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【日本酒初心者必見】とりあえず飲んでみる?

日本酒を幅広く扱っている鮨屋で働いていたときは

『ワインってなんか難しいよね』

自然派のワインを扱ってるイタリアンで働いてたときは

『日本酒ってなんか難しいよね』

お客様からそんな声をチラホラと聞きました。

知らないものに手を出すのは少し勇気がいることだと思います。
日本酒を飲んでみたいけど何から始めたらいいか分からない。
そんな方への道標になるといいなと思っています。

まずは目次にしっかり目を通してみてください。
気になった項目、ピンときた項目から読んでみてください。
他の項目に関しては後回しにしましょう。なんならそこだけ読んで後は忘れてください。

本文を始める前にお伝えしたいのが、題名と本文には『日本酒』と書いていますが、ワインや紅茶その他の飲み物にも応用できることもあると思います。日本酒に囚われず、色々なもので想像してみてください。

味わいで選びたい

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日本酒は辛口。
よく聞くフレーズだとは思いますが、この言葉を使っている人はきっと日本酒についてそれしか知らないんだと思います。

そうやって中途半端にこれにはこれ!って決めてしまうと、その他の可能性を失うことになります。

世の中にはこんなに選択肢があるのに、狭めているのは自分自身かも知れません。

最初はお店の人やお酒に詳しい人に聞くのが一番ですが、それでもいきなりドンピシャで好みのものに出会える可能性は低いです。

『辛い』『甘い』『苦い』『酸っぱい』『強い』『弱い』

などの形容詞と呼ばれるものは、人それぞれの感じ方が全く違い、例えば、このお菓子甘くないよ!と言われても、いや結構甘くない?ということはたくさんあると思います。
食べログの評価もいい例。星が多いのに行ってみたら全然美味しくなかった。皆さんも経験があるのではないでしょうか。

日本酒度や酸度、そう言った数字がラベルに記載されているものもありますが、それだけで判断するのは造り手の方か、血液が日本酒でできてる人しかできないので、まずは自分が好きなデザインのラベルで選んだり、誰かに勧められるがまま飲んで、気に入ったものと出会えたらラッキーくらいの心意気でいましょう。

お店の人やお知り合いに、自分の感覚に寄り添ってくれる人がいればいいですが、それも中々に難しいことだと思います。
経験者の立場から言わせてもらえれば、オススメした日本酒の感想を聞いてきたり、食の好みを聞いてきてくれる人が信頼できるかなと思います。

あ、ちなみに僕ならできますよ。日本酒と自然派イタリアワインが手札です。


ラベルで選んでみたい

大事です。最近はお洒落で可愛らしいラベルが本当に増えています。肝心なのは中身という意見もありますが、そんなこと気にせず好きなラベル探してみましょう。気に入ったもの買って、飲んで、美味しかったら最高じゃないですか。
その際に気をつけていただきたいのが、そのラベルの可愛さで味わいを想像するのをなるべくしないということ。
可愛らしい見た目のお酒が辛口でどっしりとした味わいのものもありますし、昔ながらのラベルでも、フルーティーで華やかなものもあります。
人間、想像が外れてしまうとあれ?っと思うことは多いです。
自分と違うイメージを受け入れられるようであればどんどん想像してください。
想像と違うことを受け入れることが難しいようであれば、どんな味がするのかな?ってワクワクしながら飲んでいただけたらいいなと思います。

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ラベルを見て『吟醸』やら『生原酒』やらたくさん書いてあると思いますが、それを覚えても次に違う日本酒を買うときに役に立たないことは多いです。(知識としてその違いを知るのは楽しみが広がると思うので、興味がある方は『特定名称酒』で検索してみてください。)
地域や蔵が違えばもちろんのこと、同じラベルのものでも別の年に造ったものは味わいは違います。
瓶単位でも味が違うくらいなんですから。
楽しいですよね。


食べ物と合わせて飲んでみたい

結論から言って、酒屋さんのスタッフに聞くのが一番です。飲んだことのない物であればそのお酒の味なんか分かりませんし。           直接人に聞くのが苦手というかたも往々にしていらっしゃると思うので、そんなときは僕にメッセージでも下さい(笑)

と、ここで終わらせるのもなんですので少し書かせて頂きます。店員さんに聞いて買えても、その料理だけでそのお酒がなくなる状況の方が少ないですしね。

日本酒は食べ物との相性の許容範囲がとても広いです。
甘味と旨味のお酒と呼ばれることがあるくらいのお酒なので、少し甘味のある味付けや、出汁が効いた旨味たっぷりの料理とは特に相性がいいですし、料理の塩味は日本酒の甘味旨味を引き立ててくれます。

香りが穏やかでキレがいいものは、特に料理との相性が広いです。
キレがいいとは漠然とした表現ですが、味わいが消えるものだと思っています。
味わいの要素としては、『苦味』『酸味』『辛味』(辛味は日本酒には基本的にありません。アルコールの刺激くらいでしょうか)があると味わいを終わらせてくれる物が多い。
キレがいいと料理の味わいを邪魔しません。
その上料理の味を引き立てるように感じさせてくれます。

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キレを良くしてくれる酸味の要素は特に重要。
ピザやハンバーガーにはコーラ!って多くの方が経験していると思います。コーラは甘味も強いですが結構酸味もあるんですよね。
酸は脂を洗い流してくれて、口の中をさっぱりと洗い流してくれます。
逆にキレが悪いと、料理の味を消してしまったり、甘味が口に残って飲み飽きしてしまうんです。

ちなみに料理との相性が広いお酒は、単体で飲むと美味しくないと感じる人も多いです。
口にして美味しくないなと思っても、色んな料理と合わせてみて、様々な飲み方をチャレンジしてから決めて欲しいと思います。

他のお酒と比べても、料理との相性は特段広いと考えられる日本酒ですが、食事との相性が狭いお酒があるのも事実。               お酒の例としてはフルーティーでお花のような香りがあり、甘みが広がるお酒。
先にも述べた、キレが悪く飲み飽きしてしまうようなお酒に多く見受けられます。
もちろん合う料理もありますが、華やかな香りが料理の香りを邪魔をする、お酒の味に支配されてしまう、料理とお酒のよくない部分が際立ってしまうといったことが多いです。                       食前酒として単体で少し飲む場合や、柑橘を絞った酢の物ですとかさっぱりと食べれるようなものにはいいです。             

この項の最後にペアリングのテクニックの一例として、僕がイタリアンで働いていたときの『お酒の味わいから料理を選ぶ』考え方をご紹介します。 そのお酒の味に近しい味の食品や料理ををまず想像します。そしてそれが、他のどんな食べ物に合うかを考えるイメージ。      

例えば連想ゲームのように                    

・ハーブのような香りがする日本酒→ハーブと言えばバジル→バジルはトマトと合う。じゃあトマトを使ったサラダに合わせてみよう。

・ヨーグルトみたいな味がする日本酒→ヨーグルトと言えば乳製品→乳製品を使った料理といえばグラタン。                   

料理をするのと全く一緒で、この食材にはどんな味付けが合うということから連想させていきます。
僕が実際イタリアンでペアリングをやっていたときは『料理の味わいからお酒を選ぶ』ということがほとんどでした。
それを逆転した考え方です。組み合わせは無限にあります。
なんでしたら今晩の献立を考える助けにもなると思うので、是非お試し下さい。

お家パーティーを開催したい

まずどんなパーティーにしたいかを決めましょう。
みんなで何も考えずにワイワイしたいのか、日本酒好きを集めて語り合う会にするのか。

前者の感じですと日本酒だけだと飽きてしまう可能性もあるので、ワインやハイボール、ジュースなんかも用意できるといいですね。
つまみはなんでもいいと思います。好きなもの作りましょう。
パーティーで大事なことは、来てくれる人の顔を思い出しながら準備すること。

後者であるならば特にここで話すことはないかなと思いますが、スパークリング、低アルコール、華やかな香りがする、都道府県別、原料米違いなど様々な日本酒を用意するのもよし、逆に同じお米、同じ地域の物、というようなコンセプトを持った会も面白いですね。

お酒をプレゼントしたい

あなたが飲んで好きだなって思った物が一番いいです。

『これ美味しいお酒なんですよ。』

ってプレゼントされたら誰だって嬉しいです。

プレゼントする方が生まれた場所のお酒や、日本酒のラベルに『大吟醸』とつくものは、造りも大変で希少なものも多いので、こう言ったものを贈るのもいいですね。

もちろんラベルや見た目で選ぶのも素敵だと思います。女性にプレゼントするのであればお洒落なラベルのものだときっと喜んでくれますし、『開運』『来福』なんて縁起のいい名前のお酒もあります。

自分のことを考えて選んでくれたものであれば、なんだって嬉しいに決まってます。
というかプレゼントしてくれる、ってだけで嬉しいですよね。

お燗してみたい

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僕はお燗大好きです。夏でも温かいお酒飲んでます。
徳利や錫(すず)という金属の容器(ちろり)を使って『湯煎』している光景をよく見かけると思います。
お酒の温度を温めることによって、お酒の味がまろやかに、それでいて旨味が増します。

是非カセットコンロやIHを用意して、食卓の横に置き、いつでもお燗できる準備をしておきましょう!

はい。面倒くさいと思います。
湯煎等でゆっくり温めたほうがおいしくなるのは間違い無いのですが、ちょっと面倒くさいですよね。
僕はマグカップとかに入れてレンチンします。
一気に温めてしまうと、ピリピリとした刺激が出てきてしまうので、解凍等の温度帯でゆっくり温めます。
方々に怒られてしまいそうな内容ではありますが、お燗するのがめんどくさくて日本酒すらも飲まなくなってしまいました。
なんてのよりは、形はどうあれ飲んでもらったほうがずっと嬉しいです。

お燗に合うようなお酒は、前述した料理との相性が広いお酒に多く見受けられますが、中には華やかなお酒を温めるのが好きっていう方もいます。
自分が気に入ったお酒で試してみてください。

日本酒でカクテルを作ってみたい

執筆現在、正直なところ日本酒でカクテルを作る意味を見いだせていません。
詳しい人から話を聞いたり、実際に体験してみたいと思ってます。
自分の中でまとまれば加筆するかも知れません。


おわりに

『多様性』という言葉を最近よく目にします。
僕はこの言葉に必要性は無いと思います。
なぜなら最初からそこにあるもので、わざわざ言葉にすることでは無い。

僕は雰囲気で飲むのが好きです。
本を読みながら飲んだり、好きな音楽を聴きながら飲んだり、好きな映画を見ながら飲んだり。

蔵元さんを想像しながら飲んだりもします。あの人っぽい味だわー。なんて。
訳わかんないと思いますが笑

四の五の言っておいてなんですが、四の五のなんて必要ないことが多いです。

好きに飲んで、好きに楽しんで下さい。

それがあるべき楽しみ方です。

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