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【AI従業員と働く生活】第1回 Claude Artifactと二人三脚で進める爆速プロトタイピング

はじめに

こんにちは。先日「AI従業員と事業を始めます!」と所信表明しました、shinoです。

今回は、Claude ArtifactをエンジニアAIとして雇い(月給20ドル)、私が思いついたアプリ案を設計開発してもらう様子を共有します。また、AIと一緒に働く中で学んだ、人間側に求められる指示の出し方のコツをお伝えしたいと思います。


1. Claude Artifactと進める爆速プロトタイピングのやり方

デモ動画

まずは、簡単なタスク管理アプリを作成し、その設計書と利用マニュアルを作らせるデモ動画をご覧ください。

爆速プロトタイピングの流れ

このプロトタイピングの流れをステップごとに書き出すと以下のようになります。

  1. アイデアの閃きとClaudeへの依頼: こんなアプリがあったら便利かも?と思いつき、Claudeに「こんなアプリを作って」とチャットで指示

  2. Claudeが初版のコードを生成: Claudeがアプリ第一弾のコードをパパッと作成

  3. レビューしながら要件の明確化・追加指示: 画面イメージや具体的な機能を確認し、自分が実装したい要件をさらに具体化したうえで、再度Claudeに実装依頼

  4. Claudeが修正版を作成: Claudeが修正版を提出、より良いものができる

  5. 動作確認と追加の指示: 実際に動かしてみて気づいた点を再度Claudeに相談

  6. Claudeが完成版アプリを提出: 完成形のアプリが提出される

  7. Claudeにドキュメント生成を依頼: 「このアプリの設計書と利用手順書も作って」と依頼

  8. Claudeがドキュメントを作成: Claudeが設計書・利用手順書を作成

2. 従来のやり方では得られなかったメリット

従来の設計開発では、企画者が要件定義→エンジニアが設計・設計書作成→エンジニアが開発→企画者が要件に合っているか確認、という順番で進めるのがセオリーでした。
しかし、要件を定義できた段階でAIに相談すれば、設計書よりも先にプロトタイプ開発までできてしまうのです。
これはプロダクト開発の在り方を大きく変革する可能性を持っています。私が考えるメリットは以下の3点です。

➀機能要件明文化のためのコミュニケーションコストが下がる

要件を持っている人が自分でプロトタイピングできるようになると、「機能要件の明文化」をするためのコミュニケーションコストが不要になります。これによって、企画者とエンジニア間の認識齟齬が減り、スピーディーな開発が可能になります。

②「魔の川」を乗り越える確率を高める

1つのプロトタイプ作成に割く時間と人的リソースが減るため、プロトタイプするアイディア数を増やせます。プロトタイプの総数が増えれば、「魔の川」を乗り越える確率が高まり、より多くのアイデアを製品化に漕ぎつけることができます。

「魔の川」とは
研究成果(Research)を、製品やソリューションの開発(Development)へと持っていく際の関門

https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/1905/31/news014_4.html

③顧客ニーズの反映を迅速化する

たくさんのアイディアをプロトタイプ化し、世の中に発信した結果、「こんな使い方をしたいからちょっと機能を修正してほしい」といったニーズが出てきたとします。
従来の設計開発プロセスで進める場合、機能修正の影響を人力で調べ、影響するステークホルダーとの調整・関連ドキュメントの修正を経てから修正する必要があります。
しかし、機能修正の影響範囲をAIに調べさせ、関連ドキュメントの修正もAIにやらせれば、この工数を大幅に減らすことができ、顧客ニーズを迅速に反映することができます。

さらに、ステークホルダーが少ないほど、意思決定は迅速化します。
(私が「自分+AI」で事業をやってみようと思った理由の1つはここにあります)

3. 爆速プロトタイピングの体験談と気づき

実は、先日公開した「WBSから報告資料を生成するアプリ」(以下、WBS-to-Reportアプリと呼びます)は、この方法で作っていました。
プロトタイピングをしながら考えていたことや、この経験を通して学んだこと(試行錯誤する際の人間側の舵の取り方のコツ)を共有したいと思います。

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