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203日後に出版社に内定する女子800m選手|光文社新入社員の就活カレンダー


バイト。OB訪問。長期インターン。ライター経験。何ひとつしてこなかった。ただひたすら走っていた世間知らずの小娘が出版社から内定をもらうまでの203日間。


OB訪問? なにそれー??
インターン?! なんか楽しそー!!
説明会? 終わってたー!!



大学3年の秋になっても
頭の中に就活という文字はなかった。

そんな陸上のことしか考えてなかった小娘が
出版社に内定するまでの話を書いて参考になるのかな?
今、これを読んでくれてる皆さんのほうがよっぽど優秀だと思うけどな? 
って気持ちは正直あるけれど…

「こんな人でも頑張ったら出版社入れるんだ!」「だったら自分も頑張ってみようかな!」

って誰かの勇気になってくれたらいいなという思いでnoteを書いてみます!

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1.就活<陸上


【大学1〜3年(秋)】
部活漬けの毎日。門限のある寮生活。
バイトの禁止。
もちろん後悔はないけれど、いま思うと、とっても窮屈な狭い世界で生きていた。

それでもファッション誌が大好きだった。
狭い世界にいても、ファッション誌を読んでるときは、別のキラキラした世界へ連れて行ってくれる感覚があった。ページをめくるたびに、ときめきを与えてくれた。こんな素敵な雑誌を今度は自分が作って届けたいなぁなんて、ぼんやりと思ったり…。
でも、実際に自分が出版社に入るなんて、
この時は想像できなかった。

2.きっかけ

大学3年就活スタート!

【1月】
3年の冬。就活を本格的な始めた頃にはもうほとんどのインターンが終わっていた。 

そんななか、出版社の1dayインターンをネットで発見。部活のオフ日と重なったからというなんとも軽い理由で参加した。 


「編集者は種を蒔く仕事」

「その芽が咲くかどうかは読者次第。
でも種がなければ花は咲かない。だからその”きっかけ”という種を蒔く仕事をしている」

その1dayインターンで、ある編集者さんが言っていたこの言葉に、感銘を受けた。

誰かに「きっかけ」を与える仕事。

これがずっとしたかった。それも自分がたくさん影響を受けてきたファッション誌でやりたい!これだ!絶対!絶対!編集者になるー!

今思うとすっごく単純だけれど、この気持ちは最後まで変わらなかった。

これだけ「やりたい!」と思える仕事に出逢えたこと、出版社でないといけない理由を見つけられたことは、就活を進めていく上で大きかった。

内定まであと203日。


【2月】
なるべくいろんな合同説明会に足を運んだ。
世の中のことを全然知らなかったので、
出版社以外の企業もできる限り見た。

各企業の説明を受け、
そのたびになぜこの企業は出版社よりも惹かれなかったのか、と自分への問いかけを繰り返した。

そうすることによって、
出版社でないといけない理由に厚みが出てきた。

2月下旬には初めての出版社の筆記試験があった。その筆記試験は、陸上の沖縄合宿の合間に受けるというタイトなスケジュールだった。
別の日にはオールしてES提出し、そのまま朝から練習といったように、部活との両立が思ってた以上に大変な時期だった。けれど出版社でなくてはいけない理由がはっきりしていたから、この時期を乗り越えられたと思う。

3.失敗の連続


【3月】初めての出版社面接

「最近のカフェの流行はなんですか?」
得意な質問のはずなのに頭が真っ白になって、
「お皿にお皿をのせてる感じのお店です!」 
なんて意味わからない回答をした。

唯一のアピール部分である陸上の話も
あっけなく終わってしまい、ファッション誌が大好き!って気持ちを伝えただけの面接で終わってしまった。
本当はもっともっと伝えたい思いがあったのに…。うまく話せない。伝えられない

面接という場で自分の考え、想いを相手に伝わるように話すことの難しさを実感した。

悔しくて一晩中泣いていたけれど、
ここでの失敗が最終的に役に立ったと思う。

失敗から学んだこと
・面接では自分が思っているより伝えたい想いを伝えられない
・事前の準備が大切!

内定まであと135日。 


【4月】ESの〆切ラッシュ

出版社のESは色ペンを使ったり、写真やシールを貼ったりとにかく盛れるだけ盛った。

“エントリーシートでは「やってはいけない」はありません!”

◯学館さんのTwitterを見た時、ESに関する質問箱のこの回答を見て、ワクワクした。

だから、出版社のESは雑誌の切り抜きを貼ったり、普通文字を書くであろう狭い自己PR欄に写真を埋めつくして自分を表現したり、欄外に写真をちりばめたり、カラーペンを使ってキーワードを強調したりと出版社に対する想いを自分の思うがままに表現してみた。

その結果、WEBの打ち込み提出だった1社を除いて、応募した出版社5社すべてESを通過できた。

「これやりたいけど…いいのかな?」

と思ったことがもしあったら、出版はそれを受け入れて、おもしろがってくれる業界だと思うので、やってみてほしいなって思う。

やってよかったこと
・ESに色ペンや写真、切り抜きを使って、自分らしく表現する

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ギチギチ盛り盛り提出ギリギリのESたち

内定まであと106日。

【5月】
コロナの影響でほとんどの採用が一時ストップ。この時期は部活の寮も閉鎖され、実家に戻って練習をしながら、筆記試験対策をおこなっていた。

〈使っていた参考書〉
・朝日キーワード
・出版社 内定獲得! 2021年採用 (マスコミ就活)

ただ、次の【6月】を見たらわかるとおり、勉強不足の部分が沢山あったので筆記試験に関しては別の内定者のnoteを参考にすることをオススメします!

【6月】筆記試験、光文社面接再開

朝日キーワードを使って対策をしていたが、
「チバニアン」「千葉雄大のファンの名称」と、意味わからない回答を連発。

そして、生田斗真さんと清野菜名さんが結婚発表をした翌日。なんとその内容が筆記試験に出た。 

参考書を使って勉強するだけではなくて、ニュース報道SNSなどから世の中の動きに敏感になっておく必要があるのだと改めて感じた試験だった。

失敗から学んだこと
・筆記試験対策は努力の部分が8割!
・参考書だけでなく、毎日ニュースを見たりSNSからの情報を収集して、世の中に敏感になる
・取り入れた情報をキーワードだけでなく、誰かに説明できるくらい理解しておく


内定まであと47日。

4.光文社である理由


【6月22日 】光文社2次面接
(初めての対面面接)

bisが大好きだった。あの世界観がとにかく好き。それを雑誌だけでなく、その世界観を肌で感じられるイベントまでも企画したいという思いから、bisを出版し、幅広い事業をおこなっている光文社を受けた。

ここでびっくりだったのが光文社の「人」。

人事の人ってどの会社でもみんな気さくで優しい方ばっかりだったけれど、光文社は飛び抜けて明るくてうまく言葉にできないけれど、とにかく素敵な人だった。
さらに面接官も、こんな私の話をとっても真剣に聞いてくれた。
帰りのエレベーターでは社員の方が「半袖寒くない?」と優しい笑顔で話しかけてくれた。

なんて言うんだろう。その言葉の一つひとつや話し方、就活生の話を聞く姿勢から、人を大切にしているんだなってことが伝わってきて、こんな方々と自分も一緒に働きたい!絶対!絶対!この会社で働きたい!と強く思った瞬間だった。


光文社でなければならない絶対的な理由を見つけられたのも、就活を進めるうえ大きな武器になったと思う。

内定まであと38日。

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光文社の面接で着た洋服 (snidelのワンピース)


5.光


【7月】面接ラッシュ

7月に入って、やっと自分の戦い方がわかってきた。

それは

①等身大の自分で勝負する
②面接を重ねて自分の引出しを増やす
③失敗を次に生かす(面接シートの作成)


の3つだ。

①等身大の自分で勝負する
最初に受験した出版社に落ちたあと、今から長期インターン型の学生ライターに応募しようか。秘書検定を受けようか。(?)
面接のために、自分に足りてないものを必死で付け加えようとした。

でも、慌てて始めたことって面接官はすぐ見抜くと思うし、なにより自分が自信を持って話せない。

ありきたりな言葉だけど、今まで自分がやってきたこと、考えてきたこと、これからやりたいことを素直に自分の口で想いをこめて伝えるほうが面接官の心に届くのだと思い、ありのままで勝負することに決めた。


②面接から自分の”引出し”を増やす
他業界も含めて他社の面接で驚いたのは、自分がすごいと思ってたものが実はたいしたことなくて、逆に自分がたいしたことないと思ってたことに興味を持ってもらえるということ。

たとえば陸上において、関東入賞と全国出場だったら圧倒的に関東入賞の方が難しい。けれど全国というワードの方が興味を持ってもらえた。

また、何気なく話した4人1部屋での共同生活という言葉にも、思いがけず興味を持ってもらえたことがあった。

他社での面接を受けて学ぶ。ちょっとした言葉の選択や、幾つかある趣味のなかでどの話をメインにするか?一番が決められない挫折経験のなかでどのエピソードを伝えるか?で興味のベクトルの大きさが変わってくることに気づいて、限られた時間の中でできる限り自分に興味を持ってもらえるきっかけになったと思う。

面接を重ねていくうちに自分では気づかなかった話題やアピールポイントといった自分の”引き出し”を増やしていけるのだと学んだ。


③失敗を必ず生かす(面接シート)

失敗した面接って思い出したくないし、
早く忘れたい。
でも、そこでちゃんと振り返って次に生かせたことが光文社の内定に繋がったのではないかと思っている。

具体的には


1.面接帰りの電車で質問と回答を思い出せる限りiPhoneのメモに書き出す

2.話せなかったエピソード、もっと伝えたかった想いを書き出す

3.1、2のiPhoneメモとネットに載っている過去の質問をもとに、次の面接の質問と回答時に話したいことをWordで打ち込む

4.プリントアウトして、その話から派生して、話せること、話したいエピソードをペンで付け足す

5.この紙をもとに面接練習(笑顔で!)

これを繰り返した。

そうすることで、自分の頭の中を整理した状態で面接に臨めた。
さらに、面接前には「こんだけ準備したんだから!」っていう自信が持てた。
それでもやっぱり緊張はするけれど、以前よりは落ち着いて面接に臨めるようになった。

陸上でもスタートラインに立った時、「これだけ頑張ったんだから!」っていう自分を信じる気持ちに似ている気がした。

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1回の面接につき多い時にはA4 
10枚にもなった面接シートたち!



その結果、面接後に
「あ〜この話もしたかったのに…。」
「本当はこのことも考えてるのに…。」
という後悔がだんだんと少なくなっていった。

この3つを意識してからだんだんと通過率が上がり、この時点でやっと出版社からひとつ内定を貰うことができた。

やってよかったこと
・面接後すぐに振り返りをiPhoneのメモ帳に記入
・面接をイメージして、伝えたいことをWordに打ち出して整理して練習!



【7月30日】光文社最終面接日

これまでの失敗面接から学んだことを生かせるよう、例の面接シートを作成し、自分の頭の中を整理。
素直に気持ちを伝えられるよう準備した。

Nizi Project の話がしたかったんです。」
なんてまさか面接官から言われるとも、大好きなNiziUの話が最終面接でできるとも思ってもいなかったけれど、光文社への強い思い、将来やりたいと思っていることなど、自分の思いを素直に伝えることができ、これでダメだったらもうしょうがないなって、初めて思えた面接だった。


「内定者には本日中に電話があります。」

そう伝えていただいたのに、面接が終わった安堵感と後輩の誕生日パーティーの準備に夢中で、2回も光文社からの電話に出なかったのは、今でも猛反省している。

けれど3度目の電話に出て、内定の連絡を受けた時はもう言葉にならないくらい嬉しかった。
それ以上に、自分の内定を泣いて喜んでくれた後輩がいてくれたこと。びっくりしたけど、今まで就活も陸上頑張ってきて本当によかったと感じた瞬間だった。

この先、一生忘れられない203日間となった。

内定まであと0日。

以上、世間知らずの小娘が憧れの出版社から内定をもらうまでの就活カレンダーでした!

6.終わりに

長々と書いてしまったけれど、とにかく大切なのは「自分なんて…。」と思わずに自分の気持ちに素直になって、出版社入りたい!って気持ちを持ち続けること、自分の可能性をちゃんと自分で信じてあげることだと思います。 
お祈りメールが来たり、内定もらった!って友達の声を聞くと、焦ったり、自分に自信をなくしちゃうかもしれないけど、不安になった時、周りと比べるんじゃなくて、相手、面接官、将来一緒に働くかもしれない人たちにどうしたらもっと自分に興味をもってもらえるか? どうしたら一緒に働きたいと思ってもらえるか? をたくさん考えてほしいなって思います。 

あとは個人的に、面接の回数を重ねるほど相手に伝わる言葉や話し方がわかってくると思ったのと、面接を受けてみないとわからない空気感や雰囲気もあるので、時間のある限りいろんな企業を見て、受けて、そのなかで自分が絶対ここに行きたい!って会社を見つけられたら素敵だなと思います。

こんな世間知らずの陸上バカでも203日間で憧れだった出版社に入社できたんです!だから何度も言うけれど、「自分なんて…」と諦めずに最後の最後まで自分の可能性を信じてあげてください!
皆さんの就活が納得のいくものになることを心から祈っています。

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