セラピストはちゃんとあなたのことを待っている。
クライエント迎えるための準備と覚悟
セラピストはクライエントさんを迎えるための準備と覚悟とをきちんと持っておくべき。そう思います。
それがプロとしてのマナーだと私は思っています。
セラピストの心の土台が揺らぐなんて
仕事、子育て、家事。
いろんなことをエネルギッシュにやっていくことは得意だった私も、あるときエネルギー切れのようなそんな感覚になったことがありました。
自分のカウンセリングルームを持つということは…
クライエントさんは自分自身のカウンセリング、そしてセラピーにお金を払って来てくれるということ。
※訂正:決して高くない→決して安くない
そう。
クライエントさんは、ひたすら悩んだ末にセラピストの元へ来る方がとても多い。
そんな勇気ある行動をしてくださっているのに、
モヤモヤしてます
ストレスあります
元気ないです
そんなセラピストでない方がいいと思うのです。
もちろんそういう日はあるのは当然です。人間だから。
だけど、出来る限り、
セラピストが自分自身を理解しておくこと。
セラピストが自分自身をケアしておくこと。
これは何より大切な気がしています。
その方法として…
自分がクライエントになってみること
これは一度は経験しておくべきことなのではないかと思っています。
セラピストがクライエントになってみることの意味①
そもそも、セラピストも、カウンセリングを受けることが必要だといわれています(「教育分析」と呼ばれてます)。
教育分析=心理カウンセラーが自己成長のために受けるカウンセリングのこと。
セラピスト自身の心の状態というのは、ご想像のとおり、クライエントの心に大きな影響を与えるもの。
だからこそ、この教育分析だとか、SV(スーパーバイズ)だとかを受けることを推奨されています。
セラピストがカウンセリングを受けることの意味。
自らの課題を認識し、
自分のセラピーの中で生かすことができる
これが、大きな意味の1つだと思います。
・自分が、どういう状況でどんな感情が出やすいのか
・その感情が出てきたときに、きちんと気がついて、
客観的にそれを状況の一部として分析しながらセラピーを進めていけるのか
セラピストも、自分の状況によっては、心がざわついていたり、苦しかったりする場合もあるとは思います。
人間だから。
そんなときでも、自分のことをきちんと知っていれば、
自分の状況や感情が、クライエントさんとの相互作用の中で、どう影響しているのか、ということをきちんとアセスメントの中に含められるはず。
心がコントロールできるかどうかよりも、自分のことをきちんと知り、それをクライエントさんの心の分析の中に含められることこそが重要なのではないでしょうか。
そういった準備は、
クライエントさんが、どんな気持ちを打ち明けても、どんな言葉を投げかけても、きちんと一緒に眺めることができる準備でもあるはずなのです。
セラピストがクライエントになってみることの意味②
そして、セラピストがカウンセリングを受けてみることには、もう1つのかなり重要な意味が含まれていると思います。
それは、
クライエントさん側の視点で
カウンセリングを眺めることができるということ
使ったことない家電を、友達に
「この掃除機、めちゃくちゃ軽くてよく吸い込むしー、使いやすかったから使ってみてー!」
とは普通言わないですよね。
自分がカウンセリングを体験したことがないのに、
「臨床心理士に相談することってすごくいいんだよ」とカウンセリングを勧めることは、使ったことない掃除機を適当に友人に勧めるのと同じだということ。
人に勧めるときには自分が使ってみて勧めるのが基本。
実際、私は、自分がクライエントとしてカウンセリングを受けて、
・クライエントさんにとって自分はこんな風に見えているのか
・クライエントさんに言葉を投げかけると、こんな風に残ることがあるのか
・カウンセリングの予約をキャンセルしたいときにはこんな思いが隠れていることがあるのか
そういったクライアントさんの側の様々な視点を手に取るように感じることができたように思います。
百聞は一見に如かず。
教科書には書いていないことが、自分の体験として染み込んでくるかんじ。
そして、改めて感じたことは、
セラピストの1つ1つの言葉選びの大切さ。
セラピストから投げかけられた言葉で、カウンセリング中にはしっくりこなかったり、うまく答えられなかったりするものもあるんです。
なんで先生はあんなこと言ったんだろう。
よくわかんないな。
そんなモヤッとした気持ちが残ることも。
でも、自分の中で必要な言葉というのは、不思議と頭の中に残っていて、家に帰ってからもその言葉について、気づくと考えているものなんです。
植物に必要な水と肥料を与えていれば、しばらくすると、ひょっこり芽を出す、そんなかんじでしょうか。
水を上げた直後じゃなくて、数日後にその水の効果が現れてくる。
だからこそ、セラピストの言葉選びは本当に大切だし、その言葉が選べる気持ちの余裕を作るための自分の心のケアもやはり怠ってはならないなと思うわけです。
カウンセリングを受けるクライエントさんへ
セラピストであれば、研鑽を積むことはもちろんのこと、このように、きちんと、自分のケアをしながら、自分の課題も認識し、あなたの悩みや辛さを受け止める準備ができていることが通常であるはず。
そうでなければ、クライエントさんを迎えてはならないと私は思っています。
だから心配せず、安心して、カウンセリングに行ってほしいなと思うし、カウンセリングに行ったら、「嫌われるかな?」なんて思わず、なんだって話して欲しいなって思います。
決して、あなたのことを変だとは思ったりしない。
こんな思いで、私たちはちゃんとあなたのことを待っています。
※このnoteは一旦公開したあと、やっぱり自分の思いにしっくりこなくて寝かせていたもの。またしっくりくるときがきたので、書き直して投稿したのです。そんなときもあるんだなぁ。不思議な不思議な再投稿。
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