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私の人生の「地図」を描く本たち。~読書遍歴~

こんにちは。桜小路いをりです。

先日の記事に引き続き、今回も私の読書遍歴の記事です。

今回は、一般文芸作品など、児童書ではない作品を、これまでハマった作家さんを軸にたくさんご紹介していきます。

語りたい作品、作家さんが多すぎて、好きな作家さんすら全員書き切れていないのですが……それでも、精一杯「好き!」が伝わるように綴っていきます。

ぜひ最後までお付き合いください。

東野圭吾作品

私が、「読書」というものに取り憑かれたきっかけ、それが、東野圭吾作品でした。

いちばん最初に読んだのは、『素敵な日本人』という作品。

短編小説集になっており、短いお話の中に「小説」という娯楽の面白さがぎゅっと凝縮されています。私に「小説」の面白さを余すことなく教えてくれた、なんとも贅沢な1冊。

そこから、デビュー作の『放課後』でミステリーの美しさと伏線の緻密さに感嘆し、『人魚の眠る家』で儚く切なく、それでいて芯の通った物語に感動し、さらに『分身』で言葉にならないほど物語に釘付けにさせられました。

私は、東野圭吾さんに出会っていなかったら、ここまで読書を好きになれていなかったと思います。
言わずと知れたベストセラー作家さんであり、私自身の読書人生においても、かけがえのない作家さんです。

近藤史恵作品

近藤史恵さんの作品は、時に温かく、時にシリアスで、行間から物語の雰囲気そのものがじんわり溢れ出てくるような臨場感があります。

特に『インフルエンス』は、手に汗握りながら一気読みしました。終始不穏で、どちらかというと「イヤミス」に近い雰囲気なのですが、最後の最後で読後感がすっと柔らかくなった記憶があります。

他にも『サクリファイス』は自転車ロードレースの世界とその魅力、その過酷さを余すことなく教えてくれた作品です。この本がきっかけで、テレビで放送している「ツール・ド・フランス」を時折見るようになりました。

また、近藤史恵さんはほっこり系のお話や美味しいご飯のお話もお得意な作家さんです。

『タルトタタンの夢』で始まるビストロ・パ・マルシリーズは、シェフが安楽椅子探偵を務める「日常の謎」を扱ったほっこりミステリー。

『ときどき旅に出るカフェ』では、世界中の色んなスイーツを知ることができます。お話の雰囲気が好きです。

幅広いジャンルをテーマに、素敵な文章と深く心に残るストーリーを書かれている近藤史恵さん。
私もこんなお話が書きたい! と思っては、感嘆の溜め息を漏らしています。

三浦しをん作品

三浦しをんさんは、映画でもお馴染みの『舟を編む』で大好きになった作家さんです。

私に「言葉」がもつ魅力を教えてくれたのは、何を隠そう『舟を編む』でした。

言葉って、こんなに魅力的で、こんなに力をもっているんだ、と。
初めて読んだとき、とても衝撃を受けました。たぶん、3日くらい『舟を編む』の話ばかりしていた気がします。

他にも有名なのは、駅伝をテーマにした小説『風が強く吹いている』でしょうか。最近だと、『エレジーは流れない』も、とても面白かったです。

三浦しをんさんの書く登場人物は、みんな魅力的で、生き生きとページの向こうで動いていて、どこかの街に本当に彼ら彼女らが暮らしているんじゃないか……と錯覚させられます。

そのくらい、みんな人間味があって、不完全だけれど憎めなくて、素敵なんです。

小説の書き方の入門書『マナーはいらない』も読ませていただきました。

こういうエッセイになると、急にテンション高めになる三浦しをんさん、私は大好きです。

知念実希人作品

現役のお医者さんでもある知念実希人さん。

最初に読んだのは、確か『天久鷹央』シリーズの第1巻だった気がします。

この辺りから私は、素敵な探偵さんが活躍するお話を読み漁るようになったと記憶しています。

本屋大賞ノミネート作『ムゲンのi』は、鬱々としていた自粛期間中の私に読書のワクワクとドキドキを思い出させてくれた作品でした。

医療×ファンタジーが、非常に綺麗に融合した作品です。ミステリー好きの方はぜひ。

他にも印象に残っているのは、『優しい死神の飼い方』と『祈りのカルテ』。

『優しい死神の飼い方』は、ホスピスに派遣された死神が主人公。犬の姿を借りて患者たちの過去の謎を解き明かしていく彼は、ちょっぴり天然で可愛らしく、何より優しくて癒されます。

そして、『祈りのカルテ』は、主人公の研修医が様々な科を回る中で、自分の医者としての在り方を考える連作短編集。「患者の心を解き明かす」主人公の姿は、読んでいて心が震わされます。医療小説としても、ヒューマンドラマとしても読みごたえ抜群です。

どちらも、「生きること」がひときわ眩しく輝いて見えるような感動的な作品。知念実希人さんの作品を初めて読む方には、この2冊がおすすめです。

瀬尾まいこ作品

瀬尾まいこさんの作品は、少し風変わりな人間関係を優しく温かく描いていて、もう……大好きです。そのひとことに尽きます。

『おしまいのデート』、『そしてバトンは渡された』、『夜明けのすべて』などの小説は言わずもがな、ぜひぜひ色んな方に読んでいただきたいです。

そして、もう1冊、ぜひおすすめしたいのは、『ありがとう、さようなら』というエッセイ。
瀬尾まいこさんが中学校で先生をされていたときに連載していたエッセイが、ひとつにまとめられた連作エッセイという感じ。

瀬尾まいこさんが創る温かな世界観は、こんなかけがえのない素敵な出会いから生まれているのかな……と思わされる作品です。瑞々しくて、眩しくて、何よりたくさんの「愛」があふれていて。
1編1編が短くて、さくっと読めるので、移動中にもおすすめです。

辻村深月作品

辻村深月さんといえば、まずは言わずと知れたベストセラー『かがみの孤城』。先日映画化もされて、とても話題になりました。

500ページ以上あったかな、というほどのボリュームなのですが、その分厚さを感じさせない展開に一気に読んでしまいます。本当に素敵な作品。
私が保証します、徹夜本です。未読の方、ぜひぜひお手に取ってみてください。

『かがみの孤城』に通ずるような、ファンタジー要素のある作品だと『ツナグ』もおすすめです。
私は一時期「生」と「死」に纏わる物語を読み漁っていたことがありました。その中で、私の記憶の中に最も深く刻まれた、心の一部分になってくれた作品が『ツナグ』です。

そして、辻村深月さんは青春小説やファンタジーな小説だけでなく、どろっとした暗めのお話もお得意です。「人間」のダークな一面を削り出す作品といえば、『噛み合わない会話とある過去について』でしょうか。

ファンシーな表紙は盛大なミスリード、思わず顔をしかめてしまうような、人間のどろりとした心理をこれでもかと見せつけてくる作品です。私はこの本がきっかけで「イヤミス」を読むようになりました。

住野よる作品

私が「愛読書」として必ず挙げるのは、住野よるさんの『また、同じ夢を見ていた』です。

「幸せ」の意味、「生きること」の意味を綴った温かな作品で、これまで何度も何度も読み返しています。
私の人生の羅針盤のような作品かもしれません。

もうひとつ好きなのは、『麦本三歩の好きなもの』シリーズ。無邪気で天然、愛され上手で「好き」に真っ直ぐな三歩ちゃんが可愛くて、大好きな作品です。

好きなものがたくさんある方、くすっと笑える本を読みたい方におすすめしたい本です。個人的には、お散歩のお供にできるサイズの文庫本で読むのがおすすめだったりします。

住野よるさんは、『君の膵臓をたべたい』や『腹を割ったら血が出るだけさ』のような、ドキッとするタイトルのお話が有名ではありますが、ほっこり温かい気持ちになれる作品も、私は大好き。ぜひ色んな方に読んでいただきたいです。

あさのあつこ作品

私に時代小説の面白さを教えてくれたのは、あさのあつこさんでした。

最初に読んだのは『おいち不思議がたり』。「この世に想いを残して死んだ人の姿」が見える少女・おいちが、医者の父を手伝いながら成長していく青春「時代」小説です。

私に、「時代小説って、こんなに魅力的で面白いんだ……!」と気づかせてくれた作品でした。時代小説入門の方にもおすすめ。

そして、あさのあつこさんの青春小説の中で印象に残っているのは、『ガールズ・ブルー』です。

言葉のひとつひとつから、瑞々しくて果てしなく透明で真っ直ぐな、「青春」を感じる作品。落ちこぼれ高校生たちの夏が綴られており、衝撃的で、あっと驚く展開はありません。
それでも、その鮮やかな日常が、他愛ない会話のひとつひとつが、たまらなく素敵で。何度も読み返したくなります。

まとめ

まだまだ語りたい本、語りたい作家さんがたくさん残っているのですが、3000文字半ばを超えたのでまとめに入ります。

今回ご紹介した作家さん、作品は、私の人生の「地図」を描いてくれた本です。

悩んだとき、つらいとき、苦しいとき、ふと、その作品の中のワンシーンや台詞を思い出して、それが指針になって、考えて、行動して、その結果いまの私がある。

そんなふうに思える本を、たくさんご紹介させていただきました。

もっと色んな方に知ってほしい! と思っている本はまだたくさんあるので、これからも「読書」に纏わる記事をたくさん投稿していきたいです。

ミステリー遍歴については、こちらの記事で深掘りしているので併せてお読みいただけると嬉しいです。


そして、最後になりましたが、私の「読書遍歴」について質問をしてくださった、こうさんへ。
素敵な質問をありがとうございました!

私自身も、改めて「本」や「読書」がどれほどすきなのか再確認することができて、書いていて楽しかったです。

僭越ながら、何度も読み返させていただいているこうさんの記事リンクを貼らせていただきます。
いつも素敵な記事をありがとうございます!


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

また私のnoteで、お会いできたら嬉しいです。

今回お借りした見出し画像は、温かな雰囲気の水彩イラストです。この記事を書いていて、いい意味で読書の向き合い方は小さな頃から変わっていない、と気づきました。いつまでも、あの頃と同じ無邪気さで、本と、言葉と関わっていきたい。そんな想いも込めて。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。 私の記事が、皆さんの心にほんのひと欠片でも残っていたら、とても嬉しいです。 皆さんのもとにも、素敵なことがたくさん舞い込んで来ますように。