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人事評価の秋。新事業開発みたいなプロセス評価について書いてみた

今日は人事評価について書きたいと思います。2020年4月に管理職に昇格し、最初の1年は部下なし管理職でした。それが2021年からは、自分がマネジメントラインとして管理するチームを持つようになりました。そんなこんなで、上期が終わり、人事評価の秋です。

業績x行動評価、9ブロックス

営業や販促をやっていた頃は、単純っちゃー単純なんですよね。受注・売上目標という非常にわかりやすい定量指標があるので、そこからブレイクダウンし、それが達成されたかどうかで評価をすることになります。

あとは、期初に立てた目標がチャレンジングなものなのか、それとも容易なものなのかによって、その達成度の評価は変わってくるでしょう。それとあわせて、行動面が適切であるか定性的な評価がもう一つの軸としてあります。

GE社の開発した9ブロックスでは、業績面と行動面(会社の行動規範=バリューと沿っているか)の2つの軸で3x3のマトリックスを切り、その達成度合いで9つのブロックにメンバーをマッピングすることで、人財を把握・評価・育成する方法と理解しています。

オンリーワンを目指すパフォーマンス・デベロップメント

2016年からGE社では、メンバーをレーティングするようなナンバーワンを目指すアプローチではなく、オンリーワンを目指すアプローチを狙い、9ブロックスを廃止し、パフォーマンス・デベロップメントという人事評価制度へ移行しているようですね。

上記の記事の中で、こんな風に書かれています

宇佐見 : 最初に「評価は何のためにやるのだろう?」という議論からスタートしました。そしてGEがたどり着いた答えは、「評価は社員の能力開発を促すためにやるものだ」というものだったのです。つまり、「昨日よりも今日の方が成長している」と社員たちが実感できるようにするということです。そのためには、ピープル・リーダー(マネージャー)とチームメンバー(部下)が期初に目標を設定して、期末に評価・フィードバックするようでは遅いのです。いい仕事をしたときにその場で評価をした方が、社員は成長を感じられます。

須東 : 社員を伸ばすために、タイムリーなフィードバックを行う人事評価制度にしたわけですね。

宇佐見 : はい。そこでGEが取り入れたのが、「PD(パフォーマンス・デベロップメント)」という人事評価制度であり、ツールです。この制度・ツールを日常的に使って、良い仕事を評価し、失敗したときもその場でフィードバックできるようにしました。

これは、本当にその通りだなと思います。常に目標を意識して、行動し、行動の結果(経験)から学ぶサイクルをどれだけ多く回せるか、経験学習をまわすことが能力開発だと思います。スターバックスコーヒーで、「是正」と「強化」のフィードバックを日々の業務の中で行っていることも、短いサイクルでの経験学習を回す工夫なのでしょう。

1on1のすすめ

私自身は、チーム運営の中では、隔週1時間の1on1(ワンオンワン)ミーティングを通して、経験学習の機会を定期的に持つようにしています。もちろん、普段からのコミュニケーションの中でのフィードバックはします。その上での1on1の良いことは、「ここは業務指示ではなく経験学習を回すための時間」という目的設定をすることに意味があると思っています。

以下、1on1についてと、テレワーク下で私自身がどんな風に1on1を運用しているのかなど、書いたので、参考いただければ幸いです。

また、併せて、上長から部下への通常の1on1とは逆の1on1というのもやってみて、これまた学びが多かった、という記事も書いたので、リンクを貼っておきます。

新事業開発はプロセスが大事

人事評価について書く、といっておいてなかなか本題に入れないでいます(苦笑)。詳細はプロフィールをご参照(こちら)ですが、直近、5年間くらいは新規事業開発をしていました。

新規事業は千三つといわれるように、失敗につぐ失敗の連続です。失敗というなの成功の素とも言えます。課題インタビュー、ソリューションインタビューを通して仮説検証をし、ちゃんとそれを組織にフィードバックすることを通して、新事業領域の不確実性に対して解を出していく活動、とも言えます。

新事業開発に取り組み、検証結果から学び、次に生かしていく、そういう行動規範、文化が根付き、日々当たり前に行われている状態、経営学的な言葉を使えばルーチン化していることで、組織としては、あちらこちらで、新しいビジネスの明かりが灯っていくんだな、と思っています。

で、これって、冒頭の方でいった営業・販促などのような事業部門の人財評価指標で図るのって、無理があります。成果を評価することももちろん重要なのですが、それ以上に経験学習のプロセスを評価することの重要性が非常に高いと思います。

リーン・マネジメント

と、つらつらと書いてますけど、そんなことを言語化できるようになったのは、「リーン・マネジメント」について学ぶ機会があったからです。以下は手法を開発した元リクルート執行役員の細野慎吾さんのサイトからの引用です。

大企業の事業開発にベンチャーのマネジメントの良さを取り入れるというコンセプトのもとに開発された講座。リーンスタートアップを実践していくために必要な理論を解説するとともに、大企業のように組織管理の制約がある中で、複数の案件・人材を管理しながらリーンスタートアップを実践するために必要なセオリーやツールをご紹介します。細野がリクルートエージェントの売上を100億上げた時の事例を通じて具体的にマネジメント手法を学んでいただけます。
引用:「ビジネス創造が楽しくなる動画」を皆さんで視聴してもらえませんか?

私はリーン・マネジメントについての研修を受けたのですが、もう、本当に目からウロコが何枚も落ちました。これは何年も新事業開発で苦労してきたからなのかもしれませんが、「なるほど!そういう風にとらえればいいのか!!」ということが盛りだくさんでした。

説明文の中に「人材を管理しながらリーンスタートアップを実践する」とあります。ここがまさに、新事業開発に従事するメンバーをどのように評価すればよいのか、についての内容になります。

新事業開発のメンバーをどう評価するのか?

で、ここで寸止めしてごめんなさいなのですが、きっと皆まで書くと細野さんに怒られてしまうので、少ししか書けないことご了承ください。でも、なんか、以下のnoteをみると、複数人あつめると、無料で研修の動画を見ることができるそうなので、関心を持った方はnote記事から申し込みをぜひ(細野さんの回し者ではありません)

概念的な話になってしまいますが、リーン・マネジメントの人材評価では、仮説検証を4つの指標で評価をします。仮説検証プロジェクト(実験と呼ぶ)において4つの観点から「うまくいった、ふつう、うまくいかなかった」という3段階の自己評価をもとに面談を行い、最終的には上長が評価する、という方法です。これを実験の数だけやります。

リーン・マネジメントの人事評価を実践してみた

で、私は、現在の業務は新事業開発とはちょっと違うのですが、新しい取り組みにチャレンジする、その中が多くの実験を積み重ねていくという意味では、ほぼ同じだと思いました。そこで、私自身のチームのメンバーを評価するにあたって、リーン・マネジメントの人材評価のフレームワークをちょっとカスタマイズして実践してみました。

やってみて非常に良かったのが、4つの指標ごとに各メンバーの取り組みがどうだったのかを分解してフィードバックできるので、とても立体的に評価ができることです。

実際に、フィードバックを受けた側がどう感じているのかは、相手にしかわからないのですが、私自身としては、お互いに納得感の高い、建設的な評価をすることができたのではないかと思っています。

また、今回は半期の人事評価を考える段階になって、改めてリーン・マネジメントの手法を応用しましたが、この4つの指標というのは、日々の1on1などでも、経験学習の分解能を高めて、振り返り、教訓化、応用の質を高めていくことにつながるだろうな、と思いました。

その4つの指標ってなんやねん!とここまで読まれた方は不満続出かもしれませんが、気になったかたは、有志を集めて細野さんの研修動画を視聴されることをお勧めします。人事評価だけでなく、強烈にインパクトのある内容で、超おすすめです!

おわりに

今回は、新事業開発のようなプロセスを評価する必要があるような業務の人事評価ってどうするんかねー、ということについてつらつらと書かせていただきました。以下の新任マネージャーの心得というマガジンにこういった記事をまとめているので、もしよかったらのぞいてみてください。

本記事への「スキ」やアカウントのフォローをしてもらえると励みになります!ということで「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標に更新していきます。よろしくお願いします。

しのジャッキーでした。

Twitter: shinojackie

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