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【キャリア相談】企画書の作成の極意(44歳・会社員)

福岡市にお住いの44歳の会社員Aさんから頂いた相談を紹介します。

福岡市天神駅近くの研修ルームでセミナーを実施しました。
福岡の皆さまの熱気に押されて私も頑張りました。
セミナー後の懇親会の会場「早川 天神店」でキャリア相談を頂戴しました。

当社は長らく良くも悪くも様々なことがオーナーの一声で決まってきた歴史があり、オーナー死後も下からの起案で物事を決めると言う文化がありません。企画書を作成する際、トヨタ独特のルールがあると聞いたのですが、
他社でも活用できることがあれば教えてください。

44歳・会社員Aさん

そこで今回は、Aさんのキャリア相談「企画書の作成ルール」を頂戴して、「企画書の作成の極意」を「楽しみに変えるチャンス」にしたいと思います。

【私ならこうする】

トヨタで企画書を作成する際に独自のルールがあったか?
と聞かれて特に◎◎ルール的なものはなかったと思いますが、
先輩から
①企画書を作成するより先に、まず現場を確認しろ!
②企画書は、言いたいことをA3用紙1枚又はA4用紙1枚に簡潔にまとめろ!
と再三言われました。
 
後になって私は、
は、現状を十分調べて、何が起きているか、分析しろ。
①の分析結果から問題を特定して問題を解決する対策を考え、それを誰にでも分かるように簡潔に表して、周りの人たち(意思決定者も含めて)を
巻き込め。
ということだったと理解しました。
 
今でこそ、企画書を作成する際や議論する際のポイントとして、
を言い当てるデータ・ドリブンの重要性
を言い当てるメッセージ・オリエンテッドの重要性
が言われていますが、
トヨタではそれを半世紀以上前から、先輩から後輩へ脈々と口伝させていたと思うと、改めてトヨタはユニークな会社だったと思います。

データ・ドリブンとメッセージ・オリエンテッド

データ・ドリブン(Data Driven)とは、
収集したデータを分析して分析結果を意思決定に活用することです。
収集するデータは大きく分けると定量データと定性データがありますが、
私は、企画書を作成する際、議論をする際、
数字の魔力を活用しない手はない、と思います。
数字は、数字をチャート化(グラフ化)して視覚化することで魔力が生まれます。
 
 メッセージ・オリエンテッド(Message Oriented)とは、
何事かが、何を意味しているのか、どこを目指すのか、を簡潔に表現することです。
私は、企画書を作成する際、議論をする際、メッセージの魔力を活用しない手はない、と思います。
チャート化で視覚化された数字は、その数字が示す意味を簡潔に文字化することで魔力が生まれます。

魔力の正体

魔力を生み出すとは、
「抽象」を次のプロセスで「究極の抽象」にすることです。
抽象⇒具体・具象⇒究極の抽象
 
イメージでしか示せないのが残念ですが、
以下、事例を使って説明させていただきます。
 
例えば
①言葉だけで表わす
地球上の生き物の中で一番多い生き物は「昆虫」である。

②言葉に数字を入れてチャート化(グラフ化)して、
視覚化された数字を次のメッセージで表わす
⇒地球上の生き物173万種のうち約100万種が昆虫。
地球上の生き物の約6割は昆虫です。
 
例えば
①言葉だけで表わす
地球と太陽の距離は、地球と月の距離より遥かに遠い。

②言葉に数字を入れてチャート化(グラフ化)して、
視覚化された数字を次のメッセージで表す
⇒月まで光速で1.3秒。太陽までは8.3分。
太陽が消滅しても我々が気付くのは8.3分後です。

例えば
①言葉だけで表わす
アメリカの面積は日本の面積より広いのに、人口100万人を超える大都市の数は逆に日本より少ない。
 
②言葉に数字を入れてチャート化(グラフ化)して、
視覚化された数字を次のメッセージで表す
⇒アメリカの面積は983平方キロメートルで日本の26倍の広さがあるが
人口100万人を超える大都市数は日本の12都市に対してアメリカは10都市と少ない。
日本人に馴染みのある サンフランシスコ は100万都市に入っていない。
 
【チャート化するデータ:アメリカの人口100万都市(2020年調べ)】
①ニューヨーク  833万人
②ロサンゼルス  397万人
③シカゴ  269万人
④ヒューストン  232万人
⑤フェニックス  168万人
⑥フィラデルフィア  158万人
⑦サンアントニオ  154万人
⑧サンディエゴ  142万人
⑨ダラス  134万人
⑩サンノゼ  102万人

サンフランシスコ 88万人
 
例えば
①言葉だけで表わす
自分のユニークさを際立たせることが大切。

②言葉に数字を入れてチャート化(グラフ化)して、
視覚化された数字を次のメッセージで表す
⇒相手より上に立ちたいと相手と競争するのはレッドオーシャン。
ちなみにノーベル賞受賞者100人の研究分野から見えることは、
100人いれば100通りのブルーオーシャン(トップの取り方)があるということ。
 
例えば
①言葉だけで表わす
近代日本はGDPの推移から明治維新と終戦という2つの大きな転換期があったことが分かる。

②言葉に数字を入れてチャート化(グラフ化)して、
視覚化された数字を次のメッセージで表す
⇒1868年の明治維新でガラガラポンされて1回目のリ・スタート。
それから77年後の1945年の終戦でガラガラポンされて2回目のリ・スタート。
それから77年後の2022年はガラガラポンされず政治も経済も制度疲労を抱えたまま3回目のリ・スタートは起こらなかった。
 
どうですか?
アナタの企画書でアナタの組織にインパクトを与えてみませんか?
 
アナタの輝く未来のために!

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