過去最高の面白さだった#キングオブコント2023/キレキレのキングオブ審査コメント

キングオブコント2023、サルゴリラ優勝おめでとうございます！

今年はトップのカゲヤマからゲラゲラ笑って、本当に最高の大会でした。本大会をもって、完全にM-1グランプリと肩を並べるような物凄い大会になったと断言できます。

漫才もコントも素晴らしいけれど、やっぱり漫才には漫才の、そしてコントにはコントの面白さがありました。

個人的な好みでは、カゲヤマ、ニッポンの社長、ファイヤーサンダー、サルゴリラ、蛙亭、ラブレターズ・・・いや、もう全組好きでした。みんな本当に面白かった。

中でもラブレターズは会話劇が面白く、設定良し、キャラも際立っていて、動き回る溜口も面白い、会場でもウケていて、展開も派手になっていく理想的でほぼ満点のコントでした。決勝に上がれなかったのが残念。

完璧なコントで欠けてる部分がないから順番のせいだったとしか言いようがないですね。爆竹やロケット花火という日常系コントでは最大級のインパクトだったはずなのに、その前にお尻もナイフも拳銃も出てたから薄れるのは仕方ないですよね。

ただ、それでもファイナルに残った3組は圧巻でした。カゲヤマは今回の大会を経て一番売れる存在になる予感がします。今回のファイナリストの中では一番人間性が見えたし、二人とも可愛さとキモさが共存していて推したくなりました。もちろんコントも他の年ならぶっちぎりで優勝してたレベル。

優勝したサルゴリラは、ほとんど二人が動くことはなく、設定もシンプル、展開していく内容もない。コントとしては地味なタイプで、面白さはほとんどキャラクターと台詞回しから作ってくるのですが、もう本当に夢中になって見ていました。

一本目のマジック。中箱Bにパソコンケース、靴下にんじん、ペンチピーチとボケの下らなさが増していくジェットコースターのようなコント。

地味なのに速度を感じたのは、やっぱり序盤と後半できっちり抑揚をつけたからだと思います。入りはフリが丁寧で、ナッツが似てるという小さなボケから入るから、最後の靴下にんじんと落差を感じてボケが大きくなる。

感情も声量も徐々に増していく尻上がりの内容。ディレクターがキレる理由も分かるし、マジシャンがこの場所に賭けている理由も明かされてコントに納得感と深みが出る。

カゲヤマやニッポンの社長のようにツカミから強いボケをもってくるコントが序盤で印象的だったからこそ、この抑揚をつけたコントが光ったのかなと思います。

二本目の魚。正確には甲子園予選、とかになるんでしょうがこのコントはとにかく魚。こっちのコントの方が一本目より強いと思うのですが、これを二本目に取ってた作戦がすごい。

最初は40歳過ぎて高校生コント？と違和感だったのですが、それも気にならなくなるほどの魚群。児玉のほんのりしたうさんくささや例えを言いたがりそうな人間味が活きていました。

このコントもやっぱり動きや設定の派手さはなく、展開もほとんどなくて地味。これをここまで光らせる会話劇とキャラクターが本当にすごい。

今日の今日まで、又吉のYouTubeで見ることはあってもほとんど応援したことのないサルゴリラを優勝してくれと願いながら見ていました。本当に優勝おめでとうございます！

このnoteでは、今大会を通じてすごかった審査員のコメントをまとめようと思っていたのですが、総評だけで1300文字書いてしまったので、さらっと審査コメントをまとめます。

-キングオブ審査コメント2023-

ぶっちぎりの1位はニッポンの社長の一本目に松本人志が審査したコメント。

「この二人は台本が同じでト書きが違う」

このコメントはめちゃくちゃすごいですね。このコントを二人の視点から捉え直すきっかけになったコメントでした。

刺しても撃っても爆撃でも倒れない友人が「卑怯な手を使ってでも勝って見せろ」と叫んで笑いを作るのですが、辻から見てると笑ってられない。恐怖体験ですよね。

対してケツは古い青春映画の脇役のような自分の振る舞いに酔ってすらいる。不死身なことに違和感を覚えていない。セリフは同じで場面を共有していても、心の中で思うことは全く違う。そのことを一言で明らかにした凄すぎるコメントでした。

2位はカゲヤマが二本目で披露したうんこへのコメント。

「実はうんこって一回しか言ってない」

これもすごい。痺れました。頭の中ではずっと机の上に残されたうんこが見えていて、その汚さにゲラゲラ笑っていました。

ですが、このコメントでカゲヤマがインパクト勝負というイメージから、引き算ができるクレバーなコント師にガラリと変わりました。

セリフの中でうんこを連呼すればもっとウケは取れたかもしれないけど、同時に嫌悪感が増して低俗になる可能性もある。おそらくコントを磨く過程で、うんこと発するセリフを削っていったんだと思います。

大雑把に見えて実はそういう計算ができる、というカゲヤマの誠実なコント師としての一面を明かしたコメントでした。

にしても松本人志の審査コメント凄過ぎ！

キングオブコント2023、コント師も審査員もサイコーでした！！！来年がもう楽しみです！！！

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