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夜職ホイホイビッチの幸せ♡奪取計画

①花と赤髪、繁華街にて夜と踊る


『夜の街』

大疫病の末、そう呼ばれ始めたこの街を闊歩するのはホストやキャバ嬢、風俗嬢など所謂夜職の人間だけではない。街のネオンによって真っ赤な髪を鮮明に縁取られながら、豪華に活けた花々を抱えた若い女がペタペタと金と欲望と、それから

…今は疫病にもまみれた街を縫い歩く。


繁華街の街角に店舗を構える花屋に赤髪ビッチ、否、赤髪ヤリマンクソビッチの私は勤務している。

名前などどうでもよかろう。私は齢、21の赤髪ビッチでありそれ以上でもそれ以下でもない。強いて言うなら思考回路が年相応の女の子ではないほどに四方八方ひねくれており、繁華街の客が女も男も大嫌いなキューティハートフルボッコガールで夜職の男とばっかりご縁のある女とでも言っておこう。私の話は今後ゆっくり嫌になるほど勝手に語らせてもらう。


さて、今日も今日とて通りを歩く人は少ない。例年ならそろそろ忘年会シーズンで一足が増える頃だが今年はそうはいかない。まず、サラリーマンがいない、接待がないため女の子の店は大打撃である。逆にこのご時世でも女の子の店ほどの大きな影響がないのはホストクラブだ。正直、世の若者は就職活動などは別だが、生活面ではそんなにコロナを気にしていない。例に違わず令和に溢れる地雷系メンヘラたちもマスクなんて黒かピンク以外はつけねぇぜつけてもあごマスクだぜ、担当ぴに逢いに行くぴてなわけでホストクラブはまだマシらしい。ホストの友達談だが。


繁華街というだけでウイルス陽性者が1人出ようものなら世間から叩かれまくる。こういうところで飲む人は確かに大多数という訳でもない。だが、これほどまでに目くじらを立てて『夜の街叩き』をする暇があるのか。


都会に行けば行くほど自粛傾向は強くなっている。お東京からGoToキャンペーンで遊びに来た子達が口を揃えて言っていたのだから事実だろう。

私の県では現在駅周辺や夜の街ではない繁華街なら飲食店も少しずつ活気を取り戻しつつある。深夜でも若者がマスクもつけずたむろって酒を片手にねぇ赤髪の姉ちゃん!などとナンパする余裕が出てきたようだ。


まぁ職場周辺は全く賑わっていない。今年に入って潰れた店舗は数しれず、通りに立つ客引きの女の子をよく見ればとびきり可愛い中堅クラブの女の子まで客引きで立っている始末だ。もちろん、格式を重んじ、このご時世でも一見さんお断りを貫くお店も沢山ある。

だが事実、女の子たちは生活が苦しくなりパパ活を始めたり、風俗嬢になったり…仕方の無いことだがなんとも言えない話である。


若造赤髪ビッチから見た、大人達の世界と私のありきたりでアホらしくなるほどおかしい、小説のようでそうでもない人生を伝えていこうと思う。



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