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読書感想注意報『読みたいことを、書けばいい』

学生時代、読書とマラソンが大嫌いだった。

大人になってから沢木耕太郎のスポーツノンフィクション、永沢光雄のインタビュー本は読んだものの、いわゆる学生時代に読んでそうな文学書の内容はほとんど知らずに生きてきた。

とりあえず読みたいと思うものがなかったのだ。
たまに本は買ったりするのだが、いつも純情な感情でも3分の1も読めなかった。

ところが、家のオヤジはとても理解力のある人だった。
「読書感想文をどう書いていいか分からない」と訴えたら

「映画見りゃいいんじゃねぇか。楽だぞ」

あなたは発明王エジソンですか、ドクター中松ですか。
初めてです。こんなに尊敬したのは。あなたの子供で良かった。

とりあえず適当に映画化された小説を探したら『ビルマの竪琴』があった。
VHSビデオを借りて見る。これは楽だ。巻き戻して印象に残ったシーンをもう一度見てそのまま書く。

驚きの早さだった。

しかし麹町は好事魔多し(行ったことないけど)。

急いで書いた文章に「出家した‘中井貴一’が」と書いてしまった。

本を読んでいないことがばれて、職員室で立ったまま叱責される私。
おそらく肩には2羽の鳥が止まっていたと思う。間違いない。

それから飛んで飛んで数十年後。

相変わらず本はあまり読まなかったが、競輪のサイトで、とある思い出を書いたら年間大賞をもらってしまった。
始まったばかりで投稿も少なく、レベルは決して高くはなかったと思うが、トロフィーをもらったのは小学校の野球チームの参加賞以来。

すぐに舞い上がってしまった。


ところが。

その後ちょぼちょぼ書いてはみるものの、全く続かない。

スタバにパソコンを持って行って書こうとしても、そのままネットの競輪中継を見て車券を買って終わってしまう始末。

そんな時現れたのが、田中泰延著『読みたいことを、書けばいい』だった。

まずは字が大きいのが本嫌いにはとても優しい。
針の糸を通すところが大きくなっているような優しさを感じる。

そして文章内で起承転結について書かれているが、全体の構成は「起起起起起笑起起起起笑転々転々、結」で眠らせない、飽きさせない、だってしょうがないじゃない流れだった。

「調べることの大事さ」
確かにギャンブルで言えば、きっちり調べている人の文章は本当に面白い。
必ず当たるかは別としても。

田中泰延氏の少し長い所信表明演説のようなこの本は、私のバイブルとなっている。

ちなみに私は無宗教ではあるが。

最後に田中氏の第3弾、第4弾が楽しみであるとプレッシャーをかけて終わりとしたい。
ちなみに第2弾は間もなく出るらしい。

【追伸】

5年前からマラソンを始めました。

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