見出し画像

『サラリーマン』【ショートストーリーのような詩のような何か】

俺はサラリーマン。

朝早く会議に出て、昼は得意先を巡り、夜は資料を作り、会食に向い、また資料を作る。

上司の顔色を伺い、得意先の業績の心配をする。

あれをやれ、これをやれ。

やるべきことは常に山のよう。

頑張って、頑張って、頑張って。

耐えて、耐えて、耐えて。

そうすれば出世できるはずだ。

出世したら、給料が上がれば、幸せになるはずだ。

いつかそんな日が来る。

今は耐えるんだ。

そう思っていた俺もついに定年。

もう働くなくて良いんだ。


僕もサラリーマン。

朝早く会議に出て、昼は得意先を巡って、夜は資料を作り、会食にいき、資料を作る。

上司はどんなことが知りたいんだろう、得意先の業績はどうやったら上がるんだろう。考えることはたくさんある。

あれをやろうか、これをやろうか。

考えるべきことは常に山のよう。

考えて、考えて、考えて。

成果が出るのはとても楽しい。

出世しなくても、給料がこれ以上上がらなくても、とても幸せだ。

いずれ働けなくなる日が来る。

そんな時まで働き続けよう。

そう思っていた僕も定年。

さあ、次はどんなことをして楽しもうか。










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?