室生犀星「愛あるところに」/遥奈

◆時間旅行シリーズ◆

室生犀星さんの詩「愛あるところに」を、私なりの解釈で音楽と映像にしました。

この詩が収録された詩集「愛の詩集」は、はじめて犀星さんが出版した詩集でした。

犀星さんは、生まれてすぐ金沢の雨宝院というお寺に引き取られました。
住職であるお義父様は、香りの高いお茶をたてては、よく犀星さんを部屋へ呼んでくれたそうです。
そして、そのお茶やお義父様の優しさや、深い愛が、詩をつくる犀星さんをいつも励ましてくれたそうです。

しかし、残念ながらお義父様は、この記念すべき第一冊めの詩集が出版される前に病気で亡くなってしまいました。
室生犀星さんはそれをとても悔やんだそうです。(この「愛の詩集」の中でも何度も語られています)

この「愛あるところに」という詩には、出版までの室生犀星さんの多くの苦労や苦悩、そして出逢ったすべての人や出来事から、
犀星さん自身がたどり着いた、犀星さんだけの『真実の生き方』が見えてくるような気がしました。

ボロボロになった新約聖書や、
出逢った素晴らしい仲間たち。
清く生きる事を心から望み、選んだ道にはどんな瞬間にも愛が溢れていた事を、
お義父様へ伝えているのではないかなと思いました。

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