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伊豆天城山でハイキング-12

カニ滝に癒されたら上流へと歩いて次の滝を見に行こう。

木陰に恵まれた散策路を伸びっていくとトイレがあった。

トイレがお近いささ家族と私。

(家以外では)トイレにほとんど行かないたぁは私がトイレを催す度に「どうしてそんなに?」と驚いていたけど、ささ家族が私以上に行くのを知ってからは何も言わなくなった。

トイレを一緒に行ける仲間はいい。

気兼ねなく立ち寄れるし、「念のため」ととりあえず行くことも許してもらえる。
駐車場で行ったばかりでももう一度行っておきたい同士のために自然の川の流れを音姫にしばし待とう。


すぐ傍にお土産屋さんがあった。店内に品物を並べただけではお客が入って来ないとばかりに道の両脇にも陳列している。お菓子やおもちゃの他にドライトマトに銀杏、いちごジャムまで並んでいる。

「銀杏いいね」

確かにおいしいよね。

「(来月頭にはニュージーランドに行くんだし)こんな量は食べられません」

たぁの提言、即却下。

地元野菜も売られていて興味が惹かれるけど、今買うと荷物になるから、もし帰りにまだお店が開いていたらもう一度考えよう。


川の向かいに何やら気になる建物がある。
「何か、何か」と話題になり、文明の利器、スマートフォンで調べてみるとそこは一組限定のキャンプ施設だった。

一泊 23,000円

「キャンプ場としては高いよね」

「ただ大人数で来れば安いでしょ」

互いが互いの意見を言う。

紅葉シーズンや週末は多くの人が滝を見に来て賑やかになるかもしれないけど、きっと夜は自分たちだけの特別な時間が得られるんだろう。そう思えば、うん、いい場所だな。


洞窟温泉プライベートキャンプ場:シーズンや人数によって料金は変わる


ちなみに近くにはキャンプ場もあるようだ。

河津七滝オートキャンプ場


「険しい場所もある」と言われてハイキングシューズを履いてきたけど散策路はずっと舗装された道路。普通のスニーカーでなんら問題がなかったと思われる。

川沿いには見落とすことが出来ないほどわかりやすい看板にデカデカと書かれている。

大岩成就の石投げ

そこから川を見てみると大きな岩にしめ縄がされている。看板の前には小石がたくさん用意されていて、この小石を岩に向かって投げて、見事、上に乗れば願いが叶うらしい。

百円で三回まで投げられる。

無料じゃないのね。それに安くもない気が・・・・・・。なんかすごい商売根性だわ。

「やってみれば」

れんは大抵、人にものを勧める。

「れんさんがやってくださいよ」

「えー、でも願い叶っちゃうから。そうしたらまた来ないといけなじゃん」

大抵、人に勧める時は自分がやりたくない時だ。

確かに案内板には「叶ったらちゃんとお礼に来ないといけない」と書いてある。

「大丈夫ですよ。別の神社仏閣でお礼をすれば」

「えー、でもぅ」

彼はそう言って去って行った。ので誰もやることはなかった。

先にも同様の成就の投げ石があり、同じ会話が交わされ再びスルーされた。


次の滝、初景滝(しょけいだる)までやってくると滝の前に若い男女が川を見つめる銅像があった。これは伊豆の踊子と関係しているらしく名を「踊り子と私」と言う。

じゃぁ、彼らと一緒に記念撮影でもしましょうか。

ささとれんは二人の仲を邪魔をしないように隣に座る。私とたぁ、私とららはしっかりと二人の間に割って入って記念撮影。性格出るわぁ~。


初景滝は高さ10m、太さ7m、まっすぐ滝つぼに落ちる姿が美しい。

なぜだかささとれんはジャンプをした姿を滝と一緒に写真に収めることに夢中になっていた。理由は不明だけど楽しいそうだからカメラマン役を買って出ることにしよう。

滝の美しさが伝わるように彼らを覗いた写真をもう一枚。


川の流れから生まれる滝はもちろん美しんだけどその隣でゴツゴツした岩場から水がしみ出し全体が濡れ、そこに一筋の流れが生まれている名もなき自然の恵みがまた目を引く。

こういう流れもまた格別だ。


先の広場には湧き水があった。周辺部落の人たちが飲んでいるお水のおすそ分けだ。口に含んでみると純粋な軟水で非常に飲みやすい。

日本のお水っておいしい。

だからずっと大切にしていきたい。




主な登場人物:
私-のん、夫-たぁ、
姉-ささ、姉の夫-れん
姪っ子-らら、甥っ子-ぼう



これまでのお話


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