2022年5月22日、ポーランドのドゥダ大統領がウクライナ国会で行ったスピーチの要旨

2022年5月22日にウクライナの国会でポーランドの大統領、アンジェイ・ドゥダが行ったスピーチの要旨です。ポーランド語から要旨を訳したもので、完訳ではありません。

ロシアの侵攻が始まった数時間後の2月23日にここにいた。その時、ポーランドはウクライナをとり残すことはしないと言った。4月上旬に、破壊された町、ウクライナの悲劇を見た。世界が自由で公正であるためには、ウクライナを放っておいてはならない。今、自由な世界はウクライナの顔をしている。

ウクライナが世界を守ってくれていることに感謝する。

ウクライナからポーランドに逃げてきている人たちは、ポーランドにとって難民ではなく、お客さまだ。

これまで、ウクライナはポーランドに感謝してきた。武器の提供、ウクライナ避難民の受け入れ、ポーランドはロシアを恐れなかったこと、ウクライナ人にポーランド人と同じ権利を与え、学校で子供たちを受け入れた。これら全ては事実だ。だが、英雄は私たちではなく、あなたちだ。あなたたちは偉大だ。

ウクライナの軍人たちはウクライナの英雄であるだけでなく、ポーランド、そして世界の英雄だ。彼らに敬意を表したい。あなた方の勇気、自由を守ろうとする意志に感謝する。

ウクライナとポーランドはこれまでの歴史で多くの過ちをお互いに犯してきた。「お互いに尊敬し、協力して将来を築いていかなくてはならない」とヨハネ・パウロ２世は言った。それを今、私たちは実現しなくてはならない。

多くの国はロシアが早々に勝つに違いないと言った。だが、ウクライナはもうすでに３ヶ月近く戦っている。ウクライナは滅びない。多くの国の大使はウクライナから逃げたが、ポーランドのバルトシュ・チホスキ大使はウクライナに残った。キーウが攻撃を受けた時もここに残った。大使に敬意と感謝を捧げる。

キーウ、ハルコフ、マリウポリでのウクライナの戦いは歴史に残る。これはウクライナの勝利だ。ロシアはどんな作戦も実現することができなかった。

西側はウクライナのおかげで、バイデン大統領を中心に一丸となりつつある。ヨーロッパにはもっとアメリカが必要だ。残念ながらヨーロッパでは最近、ウクライナはプーチンの支配されるという意見が聞かれる。だが、ウクライナだけがウクライナの将来を決める権利がある。ウクライナを抜きにしてウクライナの将来を話すことは許されない。これは鉄則だ。

西ヨーロッパは正義を試されている。自由、人権、連帯を語るのは美しいが、それが実際には汚いものなのか、本当にその通りを意味するものなのか試されている。表面的な言葉だけであってはならない。

私たちはロシアに依存してはならない、ロシアに依存することが、国民に危害を与えることになると言ってきた。だが、それは聞き入れられず、軽視されてきた。ロシア嫌悪と中傷された。だが、世界は今、私たちが正しかったことを静かに認めている。

ウクライナがEUのメンバーになるまで、私は働き続ける。私たちは、将来のために、子供たちのために協力し合わなくてはならない。

ポーランドは1991年に世界で最初にウクライナの独立を認めた。ウクライナとポーランドの国境は分断するのではなく、連携しなくてはならない。今は、新たなポーランド・ウクライナ協定ができるべき時だ。

世界はウクライナの再建に協力しなくてはならない。だが、何よりも攻撃国、ロシアがウクライナの再建の代償を支払わなくてはならない。ロシアがウクライナを破壊し、ウクライナ人を殺した。彼らがそれを償わなくてはならない。だからそのためにロシアの資産を凍結しなくてはならない。

ウクライナは戦争に勝つ。ウクライナは再建し、戦前よりも美しい国になる。私は確信している。自由で独立したウクライナよ永遠に！ポーランドよ永遠に！

写真：©️Jakub Szymczuk/KPRP
Do Rzeczyよりhttps://dorzeczy.pl/swiat/304126/duda-tylko-ukraina-ma-prawo-decydowac-o-swojej-przyszlosci.html

ポーランド語スピーチの映像はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=olD4TArp9vA