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『影の縫製機』ーミヒャエル・エンデ作ー【『モモ』や『はてしない物語』だけじゃない!!ドイツ児童小説家の傑作詩集】

こんにちは、初めましての人は初めまして。

今回は『モモ』や『はてしない物語』で有名な、ドイツの児童小説家ミヒャエル・エンデの詩集『影の縫製機』について書いていきたいと思います。

この詩集はエンデが『はてしない物語』を執筆してから3年後の1982年に出版されています。

僕が生まれる以前の作品ですが、現代に生きる僕たちにもハッと何かを気づかせてくれる作品になっています。(めちゃめちゃ月並みな表現ですいません。)

僕自身人生で初めて、詩集を手に取ったのですが全く抵抗なくスラスラと読み進めることができましたので、普段こう言ったジャンルの本を手に取らない方にもおすすめです。

【個人的に響いた詩の紹介】


下記で特に僕の心に残った1篇紹介しますので、興味がわきましたら他も読んでみてください。

ちょっと長めですが、SNS社会に生きる僕たちに響く作品になっています。

『透明人間』
そのむかし ひとりのおとこがいた。
なやみの種は、目に見えないこと
だけどむかしから 見えなかったわけじゃない
じわじわと 消えていったんだ
けれども まほうや のろいの せいじゃない
事態はもっと深刻!

ずっとまえはそれでも
すこしは姿が見えていたのさ!
それじゃ どうして消えたかって?
ひとりもいなかったのさ
しんそこ愛してくれる
心ゆるせる友が

だれからも好かれない人は
町の中でもひとりぼっち
だれでもない人なのさ!
はじめに消えたのは なまえ
やがてりんかくが消え
透明になるしかない

こうしておとこは 姿のないままでおでかけだ
みんな おどろき あきれて わらいがさざめく
身なりはいいけど
宙にうく ぼうし
かんじんかなめの 顔がない
うんざりした そのおとこ
ある日芸術家をたずねて
仮面をほってもらった

「いっちょう たのむよ
みんなに好かれる 美男子を
似合いの仮面が ほしいんだ」

仮面ができると
昼も 夜も かぶったさ
みんな 仮面にうっとり
おとこはけっきょく 透明人間
だれひとり おとこを気にもとめなかった

おとこは死ぬまで仮面をかぶりつづけた
ここでひとつ 子どもにもわかる
だいじなことを書いていこう
愛してくれる人には 感謝しよう
愛をあたえる人になろう
姿が消えないために!

『影の縫製機』ー長崎出版株式会社ー

【感想ー1982年の作品とは思えない、SNS社会の風刺ー】


どうでしょう?
僕には1982年の作品なのにSNSの映え、赤の他人からの承認を意識しすぎて、周囲を疎かにし、誰にも愛されずに死んでしまった男の悲しい一生を描写しているかのように感じました。

赤の他人から認めてもらうのもいいですが、まずは自分を愛してくれる友人を大事にすべきですね。
優先順位を間違いないことを心がけていきたいものです。

他にもこう言った素敵なだけでなく、人をハッとさせるような詩がたくさん載っておりますので、是非一度読んでみてください。
ちょっと高いですが、挿絵も本当に素敵なので購入の価値ありです!
僕は図書館で借りて読みましたが笑

【豆知識ー作者の奥さん実は〇〇〇の方】

最後に一つ豆知識。
作者のミヒャエルエンデの奥さんは日本人の方らしいです。
しかも、はてしない物語の翻訳者を担当された方!!
びっくりです。

【締めのご挨拶】

ここまで読んでいただきありがとございました。
今回は、こちらの詩集を読んでいて感動してしまい、
衝動的にNOTEに書いてみました。

これからも皆さんに楽しんで読んでいただけるような記事を書いていきますので、よかったら読んでみてください。

また、フォローやライクも励みになりますので、
是非よろしくお願いします!!







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