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幸せになろうとしないなんて卑怯だ/YOASOBI「UNDEAD」

こんにちは。桜小路いをりです。

心に突き刺さる歌詞に、出会ってしまいました。

それが、タイトルにもある、YOASOBIの新曲「UNDEAD」のこのフレーズ。

不幸に甘んじて
満足するなよ
幸せになろうとしないなんて卑怯だ

アニメ『〈物語〉』シリーズはまだ追えていないので、今回は歌詞だけにフォーカスして、私の感想を綴っていきます。

ぜひ最後までお付き合いください。

「UNDEAD」を初めて聴いたとき

ikuraさんの歌声、もともと本当にすごかったけれど、この曲ではより一層パワーアップしています。

Ayaseさんのパワーアップ度合いも凄まじいがゆえに、お互いに高め合っている感じがめちゃくちゃカッコいい。

初めて聴いたとき、ikuraさんの歌声があまりにも楽しげに弾んでいて、すごく可愛らしい一方、ほんのり毒っ気も感じて。
一気に魅了されてしまいました。

YOASOBIの曲では珍しい(もしかすると初めてかも)、「お前」という二人称も相まって、攻撃力抜群。

それが、ikuraさんの歌声がもつ元来の可愛らしさや、「ピースピース」というお茶目な歌詞によって、いい意味で絶妙な塩梅に中和されているようにも思います。

また、ラップが多用されているからかもしれませんが、テンポの速い曲なのに、歌詞ひとつひとつがすごく胸に刺さりました。

「幸せになろうとしないなんて卑怯だ」というフレーズは、その中でも特にはっとさせられた一節です。

「幸せになろうとする」こと

「UNDEAD」のメッセージを私なりに噛み砕いて要約するなら、「常によりよく生きろ」でしょうか。

幸せになろうと努力もしないで、自分の不遇を嘆いて、いつまでもそのままでいること。

それはもしかしたら、よくも悪くも安定した居場所に、いつまでも揺蕩っていられることなのかもしれません。

でも、その状況は、果たして「幸せ」なのか。

幸せって何? という議論はひとまず置いておいて、「UNDEAD」の歌詞は、「変わり続けろ」「人で在れ」と聴き手に絶えず強く叫びます。

停滞しないで、満足しないで、とにかく動き続けろ、と。

それは、すごく強くないとできないことかもしれません。

「今のままでもういい、これで十分だから」と思わない。
それはきっと、常に現状を疑って自問して、広い視野と遠くを見つめる目をもっていなければできないこと。

「私なんかには、このくらいで十分」と思わない。
それはきっと、絶対の自信と明確な理想や夢がなければできないこと。

「不幸に甘んじて満足」している現状から脱却するには、痛みや苦しみを乗り越えないといけないのかもしれません。

それこそ、「UNDEAD」という曲そのものがもつ、痺れるような攻撃力と強さがないと太刀打ちできないくらい。

でも、そんな状況に気づかせてくれるのも、それを打破する力と勢いをくれるのもまた、「UNDEAD」という曲そのものです。

死んじゃいない
お前とお前の連鎖
何時の世も
過去も未来も現在にあるんだ
生きていることを
愚直に果たせよ
目指せハッピーエンド

不幸に浸るも
幸せになるのも
そう全部全部お前だ

「生きていること」

それは、生まれたときに私たち一人一人に託された、役目であり使命なのかもしれません。

そして、そんな役目の中で「停滞」することに対して、「UNDEAD」は「変わり続けろ」と歌う。

生きているのなら、変わり続けるために動き続けろ、と。
他でもない自分自身が、幸せで在るように。

「常によりよく生きること」を、決してあきらめるな、と。
幸せであることを、あきらめるな、と。

暗に、「あなたは、決して不幸に甘んじていいような人じゃない」「もっともっと輝ける、価値のある存在なんだ」という想いすら感じます。

あまりにも鮮烈で、眩しい言葉。
その中で確かに感じる説得力。

デビュー曲「夜に駆ける」で取り返しようのない「死」を歌ったYOASOBIだからこそ、「生」を歌った曲がこんなに煌めくのかもしれません。

まとめ

Ayaseさんの作品への愛が爆発した歌詞と曲、ikuraさんの表現力が鮮やかに弾ける歌声。

『〈物語〉』シリーズを知らなくてもこんなに胸に迫るのに、二重に楽しめるようになったらどうなっちゃうんだろう……と、ドキドキしています。

この、ちょっと痛いくらいのドキドキをくれるところも含めて、私はYOASOBIが大好きです。

最後に、私が今思っていることを少し。

「UNDEAD」、早くライブで浴びたいです……!


今回お借りした見出し画像は、花火の写真です。力強く鮮烈な火花の輝きが、「UNDEAD」にぴったりだと思い、選ばせていただきました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。 私の記事が、皆さんの心にほんのひと欠片でも残っていたら、とても嬉しいです。 皆さんのもとにも、素敵なことがたくさん舞い込んで来ますように。