書き出したら、長くなったので2回に分けます。こちらは前編です。

以下がアジェンダで、太字下線にした部分を視聴しました。

■アジェンダ: ※ 敬称略 
● 基調講演「なぜ私たちはESG&SDGsに取り組まなければならないのか?」
・革新的ファイナンス及び持続可能な投資に関する国連事務総長特使、米テスラ 社外取締役、仏ダノン ミッション委員会委員 水野 弘道
・パナソニック株式会社 環境エネルギー事業担当参与 馬場 渉
・SOMPOホールディングス株式会社 岡井 啓明(モデレーター・BRIDGEsメンバー)

● セッション1「経営幹部のESG経営における悩みとは?」
・パナソニック株式会社 環境エネルギー事業担当参与 馬場 渉
・トヨタ自動車株式会社 Deputy Chief Sustainability Officer 大塚 友美
・ウーブン・プラネット・ホールディングス株式会社  鈴木 貴博(モデレーター・BRIDGEsメンバー)

● セッション2「ESG&SDGsとは?企業に所属するわたしとESG&SDGsの向き合い方」
・慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 蟹江研究室 和田 恵
・SOMPOホールディングス株式会社 サステナブル経営推進室 松本 静香
・東洋製罐グループホールディングス株式会社 シンガポールFuture Design Lab 遠山 梢(BRIDGEsメンバー)
・株式会社日本取引所グループ 須藤 奈応(モデレーター・BRIDGEsメンバー)

● セッション3 「ESG&SDGsに関して若い世代はどのような未来を描き活動をしているか?」
・一般社団法人Sustainable Game 代表理事、聖学院高校2年 山口 由人
・東京大学教養学部 3年 GLP-GEfIL 6期生 渡邉 結奈
・株式会社ステルラ 代表取締役 西 史織
・ショクバイ株式会社 代表取締役、小布施町総合政策推進専門官 林 志洋
・パナソニック株式会社 濱本 隆太(モデレーター・BRIDGEsメンバー)

● セッション4「企業のESG&SDGs取組み事例紹介パネルセッション」第一部:新規事業開発とSDGs/ESG・日本電気株式会社 コーポレート事業開発本部 マネージャー 安川 展之・日揮ホールディングス株式会社 サステナビリティ協創部 アシスタントマネージャー 田中 悠太(BRIDGEsメンバー)・株式会社日本取引所グループ 須藤 奈応(モデレーター・BRIDGEsメンバー)第二部:経営戦略と SDGs/ESG・株式会社リコー 経営企画部 経営企画センター 経営戦略室 澤口 早苗(BRIDGEsメンバー)・株式会社日本取引所グループ 須藤 奈応(モデレーター・BRIDGEsメンバー)

● スペシャル対談「ESG&SDGsを社会実装するためにどのように壁を乗り越えるか?」・環境大臣気候変動担当、内閣府特命担当大臣(原子力防災) 小泉進次郎・パナソニック株式会社 濱本 隆太(モデレーター・BRIDGEsメンバー)・東洋製罐グループホールディングス株式会社 シンガポールFuture Design Lab 遠山 梢(BRIDGEsメンバー)

以下、印象的だったことだとか、雑感をメモしておきたい。

● 基調講演「なぜ私たちはESG&SDGsに取り組まなければならないのか?」

・革新的ファイナンス及び持続可能な投資に関する国連事務総長特使、米テスラ 社外取締役、仏ダノン ミッション委員会委員 水野 弘道・パナソニック株式会社 環境エネルギー事業担当参与 馬場 渉
・SOMPOホールディングス株式会社 岡井 啓明(モデレーター・BRIDGEsメンバー)

こういったトップ層の方の話を聞くと、同じレイヤーの人たちの「肌感」がわかるのがいい。水野氏が、日本のSDGsの認知度がこんなに高い国はない、といっていた。一方で、OneJapanのアンケートで、若い世代よりも、シニアの世代のほ方がSDGsに沿った活動ができている、という結果であったのを受けて、日本ではSustainable Development Goalsではなく、Senior Development Goralsになっていると指摘しているのは、なるほどなぁ、と思った。

また、若い人達の感覚が大事であり、直接的に会社をSDGsに沿った方向に動かくアクションは難しいかもしれないが、たとえば、シニア層には絶対にZ世代の感覚はわからないので、そういった感覚を率直に伝えるのがよいし、ちゃんと自分ができる範囲の行動を沿うようにしていくことが、大事であると指摘していた。

確かに、以前に、「脱プラスチック」のプロジェクトをやっているのに、デスクがいつもペットボトルであふれている人がいた。脱プラやる人が、プラを使いまくっていていいのだろうか?と思ったことがある。

ちなみに私はマイボトルでアイスソイラテ持参派です。一番買う飲み物はビールです。

あと、みんなSDGsバッジつけようぜ、という呼びかけをしていたのだが、バッジという時点で、スーツを着る人が対象になっているのはまさにSenior DGsになっているな、とも思った。ただ、SDGsのTシャツとかあるんだが、イベント以外では着る気にはならない。

ネックストラップなんてのもあったが、4980円はたかいなーw

なにか、Z世代の方で普段使いしやすいSDGsグッズ考えてくださいw

ちなみに私は、1982年生まれのミレニアル世代です。が、ネットにふれたのは高校~大学のあたりだったから、過渡期ですね。

ミレニアル世代は、1981年以降に生まれ、2000年以降に成人を迎えた世代のこと。日本だと20代前半から30代後半くらいの年齢の人々を指し、ミレニアルズと呼ばれることもある。ミレニアル世代はインターネットが当たり前の時代に育った世代(デジタルネイティブ)である。(出典は以下、Ideas For Goodのサイト)

● セッション1「経営幹部のESG経営における悩みとは?」

・パナソニック株式会社 環境エネルギー事業担当参与 馬場 渉・トヨタ自動車株式会社 Deputy Chief Sustainability Officer 大塚 友美
・ウーブン・プラネット・ホールディングス株式会社  鈴木 貴博(モデレーター・BRIDGEsメンバー)

トヨタ社のフィロソフィーが紹介されていました。かねたからあった豊田綱領をもとに、最近(?)、改めて定義しなおしたようです。

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「幸せを量産する」、「可動性(モビリティ)を社会の可能性に変える」なんてトヨタという会社と、言葉遣いがフィットしていて、自分事しやすいんだろうなぁ、と思いました。

以前、ライオン社のパーパスを聞いたことがあって、それは「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」でした。これも、日用品を扱う、もっと言えば、歯ブラシ、歯磨き粉のイメージのライオン社が世の中に存在している目的・志(パーパス)をまさに再定義するんだ、という意気込みを感じました。

トヨタさんの「可動性(モビリティ)を社会の可能性に変える」というのはウーブン・シティにつながっていると感じます。

パナソニック:水道哲学

一つの前のセッションのディスカッションにもパナソニックの馬場さんが出られていたので、2つの内容が混ざっていると思いますが、非常に印象的だったのが、戦後の日本の奇跡の高度経済成長期を支えた起業家たちが残した精神というものが、そもそもSDGsの先、CSV(Creating Shared Value)のコンセプトにすでになっていたということを実感しました。パナソニックであれば、松下幸之助氏の水道哲学はCSVそのものではないでしょうか?馬場さんは日々、松下幸之助氏の本を読んでいるとおっしゃっていました。

産業人の使命は貧乏の克服である。その為には、物資の生産に次ぐ生産を以って、富を増大しなければならない。水道の水は価有る物であるが、乞食が公園の水道水を飲んでも誰にも咎められない。それは量が多く、価格が余りにも安いからである。産業人の使命も、水道の水の如く、物資を無尽蔵にたらしめ、無代に等しい価格で提供する事にある。それによって、人生に幸福を齎し、この世に極楽楽土を建設する事が出来るのである。松下電器の真使命も亦その点に在る。(wikipediaより

オムロン:サイニック理論

最近、オムロン社の話を聞きました。松下幸之助氏と同じ時代を生きた、立石一真氏も、非常に先見の明のある方だったようです。象徴的に語られるのが以下、サイニック理論でしょう。1970年に立石氏が提唱し、いまをもってオムロン社の経営の羅針盤となっているというから驚きです。しかし、中身をつぶさにみれば、もっと驚きます。

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出典:こちらのオムロン社のPDFより

1970年といえば、まだIBMのメインフレームが隆盛、本格的なパソコンであるApple IIが出たのが1977年です。スマホなんて当然ない。米国でインターネットの商用利用が開始になったのも1988年からですし、初のウェブブラウザであるモザイクがでたのは1933年です。

そんな状態の1970年の時点で、IT革命、現在おき、そして起きつつある最適化社会・自律社会、さらにはその先に自然社会というところまで見据えていることは、驚嘆しかありません。

実際、その時のオムロンの講演者の方は、今もし立石氏がいたら、「おれは昔から、キャッシュレスになるっていってたのに、なんで、オムロンはキャッシュレスやってないんだ!」と怒られる、とおっしゃっていました。

NEC(日本電気):Better products, better service. 

私が所属するNECの創立は1899年で、だいたい、松下氏や立石氏が生まれたころが創業期になります。なので一つ世代が前といったところでしょうか。実は、日本初の外資系企業だった、という側面もあります。AT&Tの前身にあたる(といってもこのあたり複雑に分割やらM&Aなどありますが)ウェスタン・エレクトリック社との合弁会社でした。

創業者の岩垂邦彦氏は、東京大学工学部の前身組織で、電気通信を学び、その後、なんと渡米し、エジソンの会社に勤めます。「散切り頭を叩いてみれば、文明開化の音がする」の真っただ中の日本に、電燈をともすための交流電源をアメリカから持ち込むことにも貢献しました。

その後、電話を日本中に普及していくにあたり、国内だけでは供給が間に合わなくなった際に、ウェスタン・エレクトリック社との合弁会社を創立するに至りました。

創業時のNECの基本方針は「Better products, better service」でした(今でも大体の社員が認識している言葉です)。Best ではなく Better。常により良いものを生み出し、提供していく。そして、製品は売りっぱなしではなく、アフターサービスまで含めてBetterであり続ける。そういった姿勢が、現在の社会インフラ事業を支える事業体に続いているのだと思います。

と脱線してしまいましたが、歴史に学び、歴史を作っていく、「温故知新」からESG/SDGsのヒントは実は、未来だけでなく、歴史の中にもあり、それが人々の心を束ねるパーパスになるのかもしれないな、と思い、もっと自分の所属する会社の歴史の勉強をしたいな、と思いました。

残りは後編で。

ということで「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標に更新していきます。よろしくお願いします。

しのジャッキーでした。

Twitter: shinojackie



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